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2016年07月 アーカイブ

2016年07月01日

6月のつぶやき                                  8771
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             孔雀サボテン と アマリリス
●このところ毎日、田んぼ道散歩で日本国憲法とイマジンを英語で歌いながら歩いている。
♪ We recognize that all peoples of the world have the right to live in peace free from fear and want ♪(我らは全世界の国民が等しく恐怖と欠乏から免れ 平和のうちに生存する権利を有することを確認する)
♪ Nothing to kill or die for・・・・Imagine all the people living life in peace・・・・
  No need for greed or hunger・・・・・Imagine all the people sharing all the world・・・・・・ ♪
(誰もが殺すことも殺されることもなく 皆が平和のうちに 誰もが欲張ることもなく飢えることもなく 世界を分かち合って暮らしてることを 想像してごらん)
 憲法とイマジンのこれらの文句―似てるな
 それに、イマジンの“You may say I’m a dreamer but・・・・”(「夢想家といわれるかもしれないが」)ここのところは、憲法に「戦争放棄」を盛り込んだ発案者といわれる時の首相・幣原喜重郎が、その提案をマッカーサーに申し出た時、顔を涙でくしゃくしゃにしながら「世界は私たちを非現実的な夢想家と笑いあざけるかもしれない。しかし、百年後に私たちは予言者とよばれますよ」と言ったとマッカーサーの回顧録に書いてあるのだそうだが、そのことを思い出した。
 女房はこの俺を「変わり者」というが、それを言うなら“dreamer”と言ってほしいもんだな
●母校の同窓会の同期会から案内状が来たが、その案内状には、今回の同期会は「『喜寿を祝う会』として開催するように企画いたしました。・・・・なお、もしかして、懐かしい友と会うラストチャンスとなるかもしれません。大勢の皆様の参加をお待ちしております」と。そうか、そういうことになるんだな。
●いつもの医院に定期検診と薬もらいに行ったら、医者が「血糖値・血圧・コレステロール等は限度内におさまっていて安定を保っているが、なぜか腎機能がこのところ低下傾向にありますね(データを示して)。血圧のせいだとも思えないし、どうしてなのか、精密検査が必要だとしたら別の専門医で診てもらわなきゃならないでしょうが、平均寿命まで生きる分には、このままでもいいでしょう。それとも、もっと生きられるつもりですか」というので、「はい」と答えたら、「お孫さんの行く末を見届けたいとか何か理由でも?」と。「格別、そういうわけでもありませんが、とにかく生きられるだけ生きたいんです」と答えた。
 平均寿命までだったら、あと5年で終わりじゃないか。先日、当方より年下の再従兄弟(はとこ)は66歳で亡くなった。しかしこの俺は・・・・
●都知事が「公私混同」だとか、「せこい」とか騒がれているが、こちとらには「公私混同」しようにも、公職はもとより、何の「職」もなく、年金から税金を払わされているだけだから・・・・女房「そんな問題ではねえべな」
●田植えが終わって、田んぼには人はいなくなってカラスとカルガモとアオサギだけの静かな田園にもどった。そこで一曲 ♪We the Japanese people・・・・♪
 俺は「キリギリスかな」というと、女房「んだな、こっちはアリだがら」だど。
 この物語(原題は「アリとセミ」)の作者イソップは古代ギリシャの奴隷だったという。原作は夏中働かずに歌い通して過ごしたセミはそのあげくすっかり腹を空かし、アリがせっせと働いて蓄えた食べ物を分けてくれないかと乞うたが、アリから応じてもらえず、飢え死にして果てた、というのがそもそもの原作。セミやキリギリスが鳴いて過ごせるのは夏のほんの僅かな期間だけでその後命が果てる、その亡骸はアリたちの餌食になる。したたかなのはアリで、はかなく可哀そうなのはセミやキリギリスのほうだ。それにアリは最近の研究によると、全てが働いているわけではなく、一群のうち2割は働いてはいないのだという。待機していて後で交代するのだというわけだ。合理的な習性なんだな。
●加藤登紀子のコンサートを山形で聴いてきた。本格的な生伴奏(バイオリン・ピアノ・ドラムの3人)のコンサートで、往年の女性シャンソン歌手ピアフの歌特集(「愛の賛歌」「バラ色の人生」それに「花はどこへ行った」など)だった。日本人女性にはあのような低音歌手は彼女の他に誰がいる?美空ひばり・岸洋子・越地吹雪などはいたが。美輪明宏は80歳だが、彼女は72歳。負けられないな。ポール・マッカートニーは74歳。モハメッド・アリはヘビー級ボクサーだが同じ歳で亡くなった。ベトナム戦争当時、徴兵を拒否。いわく「ベトコンは俺を“ニガー”(黒人)とは呼ばない。彼らには何の恨みも憎しみもない。彼らと戦って殺さなければならない理由はない」と。そして世界チャンピオンのタイトルを剥奪された反骨のヒーローだった。
●縁側の外の畑にスズメが数羽、植え付けた種か何かをついばんでいる。女房が「追っ払って」というので、スズメどもに向かって「こら!こら!」と声をあげたら、「スズメさ『こら』ざあっかず、こうして(手をたたいてパン!と)音を立てて追っ払うもんだ!」と言っておこられた。

