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2014年11月 アーカイブ

2014年11月01日

政治の対立構図―自民党政権寄りか否かで(加筆版)

国民の階層格差拡大―二極化
 有力者層(財界・大企業経営者層・大株主層・エリート層)とその他大勢(庶民)
 それぞれの利害―有力者層は基本的に現状(現体制)維持が有利
         庶民は現状打破・転換(変革)を求める―大多数(のはず)
 多数決民主主義なら、大多数を成す庶民がその気になれば、有力者層に対抗して自らを代弁してくれる政党・議員を推し立てて政権を握らせ、庶民本位の政治革新ができそうなものなのに、なぜかそれができない。それ(その理由)はそれができないように、有力者層・富裕層が、彼らの推し立てる政党(自民党)に有利な選挙制度や政治資金法制度の下で政権(獲得)が維持され、メディアも彼ら(有力者層)によって握られ、情報コントロールされ、庶民の意識がメディアととも(保守派とリベラル派、「読売・産経・日経」派と「朝日・毎日・東京新聞」派などに)分断されているからであろう。

 そこで、その構図は次のよう。
自民党政権寄り―保守派・右寄り     ⇔ 政権に距離を置くリベラル派―革新派
 公明・次世代の党・維新・みんな    ⇔   共産・社民 (民主党・生活の党は?)
 現体制(政治経済体制)維持      ⇔   現状打破・転換めざす                 
 改憲派・靖国派(愛国派)        ⇔   護憲派
 原発維持               ⇔   脱原発
 親米(日米同盟派)、反中・反韓      ⇔ 不偏・平和友好
 歴史修正主義(日本の戦争・植民地支配を正当化)⇔ 歴史反省派
 最大の右翼団体「日本会議」、その他「在特会」等⇔「九条の会」「革新懇話会」等
 読売・産経・日経・NHK・フジテレビ・日テレ⇔朝日・毎日・東京新聞・テレ朝・TBS 

(尚、テレビ朝日は朝日新聞、日本テレビは読売、TBSは毎日、フジテレビは産経、テレビ東京は東京新聞と系列関係にあるので、それぞれ似通った論調。
新聞各社の発行部数は、2013年4月現在、読売986万部、朝日760万部、毎日342万部、日経288万部、産経167万部、それら全国紙の合計部数2543万部、ブロック紙・地方紙の合計部数1769万部。山形県におけるシェアは山形新聞が49.7% 読売15.9% 朝日14.5%という割合。
 消費税増税は新聞・テレビの世論調査は朝日も読売・日経などとともに反対の方が7割で圧倒的なのに、社説は朝日も毎日も全国紙はみな賛成で、東京新聞や地方紙の一部が反対。TPPも、交渉参加には全国紙はみな賛成、ブロック紙・地方紙の多くは反対。
 赤旗は政党機関紙ながら発行部数は産経などに匹敵し、東京新聞などを裕に上回るほど多くの人々に読まれている。尚、神戸女学院大名誉教授の内田樹氏は「赤旗の方がNHKより偏りが少ない」と。
 ところで我が家の娘・婿たちは別世帯だが、いずれも新聞は取っておらず、ネットニュースで済ませているようだ。若い世代はそういうもの―活字離れ―か。時事通信社の「新聞に関する世論調査」では新聞を購読している人は過去最低の74%で、26%が購読していない。理由は「テレビやネットなどで情報が得られるから」が最多で、あとは「節約のため」「読む時間がないから」。)

