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2008年02月 アーカイブ

2008年02月08日

団塊世代の年金―報酬比例部分は60歳から支給(訂正版)

 年金額(月額)は昭和21年生まれの人(40年加入、妻は専業主婦)の場合
        厚生年金  国民年金
   65歳で 23,5万円  6,7万円
   70歳で 22,3万円  6,4万円
   75歳で 21,6万円  6,1万円
   80歳で 21,1万円  5,9万円
   85歳で 22,2万円  6,2万円
      (この厚生年金の年金額には夫婦2人の基礎年金も含まれる。
                    それぞれの基礎年金は国民年金に相当する)
 年金は以前(男は昭和16年4月1日以前の生まれ、女は昭和21年4月1日以前の生まれ)は60歳から満額もらえた。それが65歳から、ということに改められた。
 しかし、完全にそうなるのは、男は昭和36年(4月2日)以降の生まれ、女は昭和41年(4月2日)以降の生まれの人からで、それまでは移行措置として支給開始年齢が部分的・段階的に引き上げるかたちで、次のように65歳になる前に(60~64歳の間に)まずは報酬比例部分だけ、あとからは定額部分とも全部もらえることになっている。(「特別支給の老齢年金」、在職中である場合は「在職老齢年金」と称される)
 尚、厚生年金と共済組合年金は定額部分(基礎年金で国民年金に相当)と報酬比例部分とから成り、それに配偶者・子どもへの加給年金が(共済年金には職域部分も)加算される。それらの中で報酬比例部分は年金総額の約半額を占める。

       60歳     65歳                 死亡時

報酬比例部分老齢厚生年金・退職共済年金
定額部分→老齢基礎年金(国民年金)
加給年金→配偶者の基礎年金(国民年金)

移行期間における厚生年金の受給開始年齢は[男のばあい]
 昭16,4,2~18,4,1生まれの人は60歳から報酬比例部分が、61歳からは全部もらえる
 昭18,4,2~20,4,1生まれの人は60歳から報酬比例部分が、62歳からは全部もらえる
 昭20,4,2~22,4,1生まれの人は60歳から報酬比例部分が、63歳からは全部もらえる
 昭22,4,2~24,4,1生まれの人は60歳から報酬比例部分が、64歳からは全部もらえる
    
      60歳   64歳 65歳
報酬比例部分老齢厚生年金・退職共済年金
定額老齢基礎年金(国民年金)
加給配偶者の基礎年金(国民年金)

 

 昭24,4,2~28,4,1生まれの人は60歳から報酬比例部分が、65歳からは全部もらえる
 昭28,4,2~30,4,1生まれの人は61歳から報酬比例部分が、65歳からは全部もらえる
 昭30,4,2~32,4,1生まれの人は62歳から報酬比例部分が、65歳からは全部もらえる
 昭32,4,2~34,4,1生まれの人は63歳から報酬比例部分が、65歳からは全部もらえる
 昭34,4,2~36,4,1生まれの人は64歳から報酬比例部分が、65歳からは全部もらえる
[女のばあい]
 昭21,4,2~23,4,1生まれの人は60歳から報酬比例部分が、61歳からは全部もらえる
 昭23,4,2~25,4,1生まれの人は60歳から報酬比例部分が、62歳からは全部もらえる
 昭25,4,2~27,4,1生まれの人は60歳から報酬比例部分が、63歳からは全部もらえる
 昭27,4,2~29,4,1生まれの人は60歳から報酬比例部分が、64歳からは全部もらえる
 昭29,4,2~33,4,1生まれの人は60歳から報酬比例部分が、65歳からは全部もらえる
 昭33,4,2~35,4,1生まれの人は61歳から報酬比例部分が、65歳からは全部もらえる
 昭35,4,2~37,4,1生まれの人は62歳から報酬比例部分が、65歳からは全部もらえる
 昭37,4,2~39,4,1生まれの人は63歳から報酬比例部分が、65歳からは全部もらえる
 昭39,4,2~41,4,1生まれの人は64歳から報酬比例部分が、65歳からは全部もらえる

(公務員や私学の共済組合の場合は、女も男と同じ)

