米沢 長南の声なき声


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改憲勢力に対抗するには市民運動が野党を突き上げ共闘後押しを
2017年01月15日

 9条の会など護憲派市民団体が、改憲派・自民党・安倍政権を支えている日本会議に対抗するには、護憲派あるいは自民党改憲に反対する野党に対して(日本会議が自民党・改憲派議員に働きかけ或は突き上げているのと同様に)積極的に働きかけ、突き上げ、推し立てる気構えと活動(請願・陳情などロビー活動)が必要だ。
 まずは、バラバラな野党に共闘態勢を組ませる働きかけ、選挙協力・政権奪還のための政策合意を求める協議の場を継続的に設定する、といったことが必要。日本会議が自民党議員を主とする日本会議議連との間でやっているように。但し、民進党とか共産党とか、一党支持ではなく、複数の立憲野党(立憲主義の回復を求める党派)に共闘態勢を組ませて、その統一候補を支援するということだ。

 当面は、安倍政権の改憲に反対する立憲野党(民進・共産・社民・自由党など)に結束・共闘を求め、政策合意・選挙協力を求めつつ、次期衆院選で積極的に応援し、少なくとも安倍改憲に同調する党派の3分の2議席獲得を阻止すること、その上で政権を奪取(政権交代・「野党連合政権」)に持ち込むべく後押し、支援することであろう。
 一昨年12月以来「シールズ」(学生団体)・「ママの会」・「学者の会」・「立憲デモクラシーの会」・「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」などの市民団体が市民連合(「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」)を結成し、立憲野党各党と意見交換会を持ち、「2,000万人戦争法の廃止を求める統一署名」の共同呼びかけを行い、昨年5月3日には共同の憲法集会を開催、7月の参院選で野党統一候補を支援して一定の成果を上げた。そして次期衆院選でもこの方向で臨むこととし、1月7日には東京新宿駅西口で市民連合が主催して4野党代表と共に「新春街頭演説会」を行った。
 山形でも14日、「戦争やんだ!おきたまの会」・「戦争させない!9条壊すな総がかり行動三川町実行委員会」・「安保関連法に反対するママの会やまがた」の3団体が呼びかけて、「野党共闘を求める市民の会」を結成、野党4党(民進・共産・社民・新社会党)との意見交換会を開催する運びとなっている。
 9条の会も、それに加わるべきなのではないか。これまでは、自分たちだけ或いは他団体と連携しながらも学習会や集会・請願署名活動などを行うだけで、政党とは改憲政党・反改憲政党を問わずどの党とも距離を置き、選挙には関与しないという消極的な態度をとってきたが、改憲を阻止して9条を守り抜くという、その目的を実現するには、(議会制民主主義である以上)反改憲・立憲野党を選挙で勝たせて、彼ら野党議員(議会制民主主義である以上)反改憲・立憲野党を選挙で勝たせて、彼ら野党議員(憲法審査会における論戦と国会における改憲発議阻止)を通じて、それを果たす以外にないのではあるまいか。
 それら野党が、それぞれイデオロギー(思想・信条)・綱領・理念・政策・目指す将来像などに違いはあっても、反アベ改憲、9条と立憲主義を守り活かすいう共通の核心点で大同団結・共闘し、選挙協力させて統一候補を当選させ、自民党など改憲派候補を落選させさえすれば、どの党、どの候補であってもよいのであり、イデオロギー・綱領などが違うからといって敬遠する必要などないのである。

 そのことは「さよなら原発」の会などにもいえることであって、原発再稼働をやめさせ、全原発を廃炉にするという目的を果たすには、その一点で合意できる党派であれば、どの党であろうとも敬遠せずに、その一点で大同団結・共闘・選挙協力を働きかけ、突き上げ、統一候補を立てさせ、それを支援して当選させ、自民党など原発容認派候補を落選させる、というところまで頑張らなければならないわけである。(新潟知事選でそれができたように。小泉元首相は、次期衆院選で野党が統一候補を擁立し、「原発ゼロ」を争点化すれば、自民党は敗北すると言っている。)
 目的は原発を無くすることではあっても、それを実現するには、原発維持固執政権に「さよなら」させなければならない。そのためには「さよなら原発」派野党を共闘させ、選挙に際して統一候補を当選させなければならない、という政治運動がどうしても必要となるということであって、それなくしては「さよなら原発」の目的を達成することはできまい。

 それにつけても安倍内閣の支持率は高く、自民党一強体制が揺るがないことに対して、それは「野党がだらしないからだ」と、(メディアをはじめとして)野党のせいにする向きが多い。しかし、それは、唯そう言って、他人事のように野党の弱さを嘆くばかりで、主権者としてそれら野党を叱咤激励し、積極的な働きかけをしようとしない市民の側にも責任があるのでは。(とりわけ二の足を踏む民進党などに対しては、互いにバラバラだから弱いのであって、大同団結してしっかり共闘すれば勝てないわけではないのだと叱咤激励し、突き上げが必要―サンデー毎日1月22日号に「『共産と連携』で民進党の右往左往」と)
 そういう意味で、アベ一強体制に対抗するには、市民の側から主体的に野党共闘を促す働きかけが不可欠であり、それなくしては事態は変わるまい。


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