7月のつぶやき
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●ケーシー高峰の講演(漫談)を聞いてきた。(南陽市民文化会館で置賜医師会が主催)。83歳にもなるんだって。大橋巨泉のことも話していたな。認知症になると「こんな歩き方になるんだよ」と真似してみせた。ふらふら足をひきずって2mほど歩いたところで、やおら観客の方を向いて「いつまで黙って歩かせてんだよ!」と。抱腹絶倒!精神の健康に役立った。
●このところ散歩の歌は日本国憲法前文と9条の歌(いずれも、きたがわてつ氏作曲)の英訳(♪We the Japanese people・・・・♪♪Aspiring sincerely to・・・・♪)、イマジン、いずれもまず英語で歌って、その後日本語で歌い(♪日本国民は・・・・♪♪天国はない ただ空があるだけ 国境もない ただ地球があるだけ・・・・♪)、その後、沢田研二の「我が窮状」(♪この9条 救うために 声なき声よ 集え・・・・♪)、福山雅治の「クスノキ」(♪涼風も 爆風も 五月雨も 黒い雨も・・・・♪)、桑田佳祐の「ピース&ハイライト」(♪都合のいい解釈で 争うをしかけて 裸の王様が牛耳る世は・・・・♪)、加川良の「教訓1」(♪死んで神様と云われるよりも 生きてバカだと云われましょうよね 綺麗ごと並べられたときにも この命を捨てないようにね・・・・♪)、影法師の「花は咲けども」(♪原子の灰が降った町にも・・・・♪)を、バカの・・・憶えのようにして歌っている。恥ずかしくもなく。カラスとアオサギしかいない田んぼ道だから。
●母校の同期会の案内状に、級友で亡くなった人が今年10人目。「ご冥福をお祈り申し上げます」と書き添えられていた。・・・・・・・・そうなのか
●「皆さん、騙されてはいけません!気を付けよう甘い言葉と民進党」とアジって拍手され、したり顔の言葉に気を付けよう! 他党をけなして中傷をくわえ、ソーリたる者にあるまじきアジ演説をして恥じないアベノアジ(テーション)には腹が立つ。真に受けるな、尤もらしい言葉とアベノアジ!
 NHK、アベエイゾウ(影像)にズルさ見え隠れ
 吾輩は弱い者の味方、吾輩も弱い者の一人、だから頑張れ、生真面目で一生懸命なのに敬遠される○○党、負けるな反アベ4党と市民連合! 投票先は一番信用のおける党と人!
●今イギリスでは”BREGRET”という言葉が広がっているそうな。Britain(イギリス)とRegret(後悔)の合成語、それは先の「EU離脱の国民投票」の結果に後悔してる、ということのようだ。
 日本では参院選、 JAPAGRETとなるのか、さあどうかな?