 これらのうちの報酬比例部分の年金はもらっておかないと、思わぬ損をすることになるので気をつけなければならない。
 基礎年金につながる定額部分の方も、65歳や生まれた年代ごとの受給開始年齢(61~64歳)になる前に、60歳から前倒して(「繰り上げ」て)受け取れることになっている。但し、その場合はその定額部分の受給額(本来は月6万7,000円)は一定の率で減額(最大で30%減額)され、それが65歳になっても本来の老齢基礎年金額には戻らず、そのままの額が一生続くことになる。
 また、(60歳から65歳までの間に前もってもらえる「特別支給」はもらっておいたうえで)65歳になったら受給を止めて、もっと後に(基礎年金・厚生年金それぞれに、又はセットで、66歳以降に「繰り下げ」て)受け取るようにすることもできる。その場合はその間(65歳からその時点までの)月数に応じて一定の率(1月0,7%、1年で8,4%、最長5年で42%)で本来の年金額より増額され、その額が一生続くことになる。
 その点では、65歳になったら、その後は(お金に余裕のある人もしくは働ける人、健康で長生きできる自信のある人は)受け取りを先に(最長70歳まで)延ばしたほうが得だということになる。
 それに対して報酬比例部分は65歳になる前に受給しても65歳以降の減額はない。つまり、報酬比例部分は60~64歳までの間にもらい始めても減額されたりはしない。それどころか、早くもらっておかないと、5年たてば時効でもらえるものももらえなくなってしまう。(社会保険庁によると、04年~06年度の3年間で、時効のために年金を受け取れなかった人が約6万人いるという。)
 とかく「年金を早めにもらってしまうと減額されるから65歳まで我慢しよう」といって、報酬比例部分までも受け取らないでおこうという考えの人が少なくないようだが、それは基礎年金の「繰り上げ受給」制度と混同した勘違いだ、とのことである。(参考―07年11月20日付け朝日新聞)

 尚、60歳になっても継続雇用もしくは再就職して給料をもらう場合は、その月額(総報酬月額相当額)と年金月額との合計が一定額(28万円)を超えれば、その合計額に応じて年金(65歳になる前にもらう特別支給)が減額(超過分の2分の1が支給停止)または全額支給停止となる。(但し、共済年金が適用される私学などの職場に60歳になっても勤める場合は特別支給の年金の支給停止はない。)
 また雇用保険の基本手当(失業手当)をもらえば、その間、年金はもらえない。

 公的年金である厚生年金に対して「企業年金」というものが会社によっては出るところがあるが、それは企業が従業員のための福利厚生として自主的に設けているもので、退職金の一部を年金として、厚生年金に上乗せして支給される。

 以上のことはインターネットでも調べられるわけです。(「厚生年金、特別支給、繰上げ・繰り下げ制度」などと打ち込んで検索)

CIMG0325.JPG

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2008年02月10日

ゴルフ場より農地を

 先日イタリア旅行をしてきた。バスで北から南へと千五百数百キロを走行し、窓外に緑の牧き場の風景がずうっと眺められたが、芝生のように見える緑は麦畑で、ゴルフ場は一つとして見られなかった。ところが日本に帰ってきて名古屋空港から仙台へ向かう飛行機の窓から白銀に輝いて聳える富士山を眺めたその直後、反対側の窓の真下に目をやると濃淡の灰褐色の地上面に、薄茶色の地平は田や畑だろうが、黒ずんだ野山は虫が食ったように禿げて見え、それが間近に何ヶ所も見られた。芝生の枯れたゴルフ場なのだ。
 旅先で中国製ギョーザ中毒事件のニュースが耳に入っていたが、そこでふと思ったのは、日本人は自国の野山をゴルフ場にしてゲームを楽しみ、外国から食材を輸入して食べている。そして食中毒を起こして大騒ぎしている。
 問題のギョ-ザを販売していたのは日本生協連だが、生協といっても色々あり、我が家で購入している「生活クラブやまがた生協」は「国内自給率の向上」「安全・健康・環境」をモットーに、国産原料を主体に国内工場で生産している消費財のみを販売していて、その生協は「かねてから警告してきたことが、ついに現実のものとなった」と呼びかけている。

2008年02月13日

年金生活者は長生きして悪い?

