« 2021年11月 | メイン | 2022年01月 »

2021年12月 アーカイブ

2021年12月30日

軍事的安全保障の危険

 軍備(武力)を持てば、軍事には侵略攻撃に限らず、制裁や自衛のためであれ、次のような危険性を伴う。
軍事―外敵の制圧・撃破・撃退が目的
 外敵を想定し、その武力攻撃に対処、もしくはその攻撃を抑止するために敵軍の軍事力(戦力)に優る軍備(実力)を必要とする―軍備競争から必要以上の軍備(過剰軍備)となりがち―大量破壊兵器(核兵器など)・渡洋攻撃兵器(敵基地・領域侵入攻撃、中長距離ミサイルなどによる)
 敵の出方を読む(判断)―対峙して緊張、危機迫る切迫状況では即断即決を要し、機先を制して軍事行動・攻撃開始、発射、或いは「攻撃は最大の防御なり」と先制攻撃、その場合判断を誤りやすく、早まって攻撃、軍事衝突から戦争に発展しがち
 (新安保法制で決まった「重要攻撃事態」と「存立危機事態」など―「放置すれば我が国の平和と安全に重要な影響を与える状況」だとして、米軍など他国の軍隊を後方支援するため(弾薬提供や給油など)に自衛隊が出動しなければならない「重要影響事態」だとか、「我が国と密接な関係にある米国など他国への武力攻撃が発生し、我が国の存立が脅かされ、国民の生命・自由・幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」が迫り、自衛隊を参戦させなければならない「存立危機事態」だ、などの認定判断が必要となる―その的確な判断は非常に難しく、判断を誤れば国民が取り返しのつかない戦争の惨禍に巻き込まれかねないことになるわけである。)

*12月26日NHKスペシャル「台湾海峡で何が」を見て、そう思った。
  日清・日露戦争~第1次大戦~満州事変・日中戦争~太平洋戦争、それに、ヨーロッパ・ロシア・米ソなどの第1次・第2次世界大戦や朝鮮戦争や中東戦争・ベトナム戦争・アフガン戦争・イラク戦争、また近現代の戦争に限らず、古今東西・歴史上、大小無数の戦争にその事例が散見される。


  

中国・北朝鮮への対応で9条改憲と堅持とでどちらが賢明か

 中国や北朝鮮の「脅威」(軍事の拡充強化)に対して①同様に軍事増強で対抗するのと、②非軍事・平和外交で対応するのとで、安全保障としてどちらが確実性(持続可能性)が高く、どちらが危うく危険性が高いか。
 ①の場合:軍事―自衛隊と日米同盟―「抑止力」だとはいっても、戦う実力(軍事力)を持つということは、特定の国をいつか軍事攻撃を仕掛けてくるかもしれないという敵国として想定し、その「敵の出方」によっては「戦う」意志のあるところを示していることであって、それはその国に対する「不信」を前提としているわけである。(握手しても、背後に回した片方の手に武器を隠し持っているようなもので、それでは真の平和・友好は結べまい。)その強化―最近は敵基地攻撃能力の保有(検討)など―それは中国・北朝鮮のさらなる軍事強化を招き、尖閣など局地的な軍事衝突から最悪の場合全面戦争に発展―殺傷・破壊の応酬が各地に及んで惨禍を招く恐れがある。
 台湾有事・朝鮮半島有事となれば在日米軍基地と米軍を支援・参戦する自衛隊が攻撃され、日本の首都など戦略拠点と見なされる要地が攻撃される危険性。
 拉致問題―軍事的圧力は効かないし、特殊部隊などによる救出作戦は無謀。
 ②の場合:9条(戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認)それ自体が国々に戦争を仕掛ける
口実を与えず抑止力となる。
 危険性―(領域警備には海上保安庁とそれを補完する自衛隊もあるので「無防備」というわけではないのだが)「非軍事」が「ならず者国家」の軍事的圧力と軍勢の侵入を難なく許し、島や要地が占拠、無抵抗な国民が服従を強いられて主権も人権も失う恐れ(そのようなことがあり得るだろうか?在日米軍基地などがあると攻撃の対象とされるが。)
 尖閣問題―領海侵犯等には海上保安庁が主として対処することとし、徹底した外交交渉で対応。
 拉致問題―要人派遣や首脳会談など徹底した(命懸けの)外交交渉で対応。
 台湾有事や朝鮮半島有事が起きても、アメリカには在日米軍基地からの出撃はやめるよう求め、自衛隊の支援・参戦も控える。
 国際平和貢献―戦争阻止・核軍縮でイニシャチブ発揮、核兵器禁止条約に参加・核保有国に放棄を説得。
 ASEANのTAC(東南アジア友好協力条約)の「北東アジア版」結成や「北東アジア非核地帯」締結を主導・推進。
 「9条世界会議」(2008年幕張メッセで開催)を今後も主導・開催―あらゆる種類の戦争と武力行使を放棄めざして(1999年第3回ハーグ平和市民会議では「日本国憲法9条が世界の目標」として決議―「国際的な法」ともなっている)
 さて、この二つ(軍事と非軍事)のどちらで行くのが安全か危険か、だと思うのだが、次回はその辺りの事を話し合ってみては如何なものでしょうか。

About 2021年12月

2021年12月にブログ「米沢長南の声なき声」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2021年11月です。

次のアーカイブは2022年01月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.34