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                        葵の季節
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                     風呂場の窓から見えた葵

2016年07月05日

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 米沢市にオープンした新文化複合施設(ナセBA)の開館記念イベントの一環
   近隣の公園( 西條天満公園)野外ステージ 出演のシルバー・ビーンズ        
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                    ビートルズ・ナンバー
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                H・D・John(ペンネーム)  ♪ Let It Be ♪


2016年07月07日

選挙―選ぶキーポイントは、人格的に信用がおける党・人なのかだ

 選挙は有権者が信託する(信用して任せられる)代表者(人や政党)を選ぶものであって、個々の主張・政策・公約を選ぶものではない。ただ、その候補者・政党がどんな主張・政策を持ち、何を公約しているかによって、それらを総合して選ぶということで、それぞれの主張・政策・公約(改憲か護憲か、経済・金融・税財政政策・雇用・労働政策・社会保障政策・外交・安保政策・エネルギー政策・教育政策・地方・農林漁業政策その他)を一々知ることは選ぶ際の判断材料として勿論だいじなことであり、それらを熟知(充分知り尽く)して見比べたうえで判断するにこしたことはない。しかし、それができる人は、極く限られた人以外にはいまい(18才の新有権者だけでなく、また日々仕事・子育て・介護等に忙殺されている人だけでもなく)。
 テレビ・新聞や選挙公報は、それら(各党・候補者の主張・政策・公約)を解説・掲載し(現有議席の多少に応じてスペースや時間に差あり、政権党や多数党に有利)、テレビには党首討論(数少なく、野党側がもう一回開催をと申し入れるも首相が拒否)、NHKは政見放送を流してはいる。しかし、それらをちらっと見たり読んだりする時間はあっても、じっくり吟味・検討する時間的余裕のない人は少なくあるまい。しかも、そこ(テレビ・新聞・公報)で話され、流されるのは、その党(の党首や幹部)、その候補者が自ら話したり書いたりした政見を、編集を加えてそのまま、いいとこどりで流すだけ。
 そこで大事なのは、これらの各党・候補者の主張・政策など、その表面的な言葉・弁舌・アジ演説(「気をつけよう、甘い言葉と民進党」と首相が言うと、それが聴衆から喝采を受けたりする)など上わべのことよりも、その党、その候補者が、そもそも国民の代表者たるに相応しく、信用して任せられる人物・政党なのか人格的にどうなのかをよく見定めることであり、いったいどんな理念・信念を持ち、「国民の為に働く」とはいっても、様々な境遇・階層等ある中で、上下どっちの階層の立場に立ち、弱い者・強い者どっちの味方になって頑張ってきたのか、頑張ろうとしているのか、立候補や候補者擁立の動機は何なのか、下心(私心―私利私欲や野心、特定の利害目的)でもあるのか、その人間性―公正さ・誠実さ等の品性―をよく見極めることが肝心なところなのであって、むしろこの方が大事なのだ。
