米沢 長南の声なき声


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休校の効果とデメリット
2020年06月06日

 朝日新聞の記事、5月28日には、「日本小児科学会の報告」として次のように報じていた。
 「学校や保育施設の休園に『感染防止効果は乏しく、子どもの心身に及ぼすデメリットが大きい』。今後再び休校などが検討される場合には『子どもや保護者に及ぼした影響も考慮し、慎重に判断すべきだ』と。
 子どもが感染した場合、多くは経過観察や対症療法で十分な軽症だった。
 インフルエンザと異なり、学校や保育施設で子どもが感染源となった集団感染はほとんどなく、子どもの感染例は親から感染したケースが大半。子どもはウイルスに感染しにくく、感染してもウイルスの排出は少ないことがかんがえられると。
 一方で、休校で教育機会が奪われたり、屋外での活動や社会的な交流が減少したりといった影響が大きく、抑うつ傾向の子どもが増え、家庭内暴力や虐待リスクの増加も懸念され『子どもたちにとっては、ウイルスが直接もたらす影響より、休校措置による健康被害が大きくなりかねない』と指摘。
 6月2日、同じく朝日新聞に―「子どもの重症化 なぜ少ない」として次のような記事。
 「世界で報告次々」―中国・米国・イタリアの調査では、感染が確認された人のうち、18歳未満が占める割合は2%に満たない。
 中国の調査では、感染や感染が疑われた子どものうち9割以上が無症状か軽症か中程度の症状で、重症化したのは約6%。
 1月下旬フランスのスキーリゾートで起きた集団感染に9歳の男子。症状は軽かった。感染がわかる前に複数の学校やスキー教室に通っていたため、すぐに170名以上の接触者が確認され、73人が検査を受けたが感染者はいなかった。
 英紙ガーディアンによると、4月半ばから小学校などを限定再開している欧州でも、学校を介した感染拡大の兆候は見られないと。
 米バンダ―ビルト大のティナ・ハータート教授によると、感染した子どもの多くは、ウイルスが鼻にとどまっている可能性があると。最近、この説を裏付けるような論文が米医師会雑誌の掲載。「子どもは感染に抵抗力を持つのか、ただ単に症状がでないだけなのか、大人と同じくらいウイルスを広めるのか、このウイルスの感染には分からないことが多い」ともいう。
 日本国内でも、感染者に占める子どもの割合は少ない。厚労省のまとめによると、5月27日時点で、10歳未満は278人(1.7%)、10~19歳は390人(2.4%)にとどまる。重症者や死亡者の報告もないと。ただ北九州市で、最近クラスターとみられる事例が小学校で起きている。
 新潟大の斎藤昭彦教授(小児科学)は、「そもそも患者が少なく、評価が極めて難しい」おいながらも、学力の低下、屋外活動や社会的な交流が減ったことで抑うつ傾向に陥ったり、家庭内暴力や児童虐待のリスクが高まったりするなど、心身への悪影響が大きいのではと指摘。第2波に備え、「流行していない地域での一斉休校の是非や、対策が本当に効果があったのかなど、検証が必要だ」と。

 日本小児科学会の理事で長崎大学の森内浩幸教授によれば―「日本でも、全感染者に占める子どもの割合は非常に少なく、又ほとんどはが同居する家族からの感染。
 ウイルスの量が大人に比べて少ない、ウイルスが体内に入り込むためくっつく物質(ACF2)の数が少ない、症状が軽いために、咳やくしゃみが少なく感染を広げにくい等の理由で子どもは重症化しにくく、周りに感染させにくい。国内では重症者は10歳未満が1例、10~19歳も1例のみ。北九州市の小学校で初めてクラスターが発生したが、現時点では学校や保育所でのクラスターは、国内外であるとしても、きわめてまれ。香川県の保育園では、職員11人が感染したが、子どもの感染は145人中2人。
新型コロナはインフルエンザのように子どもで広がって、大人に拡散するようなタイプの感染症ではない。
 海外の研究では、学校の閉鎖はほかの対策に比べて流行阻止効果は少なく、死亡者数を2~3%下げるだけ、という結果が報告。
 学校や保育園・幼稚園で感染を防ぐために大事なのは、症状(咳やくしゃみの飛沫で感染させてしまう可能性)のある子どもに休んでもらうこと。
 感染症の流行中は、病気の子どもを祖父母や基礎疾患のある人に預けるのはやめる。
 休校のデメリット―子どもの教育の機会を奪い、屋外活動や社会的交流が少なくなることで抑うつ傾向に陥らせ、家庭内暴力や虐待のリスクも高める」とのこと。


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