米沢 長南の声なき声


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パンデミック対策も日本国憲法に
2020年05月23日

 平和・安全保障も、地球環境・気候危機対策も、感染症対策も、それらの基本的なあり方(問題解決の最善の方法)を日本国憲法が示している。
 前文には次のように謳われている。「我らと我らの子孫のために諸国民との協和による成果」のもとに、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して我らの安全と生存を保持」し、「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において」最善の貢献を果たすこと。
 「全世界の国民が等しく恐怖と欠乏から免れ平和の裡に生存する権利を有する」が、「いずれの国家も自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうする各国の責務である」ということ。
 そもそも「基本的人権は人類の多年にわたる自由獲得の成果であって、過去幾多の試練に耐え、現在および将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」ということ。
これらを確認することによってパンデミックなど人類的課題に対処しなければならない、ということだ。
 平和・安全保障については第9条に戦争放棄と戦力不保持・交戦権の否認を定め、感染症対策については25条に①「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」②「国は、すべての生活部面について社会福祉・社会保障および公衆衛生の向上および増進に努めなければならない」(それが国の義務)と定めている。これが日本国憲法なのだ。
 ところが、世界では米中両国政府などが危機・パンデミックに対して、その原因を相手のせいにし、偏狭と独善のもとに諸国民の対決・分断を煽っている。それに対して日本国憲法は国際社会の連帯と協力を基本路線とし、そこで日本がイニシャチブを発揮すべきことを定めているのである。
 これらは単なる理想などではなく、今やコロナが世界と日本に突き付けている現実なのだ。


 


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