 この点では(人物的に、或いは党の性格からいって)、いいかげんだったり、眉唾だったり、欺瞞なところがあったり、当てにならない候補者・政党があり、中には党名(「自由民主党」だとか)或はサブ・ネーム(別名)を(「平和の党」などと)称して売りにしているネーミングとは裏腹なことをやっていたり、実態の異なる党もあるが、中には結党以来、戦前・戦後を通じて長い苦難の歴史(戦前は非合法下に置かれ、弾圧・迫害を被り、戦後は旧ソ連や中国・北朝鮮などで同じ党名や同じ「主義」を奉じながら覇権主義・専制主義をおこなったそれら外国の政権党の影響によって、或いはそれを意図的に利用した反共分断攻撃によってさらに悪いイメージが付け加わえられ、根強い偏見・アレルギーが植えつけられてきた歴史)をもちながらも、党名を変えることなく、一貫して真の自由・人権平等・民主・反戦平和の理念に徹してブレのない(その点では、その党こそが真の「自由民主党」であり「平和の党」に相応しい)稀有な政党もある。
 有権者は、そのあたりをよく見極めて、それをキーポイントにして選べばよいのだ。選ばれる側の政党や候補者も、その点に自信があるならば、それ(結党以来の崇高な理念と不屈の精神を貫き通した歴史、候補者は自らの生い立ち・生き方と信念)を他と比較して強調し、(我が党こそが「真の自由民主党であり平和の党なのだ」とでも)アピールして人々に堂々と伝え、知ってもらうように努めるべきだろう。(それが、人々に正しく理解されないまま、偏見・マイナスイメージ・「アレルギー」が根強く付きまとう、その払拭に鋭意努めるとともに、党名はそのままとしても例えば『自由・民主・平和の本党』などといったように、その理念をもっとわかりやすいキーワードで補った別名(サブ・ネーミング)を付して、それをセールスポイント或はブランドにして売り込むマーケティング戦略ともいうべきものもあって然るべきなのでは。)
 その政党、その候補者が国政の代表者として本当に信用のおける党か人物かを判断するには、もう一つ、彼らは憲法と主権者・国民の願いにどれだけ忠実か否か、ということも判断基準となろう。
 現行憲法に忠実かどうかという点で、自民党と共産党ははっきりしている。一方は結党当初から綱領に「自主憲法制定を目指す」と明記しており、公務員の憲法尊重擁護義務を意に介さず、改憲草案も作っているし、現行憲法9条に矛盾する再軍備政策を進めてきて、さらにそれ(9条)をないがしろにした安保法制を強行成立させ、国民や住民の多くの反対を押し切って沖縄新基地建設や原発再稼働・TPPを強行しつつある、そのような政党が憲法と国民に忠実な党だとはとても思えないまい。一方、共産党は綱領に現行憲法の「全条項を守る」と明記していて、自衛隊違憲論など憲法の精神や条項を厳格・生真面目に守るぬく姿勢をとっており、国民の願いにも一番忠実なのではとも思われる。それは国会や地方議会へ請願署名(提出の際は議院の紹介が必要)の紹介議員が一番多いのが同党だという事実(先の通常国会に提出された請願署名のうち、共産党議員団が紹介議員になって提出された署名は2541万4000人分で全体の6割超を占め、自民党10.8%、公明党1.17%を大きく上回るなど)に表れている。
 それにしても、その党、その人物がはたして信用のおける党・人物なのか見極め、見抜くのも簡単なものではあるまい。その顔をちょっと見ただけでは、話をちょっと聞いたり読んだりしただけでは分からない。ネットや本で調べるのはよいとしても、色んな見方・色んな説・情報があって、いったいどれが正しく、どれが信用できるか、これまた分からないことが多いだろう。いずれにしても、その党の歴史、その候補者の生き方(学歴や経歴だけでなく、どういう生き方をしてきたのか)を調べ、それを候補者その人に会い、その政党の人に会って、直に訊いて確かめるのがベストだろう。とにかく、その候補者、その党は本当に信用のおける党・人物なのかだ。
 選挙に際しては、有権者は、各党・各候補者の主張・政策は一々解らなくとも、その候補者や政党が人格的に信用できる人物・党なのかどうかで選び、それに対して政党・候補者側は、その点で自らを有権者・国民に精いっぱい発信・アピールするように努めることが、この上もなく大事なのではないだろうか。


