中国や北朝鮮の「脅威」(軍事の拡充強化)に対して①同様に軍事増強で対抗するのと、②非軍事・平和外交で対応するのとで、安全保障としてどちらが確実性(持続可能性)が高く、どちらが危うく危険性が高いか。
①の場合:軍事―自衛隊と日米同盟―「抑止力」だとはいっても、戦う実力(軍事力)を持つということは、特定の国をいつか軍事攻撃を仕掛けてくるかもしれないという敵国として想定し、その「敵の出方」によっては「戦う」意志のあるところを示していることであって、それはその国に対する「不信」を前提としているわけである。(握手しても、背後に回した片方の手に武器を隠し持っているようなもので、それでは真の平和・友好は結べまい。)その強化―最近は敵基地攻撃能力の保有(検討)など―それは中国・北朝鮮のさらなる軍事強化を招き、尖閣など局地的な軍事衝突から最悪の場合全面戦争に発展―殺傷・破壊の応酬が各地に及んで惨禍を招く恐れがある。
台湾有事・朝鮮半島有事となれば在日米軍基地と米軍を支援・参戦する自衛隊が攻撃され、日本の首都など戦略拠点と見なされる要地が攻撃される危険性。
拉致問題―軍事的圧力は効かないし、特殊部隊などによる救出作戦は無謀。
②の場合:9条(戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認)それ自体が国々に戦争を仕掛ける
口実を与えず抑止力となる。
危険性―(領域警備には海上保安庁とそれを補完する自衛隊もあるので「無防備」というわけではないのだが)「非軍事」が「ならず者国家」の軍事的圧力と軍勢の侵入を難なく許し、島や要地が占拠、無抵抗な国民が服従を強いられて主権も人権も失う恐れ(そのようなことがあり得るだろうか?在日米軍基地などがあると攻撃の対象とされるが。)
尖閣問題―領海侵犯等には海上保安庁が主として対処することとし、徹底した外交交渉で対応。
拉致問題―要人派遣や首脳会談など徹底した(命懸けの)外交交渉で対応。
台湾有事や朝鮮半島有事が起きても、アメリカには在日米軍基地からの出撃はやめるよう求め、自衛隊の支援・参戦も控える。
国際平和貢献―戦争阻止・核軍縮でイニシャチブ発揮、核兵器禁止条約に参加・核保有国に放棄を説得。
ASEANのTAC(東南アジア友好協力条約)の「北東アジア版」結成や「北東アジア非核地帯」締結を主導・推進。
「9条世界会議」(2008年幕張メッセで開催)を今後も主導・開催―あらゆる種類の戦争と武力行使を放棄めざして(1999年第3回ハーグ平和市民会議では「日本国憲法9条が世界の目標」として決議―「国際的な法」ともなっている)
さて、この二つ(軍事と非軍事)のどちらで行くのが安全か危険か、だと思うのだが、次回はその辺りの事を話し合ってみては如何なものでしょうか。