米沢 長南の声なき声


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沖縄知事選は県民の平和的生存権が争点
2018年09月14日

 この選挙は辺野古新基地建設の推進か阻止かを巡って行われる 。その基地は日米安保条約に基づく米軍基地であり、宜野湾市の市街地にあって同市の住民にとって極めて危険な普天間飛行場を撤去すべく同県内の名護市辺野古地区に移設するためにそこに新たに建設しようとしている基地なのだが、沖縄県民にとっては面積で日本全土の0.6%しかない沖縄に在日米軍基地の7割もが集中している同県内で引き受けなければならないのは何故なのか、県民には太平洋戦争以来強いられてきた犠牲に対する怨念とともに納得しがたい思いがあるわけである。「等しく恐怖と欠乏から免れ平和のうちに生存する権利を有する」はず、なのに何故?どうして?との思いであろう。
 選挙の結果、政権与党が推した候補が勝てば、県民は辺野古新基地建設を容認したことになり、急逝した翁長前知事後継の「オール沖縄」候補が勝てば、新基地建設阻止を容認したことになる。
 いや、そんな単純なものではなく、もっといろんな利害・思惑がからみ、辺野古新基地建設には今はもうどんなに反対しても、もはや止められないから、それは諦め、とにかく普天間飛行場を移設して、その飛行場を閉鎖・撤去できればそれでよい、などといった複雑な思いがあるのであって、一概にこうだとは決めつけられないという解説が加えられるかもしれない。しかし、事実そうだとしても、政権与党が支援する候補が勝てば、政府は、民意は辺野古移設とその建設工事の続行を容認したものとして「粛々として」計画どおり推し進めるだろう。そして普天間飛行場は辺野古新基地に移転できるようにはなるが、沖縄全体としては基地は半永久的に維持され県民には基地問題が大きくのしかかったままとなる。政権与党側候補に投票する人はそうなることを望み、或は容認したことになるわけだ。
 それに対して、「オール沖縄」の翁長前知事後継候補が勝てば、政権側は辺野古新基地の建設工事は思うように強行することはできなくなり、頓挫する可能性が強くなる。一方、彼らが要求する普天間飛行場の即時閉鎖・撤去に米軍側はすんなりとは応じず、海兵隊が居座り続けて長引くとしても、「オール沖縄」勢力のさらなる闘いによって遅かれ早かれ閉鎖・撤去せざるを得なくなるだろう。その候補に投票する人はそうなることを望み、或は容認したことになるわけである。
 有権者は、そこのところをよく考えて投票しなければならないのではなかろうか。 
 要するに、この選挙は、沖縄に押し付けられている米軍基地がもたらす不安・恐怖から免れ、平穏無事に暮らせる権利すなわち本土並み平和的生存権をひたすら求めてきた県民の悲願に応えるべく献身した翁長前知事の遺志を貫くか、それとも日米両政府に屈服して断念するかの選挙なのでは。


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