 「せっせと生き、さっさと去る」との投稿があった。昔のように老人の経験や智恵に頼らなくても、今はマスコミやインターネットによる情報で間に合うようになり、高齢者の価値は下がっている。それに年金生活者が長生きすることは日本経済にとってマイナス要因になるから、というわけ。果たしてそうだろうか?
 技術や智恵の伝授・継承は、年配者に頼らなくてもマスコミやインターネットで間に合うというのは事実に反する。年金生活者が長生きすると日本経済にマイナスになるから「さっさと」というのは、「姥捨て」肯定にほかならず、高齢者を含めて全ての国民のために日本経済はあらなければならないものなのに日本経済のために国民は生きなければならないとする本末転倒だ。
 「寿命が来たら死ぬ」のは当たり前。それは、天寿を全うする、即ち天から授かった命を全うするということであって、それこそが「長生き」。
 ところが往々にして寿命が来ないうちに病気や事故に襲われ不本意に逝ってしまう。健康を無視して、好きなことをし、好きなものを食べていたら「寿命が来たら死ぬ」というわけにはいかず、その前に「やむなく去らなければならない」ことになるのだ。だからこそ、健康管理と医療は必要不可欠なのだ。
 寿命が来るまで健康に留意しつつ存分に生きる。それが一番なのでは。

2008年02月22日

定年後(修正・加筆版)

 団塊世代の人たちは定年後どうしたいと考えているのか。
 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構が07年中におこなった意識調査(「団塊世代の仕事と生活に関する意識調査」08,1,10朝日新聞)によれば次のようなぐあいだ(パーセンテージ)。
定年後も働く?
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働く理由は?
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 仕事をしているか探している人の割合(労働力率)は
                    60代前半の人で55%  65歳以上の人で20%
これは世界でもトップクラスだという。(06年総務省の労働力調査)
 「働きたい」という人が多いとはいっても、それは「生活(生計維持)のため」という人が多く、「働きたくないが、働かざるを得ない」という人が少なくないということのようである。そういう場合は、たとえ自分の好みには合わなく条件の悪いところであっても、お金のために辛抱して働かなければならないことになる。
 それ以外の理由(「健康のため」とか、「小遣い稼ぎのため」とか、ボランティアなど「社会貢献のため」とか)で働くのであれば、文芸・スポーツ・趣味・道楽と同様、マイペースでよく、気楽にやれる。とはいっても、「人の世話」(親・つれあい・子・孫・親戚・隣人・知人など、誰かの世話)「人助け」・社会貢献活動などの場合は、単なる趣味・道楽とは違い、いつでも辞められるという筋合いのものではなく、責任は最後まで果たさなければならない。それらは、「食うために」とか「お金のため」とか、他から強いられて仕方なくやるのではなく、自らの良心(道徳的な義務感)や信念から発して行なうのであって、その取り組みを途中で放り出したりなどの気まぐれは、自らの良心から許されないわけである。
 しかし、いずれにしても、生計費と諸費用は、年金だけでは間に合わないとしても、それ(年金)に頼らざるを得ないという人がほとんどだろう。

年金―いったい、いくらもらえるのか。
 私より1つ前の年(昭和16年)生まれの人と最初の団塊世代より1つ前の年(昭和21年)生まれの人の場合だが、
 厚労省が出している「モデル世帯」(夫が平均的な収入の会社員で、妻が専業主婦。厚生年金に40年加入)の年金額は次のようなもの。
 厚生年金の年金額の見通し
  (金額は06年度の価値に割り戻した額。%は現役世代の平均賃金に対する比率)

06年度11年度16年度21年度26年度31年度
現役男性の平均賃金38.0万円40.5万円43.3万円46.5万円50.1万円53.9万円
  昭和16年生まれ22.7万円22.0万円20.8万円20.2万円20.7万円
59.7%54.4%48.1%43.4%41.3%
  昭和21年生まれ23.5万円22.3万円21.6万円21.1万円22.2万円
58.1%51.4%46.4%42.2%41.3%