 
 安倍首相―朝日新聞を目の仇―いわく「安倍政権を倒すことを社是にしていると、かつて主筆がしゃべった」と―10月30日衆院予算委(閣僚の相次ぐ不祥事が野党から追求・攻撃されているのに対して、民主党の幹事長にも政治資金収支報告書に不記載があったことが発覚したことを受けて「これで撃ち方やめになればいい」と発言したとの報道について質問されて)の答弁―「私が言ってもいない発言が出ているので、大変驚いたところです」として、その発言は朝日新聞による「捏造」だと―同報道は首相の側近議員による記者団への説明に基づいて朝日だけでなく各紙とも報道、その後、同側近議員は「『撃ち方やめ』は自分の言葉。首相は『そうだね』と同意しただけだった」と説明修正―朝日新聞は「時の政権打倒」を「社是」とするなどばかげているし、主筆がしゃべったというのも、それこそ事実誤認の伝聞だろう」としている。(尚、31日の国会でも、再び朝日を名指しして「捏造だ」と批判した首相は同日夜、読売・産経・NHKの幹部と会食している。)
 いったいどっちが捏造しているの?首相の発言「朝日は政権打倒を社是にしている」というのも「捏造」ということにならないのか。
 従軍慰安婦に関する虚偽証言(ありもしない済州島での「強制連行」を事実であったかのように「捏造」した吉田証言)を伝聞のまま報じてきて記事を取り消した朝日は今やさんざんに非難されているが、同様に報じたはずの読売は自らの誤報を認めず記事を取り消してもいないどころか、朝日を攻撃する側にまわって大キャンペーンを張っている、それに惑わされている我々庶民。

 安倍政権のメディア戦略―マスコミをコントロール―首相の考えや思いをアピールする場に―メディアを選別―共同記者会見を単独会見に切り換え、重要ニュースを一社だけに提供―特定の新聞社に優先的に情報を流す
 安倍首相はマスコミ各社の幹部(会長・社長・政治部長・編集・論説委員ら)としばしば会食も。
 NHKの経営委員(百田氏や長谷川氏ら)は安倍首相と考えが近い人物(改憲派・靖国派)が任命され、彼らから選出された会長も同様で、しかも「政府が右ということを左というわけにはいかない」などといってはばからない人物(籾井氏)が選任されている。