2016年07月14日

一強多弱はどうして―参院選の感想

 参院選、結果は自公が大勝(過半数を大きく上回り)、改憲勢力が3分の2に達した。但し、投票率は54.7%(戦後4番目の低さ)で有権者の半数近くは棄権。(18歳は51.17%、19歳は39.66%しか投票していない。)棄権が多く、政権与党が楽勝できるということは、現政権の下での日本社会の動向に対して、国民の間に、さほど不安・危機感を覚えることなく安住している向きが多いということだろう。
 開票後の14日朝日掲載の世論調査では、内閣支持率45%(不支持35%)で、支持と答えた人のその理由は①「他よりよさそうだから」46%、②「政策の面」25%、③「自民党中心の内閣だから」18%、④「首相が安倍さんだから」9%。
 与党が大勝した理由には「安倍首相の政策が評価されたから」は15%、「野党に魅力がなかったから」が71%。
 つまり、内閣支持も与党支持も、いずれも消極的理由からなのだ。
 19日NHKニュースの世論調査結果では、内閣支持48、不支持36、支持の理由は①「他の内閣よりよさそうだから」43、②「実行力があるから」18、③「支持する政党だから」17。
 同調査の政党支持率は、自民40.3、民進10.6、公明3.3、共産4.3、維新2.5、社民1.0、 生活0.4、こころ0.1、特になし31.0。
 朝日新聞の開票当日の出口調査では「投票の際に重視した政策」を訊いているが、18才では「①景気・雇用、②社会保障、③憲法、④子育て支援、⑤消費税、⑥外交・安保」の順だが、70歳以上では「①社会保障、②景気・雇用、③憲法、④外交・安保、⑤消費税、⑥子育て支援」という順。投票前の世論調査でも(NHKなども)「投票の際に重視する政策」を同じような項目をあげて訊いていた。
 同紙の開票後の調査での「首相に一番力を入れてほしい政策は」では、①景気・雇用29 ②社会保障32 ③教育13 ④外交・安保11 ⑤憲法改正6 ⑥原発・エネルギー5
 19日NHKニュースの世論調査結果では、①社会保障26、②景気対策22、③財政再建・子育て支援・格差是正いずれも12、⑥外交・安保10。
 NHKの開票当日の出口調査では、「アベノミクス」について、(それを「最大の争点となった」と決めつけて)その評価を訊いていて、「ある程度評価」48%、「あまり評価しない」31%、「まったく評価しない」12%、「大いに評価」8%。
 19日NHKニュースの世論調査結果では、アベノミクスに「大いに期待する」9、「ある程度期待」37、「あまり期待しない」34、「まったく期待しない」14.
 改憲については、NHKの開票当日の出口調査では、全体では「必要あり」33%、「必要なし」32%、「どちらとも云えない」36%。18・19歳は「必要あり」22%、「必要なし」26%、「どちらとも云えない」52%。
 これらは投票所に行った人の出口調査であるが、半分近くを占める棄権者は、「どちらとも云えない」か「まるで分からない」かなのであり、いずれにしても「分からない」という人が一番多いということなのである。
 19日ニュースのNHK世論調査結果では、改憲「必要あり」28%、「必要なし」32%、「どちらともいえない」30%。
 同調査で、改憲勢力が3分の2議席を占めたのは「よかった」27、「よくなかった」29、「どちらともいえない」37。
 14日朝日の開票後の調査では「安倍首相のもとで憲法改正を実現することに賛成か」では、賛成35、反対43
 同調査の「今回の選挙で、民進党や共産党などの野党が統一候補を立てたのは、よかったと思うか」では、「よかった」39、「よくなかった」31。
 19日NHKの調査結果では、4野党連携を「今後とも続けたほうがよい」26、「続けないほうがよい」24、「どちらとみえない」43。
 自民党は、改憲、それにアベノミクスも必ずしも支持されてはいない。野党共闘には期待する人の方が、どちらかといえば多いものの、「受け皿」とはなり得ていない。
 結果的に「一強多弱」のままになってしまっているのである。

 本県の野党統一候補は善戦して当選を博し、野党共闘に好成果(野党4党の比例区合計得票の1.7倍の得票を獲得し、足し算以上の効果)たが、全国的には政権与党・改憲派が圧勝した。野党共闘派は何故勝てなかったのか。それは弱いからに決まっている。何故弱いのか。それは「(色男ならぬ)善人、カネと力はなかりけり」だからだ。この国はカネと力のある強き者の天下。カネと力なき者は、この国では勝てっこないのだ。それでもめげずに挑み闘うは天晴れ。勝ち(当選)はしなくても、少ないながらも当選者を増やし、得票を増やし、なんらかの前進があれば、それでいいのだ。
 「カネと力」とは①カネ―支持する階層が大企業経営者・大株主・富裕層で、これらから献金を受けて、政治資金に恵まれ、大量宣伝・情報収集にカネをつぎ込み、大量のスタッフ・運動員をカネで雇って働かせることができる。②権力によって統轄する官公庁の人材(頭脳集団)や情報・データを握っていて、それを利活用でき、マスコミやメディアを有利に利用できる(これらは「中立公正」といっても、テレビや新聞に取り上げられる「露出」時間・スペースは決して均等ではなく、議席に比例し、政権党・大政党に有利。)
 自民党は、これらの点で圧倒的に有利なのだ。
 「一強多弱」―多弱が一強に太刀打ちするには力を合わせて共闘を組むしかあるまい
 有権者が選挙に際して政党や候補者を選ぶに際して、各党・各候補者はそれぞれどういう理念・憲法観・信念・歴史・経験・実績をもち、どういう人物なのか、それぞれが掲げる政策(アベノミクスとか、経済・税財政・金融政策、社会保障政策・外交・安保政策・教育政策・原発政策など)まで全てを分かった上で投票できる人などあり得まい。我が家の面々などは甚だ心もとなく、かくいう自分も分からないことの方が多い。
 普通の有権者は、18歳から中高年に至るまで、日々の生活に追われ、知識・情報獲得能力・時間的余裕など非常に限られており、専門家でさえ議論が分かれるような難しい事柄を理解・判断することなどできない相談だ。したがって、どうしても党や人を選ぶ選挙となると、棄権するか、投票するにしても直感やあてずっぽうで選ぶ、といったようなことになる。
 しかし、国民投票は一つのテーマ(課題)について賛否を問うものだが、選挙は代表者を選ぶもの。自分たち国民の代表者として信用して任せられる党・人物を選ぶのであり、商品のように並べられた政策やマニフェスト・公約を一々品定めして選ぶのではなく、代表者として相応しく信用して任せられる党・人物かどうかで選ぶのであって、一々(検討する時間的余裕も乏しく、予備知識・情報―それを提供する選挙報道も不十分で)分かりようのない政策や口先だけかもしれない公約や言葉よりも、そもそもその政党・人物そのものが本当に信用して任せられる党・人物なのか、それだけでもよく見定めて投票すればよいのだ。

