米沢 長南の声なき声


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戦争は止められないのか(加筆修正版)
2022年04月08日

 2国間で進行中の戦争を止めるには、次の二通りがある
①一方を軍事支援して戦い続けさせ、その相手を窮地に追い詰め、諦めさせ(撤退・降伏させ)て止めるか、
②両国の首脳(戦争責任者)と関係国(NATOの主要国アメリカ・フランス・ドイツとトルコ)・中立国(中国)などの首脳、国連事務総長など仲介者との協議をもち、戦闘を停止するようなんとか説得するか。

 現在進行中のロシア・ウクライナ戦争は、戦争開始から1か月半たっているが、アメリカ国防相によれば、少なくとも数年単位続くとの見通しだが、今のところは、専ら①だけでやっている(この間、停戦交渉が数回、うち2回はトルコが開催地を提供して行われ、当事国の2国間だけで断続的に行われているが)。
 米欧(NATO)は、ウクライナ政府の求めに応じて兵器の提供など軍事支援を行っており、そのおかげで、ウクライナ軍は善戦し、ロシア側の早期制圧の見込みに反して戦争は長引く見通しとなっているわけだ。ロシア軍は苦戦(首都キエフの陥落は断念したかに見られ)、攻撃を東部に集中・激化し、民間居住地・公共施設・病院・学校などへの無差別攻撃、ジェノサイド(集団虐殺)、「戦争犯罪」と見なされるており、国内外への難民は1000万に(4人に1人)という惨状が既に現出している。それがさらに、あと数年も続くとなったら、或いは化学兵器が使われ、核兵器さえも使われかねない、とまで言われている。
 なのにウクライナ側は徹底抗戦、米欧NATOの側からはそれへの軍事支援と対ロシア経済制裁ばかりで、②の(戦争当事国とアメリカなどNATOの関係国・中国などの首脳及び国連事務総長らによる)協議に乗り出す気配はなく、外交努力の方が決定的に欠けているのだ。もはや「問答無用」状態?
 地震・津波や台風など自然災害ならば止めようがないが、戦争は人間が起こすもの。なのに、何故止められないのか。戦争を起こす人間(プーチン)を人間(バイデンや習近平)が何故止められないのか。会って話せば分かるはず。それを「問答無用」とばかり撃たれるとでも思うのだろうか。数多の国民の命を救うために自分の命をなげうつつもりで出向いて行って対面し説得すればいいのでは、と思うのだが。
 そんなの(当事国・関係国・中立国・国連それぞれのトップたちによる対話・協議・説得)できっこないというのであれば、どっちも引かない双方(ロシア・ウクライナ)を最後まで戦わせるしかないのか? だとすれば、その決着を早めるには、侵攻を受けているウクライナ側の抗戦意志と軍事支援要請(同国外相曰く「戦いには勝つが、十分な兵器の供給が早ければ早いほど、数多の命が救える。兵器、兵器、兵器だ」と)に応えて、NATOは「高性能兵器提供」等へと最大限(軍事的・財政的)支援を強化してロシア軍撃退を加速させなければならないわけだ(軍事支援には兵器だけでなく兵員をも非正規の義勇兵の形で送り込むことも可能だろうし、既に小規模ながら派遣しているのだろうが、もっと大規模派遣が必要となる)。

 しかし、これにはロシア側が苦し紛れに大量破壊兵器(化学兵器や戦術核など核兵器)を使う危険性が伴う。NATO側の軍事介入も、そこまでいかないように手加減しなければならないということだろうが、結局行き着くところまで行くしかないのか?
 いずれにしろ、戦争はしばらく激化の一途をたどることになるだろう。
 我々はその戦況、その惨状をテレビで毎日ただ見ているしかないのか。そして、米欧NATO加盟国の軍事支援の下に懸命に戦うウクライナの軍民を陰ながら応援し、ロシア軍が諦めて撤退してくれるのをひたすら祈るしかないわけか。

 


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