 このようなメディアと政権をめぐる対立構図を見極め、自らの立ち位置を自覚しつつ、惑わされ右往左往することなく判断・行動しなければなるまい、と思う。

 <参考>徳山喜雄著「安倍官邸と新聞―『二極化する報道』の危機」集英社新書

11月のつぶやき

11月のつぶやき
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●高倉健が亡くなって、唄った歌は(いつも唄っている歌) ♪不器用者と 笑いますか もう少し 時が たおやかであったなら 愛しき日々の はかなさは・・・・・・♪
●南三陸から帰ってきて、田んぼ道散歩で唄った歌は ♪慰め励まし かばってくれた 強い兄貴を 奪った海を じっとにらんで 墓標を抱けば 涙を 涙を ありがとう どこかで 兄貴の 声がする♪
●朝日新聞に再連載(漱石の生前にも連載)されている「三四郎」だが、今日の回の文中に次のような文句があった。「三四郎は勉強家というより、むしろ低回家なので、割合書物は読まない」と。そして注釈に「低回」とは「考えながら、あちこち立ちさまようこと」とあった。この俺は、どちらかといえば、その「低回趣味」なのかも?
●旅行券をプレゼントされて指定旅館を選んだ先は南三陸・ホテル観洋。南三陸は震災3ヵ月後に行ってきたところだったので、その後の様子を見たかった。
 ホテル観洋は街に入る途中の峠の沿道にあり、あの時は何げなく通り過ぎただけだった。しかし、その時そこは600名もの人たちの臨時避難所になっていたのだ、ということを初めて知った。道路に面している側は大した旅館には見えなかったのだが、中に入ってみると玄関ロビーは5階でその上下・海側に10階もあったのだ。仙台駅から送迎バスが出ていて、それに乗って行った。被災現場には「語り部」付きバスも出ていた(そのことを知らずに旅館に着くなりタクシーを頼んで運ちゃんから話を聞きながら周ってきて、翌朝、旅館のバスでまた行ってきたわけだ)。
 ♪海はよ~ 海は♪なんて歌えなかったな。
●久しぶりに会った元同僚から、毎日何してる?と訊かれ、「天に向かって発信してる」と答えた。
 誰も見てくれないHP・ブログだが、これで当方の存在と意見・考えを(俺という人間が居るし、居たんだ、その意見・考えはこうで、こうだったんだと)主張して残す―さもないと、何の意見・考えもなく、この世に居るのか、居たのかわからず、居ないも同然(すなわち無)だなんて、とても・・・・
●もしもこの俺が―医者から病名と余命を告げられたらどうするだろうか、と寝床に就いて考えた。去年亡くなった同級生は・・・・・、それにお袋の時のことを思い出したらジーンときた。あくる朝、女房にお前だったらどうする、と訊いたら「その時になってみないとわかんね」と。
 映画監督の大島渚は長い闘病のすえ亡くなったが、亡くなる前、鎌倉山に花見に車いすのまま乗れる車を頼んで出かけ、帰りにしゃぶしゃぶを食べ、おちょうしをつけたら、おいしそうに飲んだ。その時、小山明子(奥さん)は夫が「もしこれで終わったとしてもいい人生だったじゃない」と思ったという。またある日のこと、「もし私が死んだら、パパも一緒に逝く?って訊いたら、『逝かない』と言ったの。・・・・うれしかったです」と。
●セネカ(古代ローマの哲学者)いわく「いきることは生涯をかけて学ぶべきことである。そして・・・・・生涯をかけて学ぶべきは死ぬことである」と(サンデーモーニング「風をよむ」)。そうか・・・・
●「安楽死・尊厳死」(延命措置を停止、投薬)
                          ―治る見込みがない重病・重症、耐えがたい苦痛から解放
        日本人70%は「選びたい」(「選びたくない」ほうが少ない)のだそうだ。                               生命倫理―「不条理」・・・・「自然・『神の意思』に反する」
  選ぶのは自分(自己決定)だ・・・・当方の考える「自己満足に生きる生き方」の原理が決め手―最重視さるべきだ。
●親戚の葬式からから帰ってきて、散歩に行き、田んぼ道で唄ってきた。♪わたしの~お墓の前で泣かないでください・・・・♪
 女房のおじ・おば夫妻が2ヵ月置いて相次いで亡くなった。いずれも自宅の寝床で眠りながら逝かれた。老いて、持病もあり、立ち振る舞いがままならなくなって切ない思いはあっただろう。この俺も死ぬ時は・・・・・?
 祭壇に掲げられたおばちゃんの遺影に、女房いわく、「私の時はもっと若いのにしてな」というので、「じゃあ、今日撮ってやるか」・・・・。
 我が家の孫は昨日はバーバからもらったお菓子を「分けろ、分けない」で激しい姉弟ゲンカ、姉のほうが泣いた。今日は葬式で、おばちゃんの孫たちが勢ぞろいして祭壇の前に並んで立ち、最年長の孫が弔辞を読み上げた。そのことを我が家の孫娘に語って聞かせて、「お前も、バーバが死んだとき、そんなふうにできるか」というと「うん」とうなずいた。
 いろんなことを考えさせられた一日だった。
●「木枯らし一号が吹いた」と出ていた。「一号」とは何のこっちゃかとネットで調べてみたら、それは「春一番」(南寄りの強風)に対して冬の訪れを前にした北寄りの強風のことで、東京や大阪などの地方に限って見られる気象で、東北ではそんなのないのだそうだ。
 当方の歌のレパートリーに入っていて散歩でいつも唄っている「木枯らし紋次郎」の主題歌を今日も一人唄い歩いた。♪ど~こかで だ~れが お前を待っていてくれ~る♪
 田んぼ道から差し掛かった土手の桜の木の下に紅い葉っぱの小木が生えていたのが目についた。その何本かのうち一番ちっこい10センチ足らずものを根っこがらみ引っこ抜いて帰ってきて我が家の屋敷の隅に植え付けた。女房に「どうだ」と言って見せたら、「漆だでら、そんなもの」だって。子どもの頃、漆かぶれで辛い思いをしたのを思い出し、抜き取って捨てた。ああ・・・・10年後、20年後の屋敷の紅葉を見たかったのに。

