米沢 長南の声なき声


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政権の評価は厳しい目で、野党の評価は長い目で
2019年04月27日

 先(4月25日朝日・声欄)の投稿「政権の評価 長い目で見よう」について。その例示に日米安保条約を取り上げ、それに対してかつては激しい反対運動があったのに、今はもう起きなくなっているということを指摘しておられる。しかし、その反対運動がわき上がったのは、当時(60年)は、条約改定があったのと、条約の有効期限10年目(70年)に当たっていたからであり、それが沈静化したのは、国民世論が一部の過激行動で反対運動の激化に嫌気をさし、岸内閣退陣後、池田内閣による所得倍増政策・高度経済成長に関心が向かうようになったからだろう。それ以後、条約はずうっと自動延長とされ、検証も議論もないまま国会にも国民にもその是非が問われることがなかった。それでも近年「安保関連法」の強行採決で反対運動は再燃を見せているのだ。
 「長い目で見よう」というなら、辺野古基地建設についても反対などせずに黙って「長い目で見よう」というのだろうか。
 政権は官僚組織やメディアに対して強い支配力を持ち、その政策は国民生活に現実的に影響するだけに、いつでも非は非として厳しく追及し批判を加えて然るべきなのであって、黙って見過ごして済ますわけにはいかない。「長い目で見よう」というなら、むしろ野党の評価に対していうべきことなのではあるまいか。



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