米沢 長南の声なき声


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9条改憲よりも国連憲章改正を
2024年05月14日

 ロシアやイスラエルの戦争、北朝鮮の度重なる弾道ミサイル打ち上げなどテレビで連日見せつけられ、その度に「国連はどうして止められないのか、どうして戦争は無くせないのか」とやりきれない思いで、考えを巡らせたあげくに思いついたのが、それは国々が互いに隣国や他国からの侵攻に備えて武力・軍備を持ち合っているからにほかならないのでは、ということだ。それは、国々が紛争の種を抱えていても対話・交渉を重ねて外交的解決に徹すればいいものを、互いに兵器や軍備を保持しているばかりに、双方ともそれにものを言わせて武力に訴え、戦争に走ってしまいがちとなるからではないのか。
 日本では憲法で9条に戦争放棄を定め、「戦力」(軍備)不保持・「交戦権」否認も定めている。この憲法制定以前は周辺諸国を相手に戦争を重ね、そのあげく連合国から反撃を受け原爆をくらって降伏し武装解除、占領されて「再び戦争の惨禍が起ることのないように」と決意して憲法にそれらの条項を定めた。連合国によって国連が発足し、その国連憲章にも武力による威嚇・武力の行使を慎むこと(武力不行使原則)が定められはしたものの、日本国憲法の9条2項に定められたような「戦力」不保持(軍備撤廃)まで定められてはいない。国連憲章には、各国が個別的・集団的自衛権に基づいて軍備を保持し、軍事同盟を結び合うことまで容認。それで、日本は憲法に軍備撤廃を定めたのにもかかわらず、その日本までがアメリカの容認の下に自衛隊の名の下に再軍備、日米安保条約を結んで米軍に駐留基地を提供して今に至っている。
 アメリカは朝鮮戦争・ベトナム戦争・アフガニスタン侵攻・イラク戦争とあちこちで戦争を重ね、その都度日本の基地から出撃し、自衛隊も米軍支援のためにインド洋やイラクに派遣されたりした。今後、中台戦争が起き、朝鮮戦争が再開され、それらに米軍が介入して出撃すれば日本も巻き込まれることになる。
 それらのことを考えると日本の憲法9条を改憲してその条項を空文化して無きものにするようなことはあってはならないし、日本の憲法を改憲するよりも、むしろ国連憲章の方を改正して、そこに9条と同様な条項を盛り込んで各国とも軍備を撤廃するように定め、全ての国が(それを厳守させるべく強制機関による取り締まりの下に)実行すれば、どの国も戦争は出来なくなって恒久平和が可能となる。
 国連には、その他にも安保理常任理事国の問題など欠陥があり、機能不全に陥って現に戦争を止められずにいる。改正すべきは国連憲章の方なのでは。


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