2014年11月18日

12月のつぶやき                                              9880
●雪原の一本道を「完全武装」(頭巾・襟巻・フード・オーバーコート・オーバーズボンに長靴)で散歩。
 ♪我らの思いは それはただ一つ なつかしき・・・・雪や風 星も飛べば我が心は早遠き地に♪
●「キム・ジョンウン暗殺映画にサイバー攻撃」なるニュース―女房のつぶやき「オバマ大統領暗殺の映画がつくらったら、どうなるんだべ」・・・・ん?表現の自由?ヘイトスピーチも表現の自由?
 朝日は川柳にだけ一句「コメディーといえど暗殺されたくない」というのがあったが・・・・・・
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●選挙は予想通りの結果だ。戦後最低の投票率(有権者で半分近くが棄権)で自民党が「圧勝」(とマスコミは書き立てている)、改憲派議席が裕に3分の2を上回る(80%以上)。かくて「改憲へまっしぐら」の体制が整うことになったわけだ。ああ、憲法を守る外堀が埋められていく。内堀は国民投票―この国民投票で憲法を死守できるのだろうか。国民は、国民は・・・・ああ、まな子・孫たちの憲法よ、9条よ
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●18日、雪―米沢市、平年の7倍(TVニュース)。たいへんだ!道付け雪踏み。車にはスコップを常備しなくては。散歩どころではなくなった!
 一句「アベソーリ 冬将軍とも居座り続け」―冬の時代到来か
●雪の中、久々の散歩―たそがれ時、長靴にオーバーコートのフードをかぶって雪原の街道を―♪冬がきたぞと 海鳥鳴けば 北は雪国 吹雪の夜の 沖に霧笛が呼びかける 呼びかける♪(「喜びも悲しみも幾年月」)
 家並にさしかかると、向こうから選挙カー。「消費税の増税はやめさせます!原発の再稼働はやめさせます!・・・・・」。手を振ってすれ違うと、「ありがとうがざいます!」と。
 家に着いて風呂に入ると窓外から別の候補の選挙カーがけたたましく連呼。○○せーな(つぶやき)
●朝日川柳から3句
 「あのときも内緒だった真珠湾」(特定秘密法施行)
 「この選挙平和憲法冬の陣」(落城瀬戸際)
 「棄権者が日本の未来を決定し」(白紙委任)
  ♪あ~あ 仰げばわびし国会議事堂♪(三橋美智也の歌「古城」)だな              
●今日も雪。田んぼ道は雪で覆われ、歌の散歩も当分ままならず、声は元(かすれ声)に戻ってしまうな
●選挙―おれおれ詐欺のように、だまされてなるものか! だめなものは「だめよ!だめだめ!」でいかなくちゃ
●名言―「政治の役割は二つ。国民を飢えさせないことと戦争しないこと(そうだ、それに尽きる)。・・・・弾(一票と解する)はまだ残ってるがよ!」―菅原文太
  「投票をやめるか、人間をやめるか」(ぐらいに重い一票)―姜尚中(サンデーモーニングでの発言)
 そうだ、俺もそう思う・・・・よ~し!
●雪こんこん いきなりドカッと冬が来た。
●選挙か・・・・・怒りの一票だな
 アベノミクスなんて・・・・こちとらには恩恵もなにもあったもんでね!
 やることなすこと、「悪い方向へ悪い方向へ」だ!
 マスコミは偏っていると当方が言う。首相も同じことを言っている。当方が言ってるのは「政権党や現有議席数の多い党に発言回数と時間が偏っており、世論調査では反対や否定のほうが多いのに、街頭インタビューは賛否均等に取り上げている」ということ。それに対して首相が言ってるのは、逆で、野党や少数意見に必要以上に発言回数・時間・街頭インタビューが割かれているというもの。朝日川柳には「中央にアベ様が立つ中立性」と―つまり安倍首相は中立で、アベ自民党に不利だと「偏っている」と言うわけだ。
  二大政党とか第3極なんていわれたが、肝心のところでは根本的な違いはなく、中途半端であっちに寄りこっちに寄りで離合集散・雲散霧消。サンデーモーニングで幸田さんは「無くてもいい党は淘汰されていく」と言っていたが、なるほど。それじゃ「なくてはならない党」は?


