米沢 長南の声なき声


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日本の外交・安全保障と憲法―ウクライナ戦争に鑑みて
2022年07月08日

ウクライナ方式(対ロシア)―徹底抗戦(総動員令―18~60才男性は出国禁止)
                  ←米欧(NATO加盟国)支援
日本は中国(台湾有事)や北朝鮮(朝鮮戦争再開)・ロシア等に対してどう対応・対処すればよいのか
(1)攻められないようにするには
 ①軍事的抑止力を強化―自衛隊と日米同盟で―そのために改憲(9条に自衛隊明記) 
   防衛費GDP比2%へ倍増(11兆円超でロシアをしのぐ世界3位の軍事大国へ) 
   「反撃能力」(敵基地攻撃能力)・核共有も
 ②非軍事・平和外交―9条堅持(安心供与―脅威を与えない)
          東アジア集団安全保障―北東アジア友好協力条約など目指す
(2)攻められたら
 ①戦う(抗戦)―自衛隊と日米同盟で―そのために改憲
 ②不戦(台湾有事・朝鮮半島有事などには軍事介入せず、戦争に巻き込まれるのを回避)(戦いには応じず抗戦せず、話し合いだけに応じ談判)―9条堅持
 それぞれ、どちらを選ぶか?

 それらを考えるうえでの価値観だが、次のうちどれが一番大事と考えるかだ。
 { 国(日本・領土・国益・国威・国家の名誉)、自由・人権、民主主義、法秩序(決まり)、カネ(富)、人々(自他・家族・同胞)の生命(平和・安全に生きる権利)、その他}
 これらのうち、この一線だけは譲れない、何はさておいても(他は全て犠牲にしても)これだけは守り抜かなければならない(犠牲にしてはならない)と思うものはどれか?
 他国との対立・紛争に際しては、その国その国で、歴史的に国民がそれぞれ自分の置かれた政治的・社会的立場、或いは家族・肉身や掛け替えのない人との人間関係における立場などによって、子や家族や大事な人の生命を守るために本能的に自らの命を顧みずに戦いに身を投ずるとか、為政者が自分のリーダーシップの下に国民を結束させようとして愛国心に訴えて独立・自由を守るのだとか大義を掲げて決起を促し、それに呼応して一心不乱に戦って死んでも本望だという国民感情が先立つ場合もあるわけである。
 しかし、そのような心情論(主観的感情論)はあっても、客観的合理的に考えて、全ての人間にとって一番大事なのは(犠牲にしてはならないものは)やはり「生命」であり、「命どう宝」。その生命とともに日々の暮らしと人生を恐怖も欠乏もなく安全・平和の裡に全うできる権利の保障である。人々にとって自由・人権は大事だが、中でも最重要なのは、その平和的生存権である。
 生きている価値があるとか、ないとか、どうのこうの云っても、生命があって生きているからこそ価値が与えられるのであって、生命が無ければ自由だの人権だの何の価値も発生しないわけである。 
 問題は、日本が中国や北朝鮮・ロシア等から「攻められないようにするには」どう対応すればよいのか、或いは「攻められたら」どう対処すればよいのか、上記(1)(2)それぞれ①と②のどちらを採ればよいのかであるが、生命の安全と平和的生存権の保障の観点からすれば、いずれも②即ち非軍事・不戦の方だろう。
 即ち、「攻められないように」非軍事・平和外交に徹し、「攻められたら」(家族・同胞の生命を守るために戦うといっても、抗戦・反撃して攻撃の応酬になれば、相手からの攻撃が繰り返されて長引きエスカレートして、かえって被害と犠牲者は増えるばかりとなり、抗戦は防御とはならないのであって)むしろ戦わず、応戦しなければ、相手から最初の攻撃はあってもその後は攻撃を受けることなく、巻き込まれて犠牲になることもなくて済む道理なわけであり、非軍事に徹して戦わないようにする方がむしろ賢明なのでは、と思うのだが、如何なものだろうか。


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