米沢 長南の声なき声


ホームへ戻る


自衛隊が9条と両立するには
2018年04月26日

 憲法前文で「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意」し、「諸国民の公正と信義に信頼して」(敵をつくらず、世界中を味方として)「我らの安全と生存を保持しようと決意」して、9条1項に「国際紛争を解決する手段」として「国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使」に訴えることは永久にしないとし、2項に「戦力」は「保持しない」、「国の交戦権」は「認めない」と定めた。それは、我が国は不戦と非軍事の安全保障を建て前とする国であることを宣言したものと考える。だとすれば自衛隊の任務は国境・国土警備と災害救助などの非軍事活動にとどまり、その武器は基本的に護身用としての装備であって、戦争用・軍事作戦用ではない、というのであれば合憲とみなされよう。しかし、それが現在のように日米安保条約の下、米軍と一体的に連携して軍事作戦を行うべく装備や体制を組んでいるとすれば、違憲ととらざるを得ないだろう。
 違憲であるなら、その部分は取り除いて是正すべきなのであって、それを違憲だからといって9条の方に改正を加えて、そこに自衛隊保持を追記するというのは、本末転倒だろう。

 この投稿は4月25日の朝日・声欄の「どう思いますか―『自衛隊は合憲か?違憲か?』」に他のお三方の投稿とともに『自衛隊は非軍事活動にとどまれ』という題名で載った。
 ここでの「自衛隊の任務は国境・国土警備と災害救助などの非軍事活動にとどまり、その武器は基本的に護身用としての装備であって、戦争用・軍事作戦用ではない、というのであれば合憲とみなされよう」という行の部分について若干補説を加えたい。
 「国境・国土警備」とは我が国の領土・領海・領空警備(警戒監視)のことで、侵犯(不法侵入)対処(阻止し、追い払う等)に当たることである。現在の自衛隊はそれを行っており、海上自衛隊などが「海上警備行動出動」任務として海上保安庁と連携しつつ行っている。
 「武器は基本的に護身用としての装備」とは、その使用は警察官・海上保安庁と同様の武器使用基準に従い、極力使用しないことを大前提に、使用する場合は自己または自己の管理下にある者を守るためにやむを得ない場合(刑法上の「正当防衛・緊急避難」に該当)に限定されるも、武器は万国共通の「警察力の原則」のもとに、相手の武器と同じ武器で対抗(相手が艦船から魚雷やミサイルで攻撃をしてきたら、同じ武器で応戦し撃沈も)できるし、相手が攻撃を仕掛けてくる前に警告(威嚇)射撃もできる。等々のことが考えられる。


ホームへ戻る