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                       震災前の家並み
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        津波襲来の直後―右上方、屋上アンテナの周りに一群の人影
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                ここで42名が波にさらわれ、10名がたすかる
あの時マイクにかじりついて避難を呼びかけた女性職員の傍には、実は上司の「三浦たけし」という方がいて、「もういい!おまえは逃げろ!」と言って(想像)、マイクを取って代わり、最後の最後まで呼びかけて途切れたその声は彼の声だったのだという。彼は未だに行方不明
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        志津川湾  海辺の平地には白い建物一棟だけ残る(高野会館)
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 津波襲来直前まで老人の芸能大会 そこに残って屋上に避難した327名全員が助かる

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      震災翌日の日の出(南三陸・ホテル観洋に飾られている絵・外立とし江画)      CIMG5416.JPG
 志津川港 かなたにホテル観洋 震災から6か月の間600名の被災者が滞在              CIMG5484.JPG
(パンフレッド写真)  
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                 ホテル観洋10階から
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           2階大浴場の外側の露天風呂 その天井まで津波 

2014年11月19日

衆院解散・総選挙―争点と各党(再加筆版―後半に加筆)

争点は安倍政権が推し進めようとしている諸政策―それらを後押しするか、止めるかの選挙
 ●アベノミクス消費税再増税(延期して2017年4月から)
    (成長戦略の目玉として、外国人観光客呼び込みのためカジノ賭博場解禁法案―廃案にはなったが、来年の通常国会で再提出ねらう)
 ●安保政策―集団的自衛権の行使容認・辺野古基地建設・秘密法の施行
  改憲(解釈改憲から明文改憲へ)公約―これこそが核心(安倍首相にとって祖父以来の悲願)―国防軍の創設、国民の国防義務、「基本的人権の永久不可侵」削除
 ●原発再稼働
 ●雇用・労働法制―派遣法の改定(非正規労働の拡大)、物価上昇による実質賃金の連続マイナス、「残業代ゼロ」制度の導入
 ●社会保障―生活保護法の改定、医療介護総合法、後期高齢者医療の保険料「特別軽減」廃止、「マクロ経済スライド」による恒久的な年金削減など
 ●TPP推進
 ●教育制度改革(すでに首長の権限を強めた教育委員会制度など)

