米沢 長南の声なき声


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安倍元首相の「国葬」問題
2022年08月08日

 東日本大震災に遭遇して困難を極めた民主党政権に替わって政権をとり戻した第2次安倍政権―2012~20年 在任7年8ヵ月(憲政史上最長)
 この間、「安倍一強体制」―全ての国政選挙に勝ち続け政権交代が起こる気配が全くなかった―白井聡(京都精華大学准教授)によれば「長期腐敗体制」(有権者は何故自民党に票を入れ続けるのだろうかといえば、それは野党の実力がどうだとか政策の打ち出し方がどうだと以前の問題で、各政党の政策をロクに見てもいないで、「なんとなく自民党に入れている」ということで、「国民の『無知』のせい」ではないか、それは選挙が機能していないということで、この国は「『権威主義』国家に成り下がっている」と指摘)
「失われた30年」(1990年代初頭バブル崩壊後の経済低迷がアベノミクスの失敗でさらに長引く)―多くの国民が疲弊
 外交は「確たるビジョンがなく」対中・対ロ外交も成果得られず、対米従属一辺倒
 「国葬」実施決定(閣議決定)に対して国論二分
  世論調査 NHK(7月16~18日) 「評価する」49% 「評価しない」38%
      FNN(7月23・24日) 「よかった」50.1% 「よくなかった」46.9%
       若い人ほど「よかった」が多く、年齢高い人ほど「よくなかった」が多い
       ―どうして年齢で分かれるのか?―その人(元首相)の功罪を「よく知っているか、知らないか」によるのだろう。
 「功罪」の「罪」の方には様々あるが、ここにきて(元首相を銃撃した若者の犯行理由に、 「統一協会」と称されてきたカルト教団で母親が入信して巨額献金・破産・家庭崩壊という悲惨を被った怨みがあったとのことで、元首相がこの教団と関りがあったことが明るみに出て)、「統一協会」(「国際勝共連合」と同一組織であり、霊感商法など反社会的団体と見なされてきた)と安倍・自民党との関りの問題もクローズアップ。
 勝共連合とは統一協会の教祖が提唱し元首相の祖父(岸信介)も発起人となって創設されたという反共団体で、日本国憲法をも敵視し、独自に改憲案を構想して自民党の改憲路線の後押しも。
 8月1日付各紙が報じた共同通信社の世論調査では
  安倍元首相の「国葬」に反対が(「どちらかといえば反対」と合わせて)53.3%で、賛成(「どとらかといえば賛成」と合わせて)45.1%を上回っている。同時期の「日経」調査でも、反対(47%)が賛成(43%)を上回った、とのこと。

 「アベ政治を許さない」と云ってきた向きには、アベ政治の「罪」ばかりが記憶され、国葬など許さないという思いだろうが、アベ・キシダ自民党政治「しかない」と思っている向きが多数を制して「国葬」を強行するのかだ。


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