米沢 長南の声なき声


ホームへ戻る


日米安保条約は日本を守ってもらうためにどうしても必要なのか(修正版)
2019年10月30日

 それは日本を守るためというよりも、アメリカの国土を守り、アメリカの国益を確保するための世界戦略に役立つからにほかならない。(条約5条はアメリカの対日防衛義務を定めるも、具体的に米軍がどこまで、どんな支援を行うか定めはなく、それらはあくまでアメリカの都合次第であり、大統領がその気になっても、決定するのは議会なのだ)。
 「血の同盟」などと云って日本がアメリカを頼り、アメリカから守ってもらうためにアメリカの云うことには極力応じ、軍事協力を厭わないが、アメリカのほうは、日本に基地を置き、駐留軍を置いているのは、そこから朝鮮半島・台湾・中国・ロシア・東南アジア・太平洋・インド洋・中東など各地域へ出撃する前進基地として利用価値があるからにほかならず、日本防衛などはあくまで二の次(例えば尖閣諸島を巡って日中軍事衝突した場合に、日本が死守しようとしている無人島のために米軍が参戦して米兵が血を流してでも必死になって戦ってくれるかといえば、それはあり得まい)。
そのような安保条約があるために、日本にとって困るのは、それがアメリカの戦争に「巻き込まれる恐怖」を伴っていることだ。
 日本は、それがあるために(安全を「人質」にとられ)アメリカに対して何かと従属を強いられ、無理難題に応じざるを得なくなっている(多額の兵器を大量購入させられ、中東やインド洋・太平洋などへ自衛隊が派遣させられる)。
 米軍基地があるお蔭で、日本は中国・北朝鮮・ロシアなどからの核ミサイル攻撃を免れることができるかといえば、その公算は少ないどころか、むしろ日本に米軍基地があるために中国・北朝鮮・ロシアなどに日本を攻撃する口実・動機を与え、日本各地が攻撃にさらされることになるなど、かえって危険
 朝鮮半島有事で米朝が、或は台湾有事で中台が交戦状態ともなれば、在日米軍基地はアメリカ軍の前線基地となり、その最初の攻撃目標とされてしまう。そしてその核ミサイル攻撃で日本の主要都市・工業地帯が被災し、生活インフラは破壊されて失われ、国土が放射能汚染に見舞われる。米軍がそこへ駆けつけたとしても、もはや時遅し、ということになる。
 米軍基地があるおかげで、その周辺地域(特に沖縄)では、住民が土地を奪われ続け、人権侵害にさらされ、航空機の騒音や墜落・部品落下事故、環境悪化など様々な被害を被り、たえず不安に脅かされ、それが常態化
 
 この安保条約の下で、自衛隊は米軍と一体化し(指揮統制機能は日米統合司令部の下に)、米軍に従属・補完部隊に(米軍が「矛」で打撃力であるのに対して、自衛隊は「盾」で、両方セットになっている)。そして自衛隊は米軍から支援・援護してもらえる、というよりもむしろ自衛隊の方が米軍の世界各地での作戦・戦争に際して支援・警護をさせられ利用される、といったぐあい。

 要するに自主防衛であろうと、安保条約でアメリカから守ってもらおうと、日本は軍事では守り切れないし、安全保障を軍事に頼るやり方は非現実的で得策ではないどころか、かえって危険。だったら我が国には日米安保条約も米軍基地も要らない。自衛隊は、災害救援部隊や国土・領域警備隊などはあっても、軍事・戦闘部隊は要らないのでは、ということになろう。

 <参考―伊藤真・神原元・布施祐仁『9条の挑戦』大月書店>



ホームへ戻る