米沢 長南の声なき声


ホームへ戻る


参院選の結果を見て思ったこと
2022年08月08日

 岸田政権は、地球温暖化対策・脱炭素化のエネルギー政策では、再エネ・省エネ推進よりも原発の「最大限活用」の方針。しかし原発には、地震・津波などの自然災害による事故だけでなく、戦争やテロの攻撃対象となる危険も。
 参院選の当選者は(非改選議員とも)それらに関してどのような考えなのかといえば、(朝日新聞社と東大谷口研究室の共同調査によれば)
 ①原発推進派(45%)が廃止派(28%)を上回る。
 ②気候変動問題に対応するには「生活水準を犠牲にするほど重要問題ではない」は7%
で、「生活水準を犠牲にすることも必要」が41%だが、中立(どちらともいえない)は52%。
 ③防衛力の強化に賛成派が73%。④改憲派が67%(3分の1)で、そのうち9条に自衛隊保持明記が必要との考え78%。
 これらの当選者・議員に共通する価値観では、原発事故・異常気象・戦争など最悪の事態発生で犠牲になる生命よりも、生活水準・経済成長の維持と、戦争が起きても大丈夫なように防衛力を強化することの方が大事というわけか。
 しかし、人々にとって一番大事なのは生命であり、それを子々孫々にわたって守り抜く一番確実な対策は脱原発であり、脱炭素・脱成長そして脱軍事のはず。
 先月、東京地裁が福島第一原発事故の東電株主訴訟で当時の経営トップらに13兆円もの賠償責任を認める判決を下した。その前月の避難者訴訟の最高裁判決では、国には賠償責任はなしとされたが、それには裁判官4人中1人の反対意見が付記されていて、そこで「生存を基礎とする人格権は憲法が保障する最も重要な価値」と指摘。つまり原発稼働による経済活動を優先し、人の生命や身体を脅かすことは許されないということだ。


ホームへ戻る