米沢 長南の声なき声


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日本が攻められないようにするには―「抑止力」?
2023年12月23日

 そもそも日本に対して武力攻撃を企図している国などあるのかだが。
 中国・北朝鮮・ロシアは?―これらの国に日本を武力攻撃しなければならない理由(必
要)はどこにあるのか?あるとすれば、アメリカとの関わりからであって、それ以外にあるだろうか?これらの国がアメリカと戦争するようなことになれば、つまり中台戦争にアメリカが台湾支援・参戦した場合とか、米韓と北朝鮮が「朝鮮戦争」を再開した場合、米ロ戦争が起きた場合など、在日米軍基地と米軍を加勢する自衛隊に攻撃をかけなければならなくなる、その可能性は十分あり得る。しかし、それ以外にはないだろう。
 それはともかく、日本が(中国・北朝鮮・ロシアなどから)攻められないように(武力攻撃を抑止)するには、次の3つの方法が考えられる。
(1)憲法に戦力不保持・戦争放棄を規定(9条)―不戦意志を明示して、どの国も
日本に武力攻撃をかけてくる必要性(理由・口実)を無くする―「安心供与」
(2)友好・協力関係―外交・経済・文化交流―攻撃して戦争すればそれらが台無しになるから、どの国も攻撃を控えようとする。
(3)軍事的抑止力(軍備)―威嚇しておじけづかせ、攻撃を思いとどまらせる
 ①拒否的抑止―飛んできた戦闘機やミサイルを撃ち落として攻撃を阻むと。
 ②報復・懲罰的抑止―「倍返し」、耐え難い打撃を与えるぞと。
 我が国は憲法では(1)を建て前とするが、政府は自衛隊・日米同盟で(3)の方法を採ってきて、安倍政権以来、岸田政権でも、それ(3)に前のめりになってきていて憲法の9条も(自衛隊をそれに明記して)変えようとしている。防衛研究所の高橋杉雄氏は台湾有事の場合など(「アイデンティティを巡る」)戦争を始めさせないためには軍事的な抑止力強化が不可欠だとしている。
 しかし、(3)の軍事的抑止力論は非常に危険。なぜなら、(!)と(2)は戦争をしないし、してはならないという立場だが、(3)は軍備(軍事力・防衛力)を保持し、対立する相手国の軍事力に充分対抗できるだけのレベルまで強化しつつ、戦争は「相手が仕掛けてこないならやらないが、仕掛けてきたらやる」「やられたらやり返す」ということで、「いざとなったらやる」という戦争意志(「戦う覚悟」)があることを前提にしていて、いわば戦争に直接つながっているからである。そして互いに相手の軍事力・防衛力に「追いつ追われつ」の軍拡競争に駆り立てられ、「やられたらやる」から「やられる前にやる」という「先制自衛」(先制攻撃)にまで駆り立てられてしまうのだ。ウクライナ戦争を見ても、或いは中台関係や朝鮮半島の状況(「有事」)、それに対するアメリカの対応そして日本の対応を考えると非常に危険な状況に今はある。


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