 それにつけても、有権者はどうしてそんなに自民党にひかれるのか。しかも、若年層ほど。それは、有権者はその政党・候補者が自分にとって代表者として一番信用して任せられる党・人物なのかどうかをいったい何で判断するのかといえば、それは政治道徳ではなく政治力学で判断するからなのだろう。その党、その候補者は、道徳的に優れている(「弱きを助ける正義の味方」で真面目で一生懸命な)党だからとか善人だからとかではなく、政治力(力量・手腕)が一番ある(「やり手」だ)と思うからなのだ。
 日本人はとかく理想主義というよりも現実主義、善悪に潔癖で原理・原則にとらわれるよりも実利(利害関係)で周りの人々に同調・迎合して動く傾向が強いといわれるが、だからなのだろうか。それでも若者は正義感が強く理想が高いものと以前は思われてきたものだが、今はどうやらそうでもなくなってきているのかもしれない。知識偏重の受験競争教育で。それにIT時代になって、ケータイやスマホで、仲間との同調性(没主体性)はさらに強まるも、交わされる話題に「政治がどうのこうのとか、憲法がどうのこうのとか」といった話は敬遠される、そのせいもあってか。
 一概にそうだとは言えまいが、そういった日本人の傾向(実利主義・同調性・没主体性)が巨大与党に、人格的・道徳的には灰色かブラックなところ(問題)があっても、その勢力の強大さ故に、「勝ち馬に乗る」「寄らば大樹」「長いものに巻かれろ」(強い権力を持つ者や、強大な勢力を持つ者には、敵対せず傘下に入って従っておいたほうがよい)ということで、若年層から中高年に至るまで有権者の多くが支持を寄せる要因になっているのではあるまいか。
 有権者は、以前「二大政党制」で自民党に対して政権党として取って代われることを期待して旧民主党を勝たせて一時政権交代を実現したものの、それが(東日本大震災など国難に遭遇した悲運だけでなく、普天間基地の県外移設断念、TPP交渉参加表明、消費税増税受け容れなど有権者の期待を裏切って)惨めな失敗に終わったと見なされ(それが未だに「民進党への不信感」として尾を引いて)、その後は「一強多弱」で、選挙となれば「やっぱり自民党しかない」(自民党に替わる「受け皿」がない)かのようにして自民党が毎回「圧勝」を博する結果になっている。
 脳科学者の茂木健一郎氏は「『やっぱり自民党しかない』という思考停止は何ももたらさないと思う。しかし、そのような人が日本には多い。・・・・ぼくは、自民党というよりも、おそらくそんな日本に対してこそ違和感をもっている」とブログに書いている。そのような日本人のメンタリティに問題があるということであり、それが変わらないかぎり、どうにもならないということだろう。それを変えるには、そうあってはならないと思う(自覚した)人たち(市民連合と4野党)が、「やっぱり自民党しかない」とそれ以上考えられなくなってしまっている人々の心を動かすべく、闘いを、今後とも果敢に展開し成果をあげて、それを見せつける以外にあるまい。
 今回、野党共闘は一定の成果(戦術的効果)をあげた。これを足掛かりに次回の衆院選でもそれができるかだ。衆院選の場合は政権選択が掛っており、単なる選挙協力だけでなく、政権を共にして推進する共通政策で合意して政策協定を結ぶことが必要だ。はたしてそれができるかだ。それができれば、それは単なる戦術的効果だけでなく、「政権交代可能な受け皿」を有権者の前に用意して見せられることになる、ということだろう。
 それにつけても、4党の中には、戦前・戦後を通じて崇高な理念のもとに結党して最長の歴史を持ち、幾多の苦難に遭いながらも挫けることなく頑張り通してきた歴史を持つ党がある。
 自分たち国民の代表者として本当に信用して任せられる党・人物を選ぶのが選挙だというからには、望むらくは、その崇高な理念・信念とともに、苦難の歴史と不屈の精神それに道徳的優位性①を、他党には無い貴重なブランドとして、最大限アピール(「売り」に)することを心掛けてはいかがなものか。(悪し様な逆宣伝―植え付けられた悪いイメージ宣伝―に抗して。)
 (注釈①ネットで調べると、近年亡くなった哲学者の鶴見俊輔氏は、共産党の揺るがない社会的信頼と道徳的権威について、自らの立ち位置を測る「北斗七星」にたとえている。また、自民党の党内研修用の冊子『日本の政党』に「社会党を含めてほかの政党が何らかの形で戦争に協力したのにたいして、ひとり共産党は終始一貫して戦争に反対してきた。したがって共産党は他党にはない道徳的権威をもっていた」と書かれているという。)