野党各党
 ●民主党―消費税では基本的には自公と対立はなく、アベノミクスを批判はしても民主党政権では何もできなかった弱みがあり、他は全てあいまいか中途半端で、しっかりした対案もない(集団的自衛権は「閣議決定の撤回を求める」とは言っても手続きを問題にしているだけで、行使容認自体は不問。原発ゼロは30年代に先送り、消費税・TPP・辺野古新基地建設などで自民党と根本的な違いはない)。
 ●維新の党―経済政策では新自由主義的(規制緩和・民営化路線、カジノ推進)で、安倍政権のこれらの政策には若干の批判を加えることはあっても、基本的には同調(秘密法など自公と修正協議)、民主党と選挙協力(野合?)も
 ●次世代の党―同じく基本的には自民党と同じで、公明党とともに補完政党(より右寄りに補強)
 ●みんなの党―解党(一部は民主党や維新にくらがえ)へ
 ●生活の党―事実上解党(小沢ら以外は民主党に復党へ)
 ●共産党―これらの政策の全てにおいて真っ向から対決(対案もつ― 一律の消費税に対して負担能力に応じた累進課税の強化―富裕層の所得税増税、大企業に対する法人税減税や優遇税制の取り止め等。大企業や富裕層に応分の負担を課せば、庶民からの消費税は要らないはず。景気回復には中小企業支援と一体に最低賃金を(1000円に)引き上げて底上げ―それは大企業が貯めこんでいる巨額の内部留保を少し取り崩すだけでも可能。安保政策については、軍事的安全保障に対して北東アジア平和協力構想など平和的安全保障―沖縄に米軍基地を維持して中国や北朝鮮に軍事的に対峙するよりも、ASEAN諸国による東南アジア友好協力条約に倣って北東アジアにも紛争の平和的解決の枠組みを構築して戦争を回避―等々。)
 ●社民党―上記の争点に関しては共産党とほとんど同じスタンス(護憲・反原発・反集団的自衛権・反秘密法・反基地・反消費税・反TPP)だが、同党には背を向け選挙協力は民主党や生活の党と。

 民主・維新・みんな・生活の党の選挙協力や合流・復党はいずれもご都合主義で、その場しのぎの野合と見なされる。
 共産党と社民党以外のこれらの党はマスコミとともに、消費税増税については社会保障財源や財政再建のために必要だと言うが、高額所得者への増税(所得税の上限アップなど)や大企業の法人税については減税を容認して何も言わず、議員定数削減(「身を切る改革」などと称するが、主権者国民自身の要求・意見を代弁する議席を削減・放棄)を言うだけ。
 (法人税―実効税率38%―は高いというが、法人税と社会保険料を合わせた企業負担は他国に比べれば高くはない。大企業ほど優遇税制による減税措置や合法的な税逃れの方法を使って負担をまぬがれている。トヨタは08~12年はゼロ、三井住友FGは0.001%、ソフトバンクは0.002%とほとんどタダに近い。企業が海外進出するのはその国の法人税が日本より安いからというよりも、現地の需要が多いからにほかならない。)
 マスコミ(新聞社)は新聞代への軽減税率さえ認められれば、それでいいと思っている。

 マスコミは各党の現有議席数に応じた取り上げ方(ウエイトの置き方)で、まずは自民党と安倍首相の言い分に多くを割き、次いで民主・公明・維新の順(政権与党と、もはや有名無実の「二大政党の第2極」・「第3極」優先)で、共産・社民などは申しわけ程度に後に付け足し、或いは全く取り上げられないことも。NHKは首相や与党の党首・幹事長の会見やスピーチをそのまま長々と時間をとって流し、記者やキャスターもその意に沿った解説・コメントを加える。有権者の声(インタビュー)の拾い方も、世論調査では消費税増税や原発など反対の方が多いのに賛否両意見を同数拾い、賛成意見もけっこうあるんだという印象を与える、というやり方。

 カジノ推進法案には自民・民主・維新・公明・みんな・次世代・生活の各党に賛成議員(議員連盟結成)、共産党と社民党の議員は全員反対・・・・主要な争点ではないが、それへの態度は、従軍慰安婦問題などに対する態度とともにその党、その政治家がどんな倫理観(罪悪感)をもっているか、を推し量る判断材料になる。(尚、今すでにギャンブル依存症にかかったいる日本人536万人―特に男は12人に1人―世界最悪。これにカジノ賭博が合法化されれば、国そのものが「ギャンブル依存症国家」「カジノ経済・マネーゲーム依存国家」になりかねず。)

