米沢 長南の声なき声


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「一強多弱」を脱するには
2019年01月01日

 自民党はイデオロギー(思想)的には、過去に日本の国が行った戦争や植民地支配、圧制(国内外の反対分子抑圧)などに対して肯定はしない(よかったとは言わない)までもやむを得ずしてそうせざるを得なかったもので罪はなかった、といった無反省は歴史認識(歴史修正主義あるいは靖国史観)をもち、いわば「日本国家ファスト」の価値観をもつ「日本会議」や「神道政治連盟」などの右翼的運動団体をイデオロギー的な支持母体にしている。
 しかし自民党が「一強」たる所以は財界(企業経営者・資産家)などの経済的有力者の資金と組織人材(エリート)によって支えられていて、政権の座に就いた経験は最多で政権担当能力から盤石な安定性があると見られるからだろう。(朝日新聞は12月30日の社説で、12月調査の内閣支持率は40%だが、その「理由は『他よりよさそう』が圧倒的だ。経済はそれなり。野党は頼りない。だからとりあえず、現状維持でいい、ということなのだろう」と論評している。)自民党に政権担当能力があるとはいっても、それは多分に思い込みで、閣僚の顔ぶれ・答弁ぶりからみればそうは思えず、その程度なら野党の中にはもっとましなのいるとも思われるし、いずれにしろ客観的データに基づいたものではない。
 その政策の基調は、企業の繁栄と自由な利潤追求・最大化にあるが、そのために都合のいい、或はあまり妨げにならない政策(安保法制、防衛費増額、辺野古基地建設、改憲、アベノミクスと称する金融緩和・財政出動・成長戦略、消費税増税・法人税減税、原発再稼働、働き方改革外国人労働者受け入れ拡大、カジノ容認など)が取られる。しかし、それらの諸政策には庶民からは賛成よりも反対の方が多い。
 「多弱」な野党が、それに対抗するには、自民党の政策に対抗・反対する政策と、自民党の右翼的イデオロギーと政治モラルの欠如(嘘・ごまかし・横暴)に対して、立憲主義と政治モラルの回復で基本的一致にこぎつけて、共通政策(反アベノミクス、反安保法、反改憲、反消費税、反原発、反辺野古基地建設など)の下にしっかりした共闘体制を構築しなければならない。その野党連合が自民党政策に反対する庶民の不満・怒りを吸い上げ、結集する「受け皿」たるべく、その存在を、マス・メディアを通じて国民にアピールし、各党協調し総力をあげてパワーフルに活動を展開する。「一強多弱」を脱するにはそれ以外にないだろう。


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