米沢 長南の声なき声


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平和守るなら戦ってはなるまい
2017年05月14日

 本紙の「異論のススメ」で佐伯教授は『平和守るため戦わねば』と題し、「朝鮮半島有事の可能性が現実味を帯びてきた」緊迫した情勢に、国防は「憲法によって制限さるべきものではない」、また「侵害者に対して身命を賭して戦うことは、それこそ普遍的な政治道徳の法則ではないだろうか」と論じていた。
 それを「『平和とは何か』という問題はひとまずおき」として論じておられるが、そこが肝心なところで、そもそも平和とは戦争も武力威嚇による恐怖もない状態であり、平和主義とは武力による威嚇も行使もしないことだろう。また政治道徳の法則とは、政治目的のための手段は道徳に適ったものでなければならず、平和・安全確保のために「闘い」はしても、武力を用い殺し合ってはならないということなのではないだろうか。現行憲法はその立場から9条を定めているのであって、侵害者に対する自衛権は固有の権利として認められてはいても、必要最小限という制限があるのは論に当然のことだろう。
 現下において、我々のなすべきことは「身命を賭して戦うこと」などではなく、武力によって威嚇し合い戦争してはならず、非核化・平和条約締結の外交交渉に徹すべしと呼びかけ、説得することなのでは。


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