 世論調査(朝日19・20日)は次の通り・・・・数字は%、( )内は8・9日の調査結果
   安倍内閣支持39(42) 不支持40(36)―逆転している
   支持政党―自民32(33) 民主5(6) 公明3(2) 共産3(2) 維新1(1) 社民0(1) 次世代0(0)
              生活0(0) その他の党1(0) 支持なし40(48) わからない15(7)
   比例区で投票したい党―自民37 民主13 維新6 共産6 公明4 生活1 社民1 次世代0
                             その他の党2 わからない30
   消費税17年4月引き上げ―賛成39 反対49
   安倍首相の経済政策(アベノミクス)は―成功だ30  失敗だ39

 さて、投票はどうすりゃいいのか。自公政権党のどちらかに投票して、上にあげた安倍政権の公約や政策を後押しするのか、それとも、その野望と思惑を阻止すべく反対票を投じるのかだが、反対票の受け皿として選ぶとしたら、いったいどの野党(民主党と共産党のどっち)がいいのかだ。前回の選挙では民主党政権と二大政党に幻滅した向きには「第3極」の維新やみんなの党が受け皿となったが、それらは離合集散。今やブレずに不動の姿勢を保っているのは共産党だけ。
 しかし、「共産党ではどうも・・・・」などと根強いネガティブなイメージにとらわれている向きには、「どうせこんな選挙、投票したってどうせ無意味だ」となって投げ出し、棄権するのかだ。
 朝日「声」欄に「野党に期待すべき役割考えたい」として次のような投稿があった。「民主党は野党第1党とはいえ、政権担当能力を欠くという評価が一般的で、同党への政権交代の可能性は低い。だとすれば政権交代のため以外に野党に投票する意味はといえば、それは、投票すればその党を国会における無視できない批判勢力たらしめ、政権側に緊張感を持たせて少数意見に配慮した政策運営をさせることが期待できるというところにある」と(意訳)。同感である。たとえ、その党への一票で政権を奪うことはできなくとも、政権党に対する「怒りの一票」は「蜂の一針」となり、積み上がってその党の得票率が上がれば政権に対する痛撃となる。当選すればその党の議席が増え、国会のあらゆる場において(委員会でも党首討論でも)、より多くの質問や論戦の時間と機会がその党に割り当てられ、政権に対してより徹底した実のある対決・論議を期待できることになる。
 さて、改憲問題・原発・消費税・社会保障・集団的自衛権・沖縄基地問題・秘密法・TPP・派遣法・カジノ法案などあらゆる問題で、政権の思うままにさせてはならず、その暴走をくい止めるようにさせなければならない。それを野党のどの党に託するか。そのような役割が期待できる党はどの党か。第2極・第3極・第4極(?)とあるが、政権党に対抗してして勇ましいことは言っても彼らにとっては痛くも痒くもない野党が多い中で、委員会でも党首討論でも政権党に対して最も鋭い、核心をついた質問・論戦が期待できる党はあるはずであるが、それははたしてどの党か。それを見極めることが肝要だろう。

 前回(2012)衆院選の投票率(59%)は戦後最低、参院選の得票率(52.6%)は戦後3番目に低さだった。さて今度はどうなるものか。

 結果―自民党を勝たせれば―その公約(改憲など)全てを認めたことになる、或いは白紙委任したことになる。
 しかし、前回のように
  自民党は議席は、小選挙区では8割(237議席)も獲得、比例区では3.2割(57議席)で大勝したかに思われた、
 ところが  投票率59.32%―戦後最低(4割以上も棄権)―で
   自民党の相対得票率(投票総数に占める割合)は小選挙区では43.01%、 比例区では27.62 %だが、絶対得票率(有権者数に占める割合)は小選挙区では24.67%、 比例区では15.99%。つまり有権者全体からみれば、小選挙区では2割台、比例区では1.5割台の人しか自民党に投票しておらず、大部分の人は自民党には投票していないのだ。
 そんな場合でも、アベ自民党政権は、その公約は全て認められ、白紙委任されたということになるのか。
 今回、それはどうなるかだ。

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