団塊世代のばあいは(森永卓郎著・角川書店発行「年収崩壊」によれば)モデル世帯の年金額の見通しは次のようなものだ。

65歳70歳75歳80歳85歳
  年金名目額24.9万円25万円25.5万円26.2万円29万円
     実質額23.5万円22.3万円21.6万円21.1万円22.2万円
  所得代替率58.1%51.4%46.4%42.2%41.3%

 表中の「実質額」とは、「年金名目額」から(年に1%を見込んだ)物価上昇分を割り引いた年金額。
「所得代替率」とは、現役世代の手取り収入に対する年金の実質額の割合。 政府はそれを、ずっと「モデル年金は50%(貧困に陥らない年金支給額の最低基準)以上とするように設計している」「100年安心」と言っているが、この表では、それは75歳前までのこと。それ以後は50%を下回るようになる。森永氏によれば、そのとき貧困に陥らないようにするためには、貯金などでカバーしなければならず、現在60歳の人は65歳の時点で452万円の貯蓄が必要だとのこと。

 これらの年金額には夫婦2人の基礎年金が含まれるが、基礎年金(=国民年金)だけを取り上げると、年金額の見通しは次の通り。
 国民年金の年金額の見通し(年金額は40年加入の満額の場合)
 

65歳70歳75歳80歳85歳
   昭和16年生まれ6.5万円6.3万円6.0万円5.7万円5.7万円
   昭和21年生まれ6.7万円6.4万円6.1万円5.9万円6.2万円

昭和22年2月生まれのある男性で、厚生年金に20歳から60歳までの40年間加入し、給料月額(平均標準報酬月額、現在の価値で評価しなおした標準報酬月額とボーナスの平均)36万円もらっていた人(妻は専業主婦)の場合
(社会保険労務士・年金コンサルタント長谷川陽子著、「新日本出版社」発行の「年金ハンドブック」に出ている。この本では、図中の年金額は、いずれも次のように年額で表記されている。
  報酬比例部分1,316,100円、 定額部分792,400円、 配偶者加給年金396,000円
                      これらを12で割って月額になおした。)

60歳63歳65歳
報酬比例部分109.700円老齢厚生年金 109.700円
定額部分66.000円老齢基礎年金  66.000円
加給年金33.000円妻65歳からの老齢基礎年金66.000円
合計109.700円合計 208.700円合計  241.700円

 この人は、既に60歳から「特別支給の老齢年金」をもらっているとのことであるが、今の段階では、そのうちの「報酬比例部分」だけをもらっているということだろう。

 
 かく言う私はといえば、働いてはおらず、何をして過ごしているのかといえば、今このようなブログを打ち込んでいるが、そういうことをやって過ごしている。それが、夕べも深夜におよび、女房から「そんなことをいつまでやってんなだ」といって電気を消されてしまった。
 今回は、図表とグラフを載せたが、そのやり方を教えてもらって打ち込んではみたものの、図表一つ作るのに何時間もかかる。(エクセルやホームページ・ビルダーの画面上では、図や表中に文字・数字をきちんと配列して、うまく作れたつもりで、それを手順に従い「コピー」「貼り付け」をしてホームページの画面を開いてみると、現れた図表は文字や数字の列や行がずれて崩れている。この文章も、改行した行の文字がずれているところがある。その修正・調整に手間がかかるのだ。)
 また、時事問題など、これらの文をつくるのに新聞(切り抜き)・書籍(図書館から借りてきたり書店から買ってきて)読み、テレビ(録画)見に時間を要する。
 このような作業を伴うホームページ作り、それだけで一日一日が終わってしまうのだ。
 今のところ生活費その他、諸経費は一合晩酌代も含めて年金だけで間に合っている。現役時代は仕事にともなう経費や子の養育費・教育費、家のローン返済などに金がかかったが、定年退職した今は、子は自立したし、ローンは退職金で完済し、これらのお金は一切かからなくなった。だから、年金は現役の給料の半分しかならなくとも、どうにか暮らしていけるわけである。
 尚、この間、イタリア旅行に、去年定年退職した元同僚から格安期間だからと誘われて行ってき、ローマ帝国やキリスト教やルネサンスなど世界史の勉強を思い起こしてきた。孫にだけはお土産を買ってきたが、それ以外には使わずに残してきた小遣いが女房への何よりの土産だった。

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