 以上、参院選の結果を見て、こんな感想をもった次第。

2016年07月16日

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 新複合文化施設(市立米沢図書館・よねざわ市民ギャラリー、愛称「ナセBA」)オープン       DSCN1418.JPG

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         館内展示 横井薫画伯の作品「面会311」
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         館内展示 桜井祐一の作品「まどか」
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                                          外壁は木材


2016年07月24日

日本国憲法を英語で歌う

 シンガーソング・ライターのきたがわてつ氏は日本国憲法の前文と9条に節(曲)を付けて歌っている。当方は、それを英語で歌ってみた。(きたがわ氏は、前文の前半部分は「語り」で、後半部分だけを、曲を付けて歌っていますが、当方は、前半部分も同じ曲を当てはめて、英語で、全体を通してちょっとアレンジを加えて歌ってみたところです。♪We the Japanese people ・・・・♪ 「サマになる」と自己満足。)
 この憲法前文には普遍的な原理が込められており、また9条は世界の最先端を行くものだと思われ、「9条にノーベル平和賞を」という運動もありますし、それを諸国民に伝え、普及するうえで、その歌を英語にして歌ってみるのも意味のあることなのではと、勝手に思って歌ってみたところです。きたがわ氏も、国内だけでなく世界のあちこちで歌ってくれたらいいな、と思って、テープに吹き込んで送ったりもしました。
 学校で、それを生徒に歌って聞かせたら、暗唱もし易いし、英語の授業にも役立つのではとも、勝手に思った次第。

2016年07月26日

東京都の「非核平和都市宣言」に期待

 都知事選で鳥越俊太郎氏は非核都市宣言を掲げているが、我が国の首都である東京都にとっては、オリンピックとの兼ね合いで、これこそが今最も求められている最大のアジェンダなのではないだろうか。
 今、世界の諸都市のあちこちでテロや騒乱が起きているが、東京には、次期オリンピックに際してもそのような心配はないと安心して世界から集えるように「平和安全都市」を宣言して然るべき具体策を講じる必要があるのでは。
 東京は、区市町村レベルではそれぞれの議会もしくは自治体が非核平和都市宣言を行っているところが多いが、都としては、平和記念式典で出席者の総意の形で「平和都市宣言」は行っているが、自治体としては、或は議会としても、又「非核都市宣言」は未だ行ってはいないといわれる。
 ならば、今こそ、それ(「非核平和安全都市宣言」)を行って、オリンピックを大過なく無事やり遂げることを目標として、都民と都が国と共に全力をあげて具体策・行動計画に取り組むべきなのではないだろうか。
 5大陸の人種・民族・宗教の異なる如何なる人々をも敵とせず、分け隔てなく歓迎し、競技の祭典を通じて交流し相和する場を提供する、これが来るべき東京オリンピックなのであり、その開催の前後を通じて世界の全ての人々が東京に来て平和を満喫できるように。

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