米沢 長南の声なき声


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アベ改憲派Vs反アベ改憲派の対決(加筆版)
2016年06月29日

  6月24日段階で、各紙とも(世論調査に取材情報を加味した)情勢分析の結果(朝日は自民57、公明14、おおさか維新7、合計して78―これで3分の2になる、あとは民進30、共産7という議席数獲得の見込み)を発表しているが、いずれも「改憲勢力3分の2うかがう」という見出しで序盤の選挙情勢を報じていた。さて本番はどうなるのだろう。 
 政党は一強多弱だが候補者がたくさんいて、争点も色々あって迷うし、どの党にしたらいいもんか、誰にしたらいいもんか分からない、面倒くさい、といった向きが少なくないだろう。
 新聞・テレビの取り上げ方、世論調査であげる選択肢も、選ぶ政党は10党、争点(投票先を選ぶ際に重視する政策課題)は社会保障・経済政策・消費税・憲法・外交安全保障・原子力政策(NHK世論調査はこの6つ)など色々あげて、そのうちのどれか選ばせるというやり方。
 (政党支持率―NHK世論調査6月27日ニュースでは―自民36.4、民進8.9、公明5.5、共産4.8、
 お維2.1、社民0.5、生活0.1、こころ0.1、特になし33.9
     7月4日では、自35.5、民進8.8、公5.9、共4.3、お維2.1、社0.7、生0.2、こころ0.2、特になし33.5
 比例投票先―朝日新聞の世論調査6月20日発表では―自民38、民進15、公明7、共産6、維新4、社民2、生活1、こころ0、新党改革0、その他2、答えない・わからない25
    7月4日―自35、民16、公7、共6、お維7、社1、生1、 こころ1、新党改革0、その他2、答えない・分からない24
 *NHKの世論調査は次のようなことも訊いている。
 与野党どちらの議席が増えた方がいいか―6月27日では、与党が増えた方がよい27%、野党30%、どちらと云えない37%  7月4日では、与党が増えたほうがよい26、野党が増えたほうがよい28、
どちらともいえない39  
 アベノミクスへの評価―6月27日では、大いに6%、ある程度43%、あまり評価せず33%、まったく評価せず11%、 7月4日では、大いに6、ある程度42、あまり評価せず32、まったく13
 改憲する必要があるか、ないか―6月27日では、ある26%、ない36%、どちらとも言えない32%
                      7月4日では、必要あり27、必要なし34、どちらともいえない31
 4野党連携への評価―6月27日では、大いに10%、ある程度35%、あまり評価しない27%、全く評価しない20%。7月4日では、大いに評価10、ある程度評価32、あまり評価しない29、まったく評価しない20
 尚、政策課題で「重視するのは」の答え―社会保障29%、経済政策26%、消費税12%、憲法11%、外交安保8%、原子力3%
 *朝日新聞の世論調査は次のようなことも訊いている。
  6月27日では、「自民党だけが強い勢力を持つ今の状況はよいことだと思いますか―よいことだ23%、よくないことだ59%
 「いまの野党が自民党に対抗できる勢力になることを期待しますか―期待する59%、しない32%
 7月4日では、参院選で与党が過半数を占めたほうがよいと思いますか―
                     占めたほうがよい44%、占めないほうがよい35%
   改憲に前向きな4党(自・公・お維・こころ)が3分の2以上を占めたほうがよいと思いますか―占めたほうがよい36%、占めないほうがよい41%
 いまの日本の政治にとって重要なのは、与党が安定した力を持つこと38%、野党がもっと力を持つこと43% 
 6月27日では、「安倍政権が取り組んだ政策についてうかがいます」として、賃金・雇用、国の財政再建、子育て支援、地方の活性化、沖縄の基地負担など、それぞれ「取り組みがどの程度進んでいますか」「大いに」とか「ある程度」「あまり」「まったく」のいずれか訊いている。)
 このような新聞・テレビの参院選選挙情勢の取り上げ方・世論調査の結果では一強多弱で自民党以外は皆弱く、(票を)入れても無駄、投票しても無駄であるかのように感じてしまう。
 選択肢にあげられた政策課題で今一番切実に思っているのを一つ選ぶとすれば、庶民感覚ではどうしても社会保障(年金・医療・介護・子育てなど)・経済政策(アベノミクスと称する政策・景気・雇用など)が大事だということになり、税金問題は大事ではあっても、消費税はどうかとそれだけに限定されれば、どうせそれも10%は延期ということになったし、あとは憲法とか外交・安保・沖縄基地それに原発・TPPもあるが、これらが切実だと思う人はどうしても少なくなる。一番大事なのは社会保障と経済、結局アベノミクス―アベ自民党に賭けるしかないか、と感じてしまう、そういう取り上げ方になっている。世論調査でそうしておきながら、ニュースでは「アベノミクスの是非を最大の争点とする参院選は・・・・」という報じ方をして、「争点はやはりアベノミクスなんだな」と思わせるやり方だ。。
 しかし、本当はどうかといえば、次のように思う。
 選ぶのは一強多弱の10党から一つを選ぶとか、争点はアベノミクスとか社会保障とかシングルイシューではなく、争点は唯一つ「『アベ政治』そのものを許すか、許さないか」であり、選択肢はアベ改憲派と反アベ反改憲派の二者択一ということで割り切って考えればいいのでは。
 アベ政治すなわち現行憲法をないがしろにするやり方(非立憲政治)と改憲路線を主として安倍政権の諸政策・路線・姿勢(強い方の味方―大企業・富裕層の利益優先、日米同盟・対中・対朝対決姿勢)・強権的手法などを総合して、そのようなアベ政治でよいのか、それともそれに反対する党派の候補者を選んで、アベ政治にブレーキをかけ是正を迫るかの選挙なのだ。
 選挙戦の対立構図は{自公+α(改憲派)}Vs{4野党+市民連合(立憲・反改憲・反戦派野党共闘)}であり、一人区では{自民}Vs{4野党・市民連合統一候補}、その二者択一なのであって、10党のうちのどれかではないのである。
 自公の選挙戦は後者(野党共闘)に対して分断攻撃を加えている。
 マスコミの中には世論調査で有権者に「4野党連携への評価」を訊いているが、その評価は自公与党支持か4野党支持か立場によって別れ、自公与党支持の立場に立っている人は「評価しない」の方を選ぶに決まっているだろう。それを訊くなら、ずばり「自公与党と野党共闘のどちら側を支持するか」を訊くべきだろう。
 マスコミ・メディア各社は自身が、そもそもどちらの立場に立って訊いているのか、(NHKや読売・産経などは政府寄りであることは日頃から暗黙のうちにわかるが、リベラル系の朝日新聞は5月30日の社説「参院選比例区・野党は統一名簿を」と6月10日の社説「参院選・野党共闘・わかりやすくなった」に4野党連携を「民意の受け皿をめざす動きには意義がある」とし、「評価する」としているものの)とかく「不偏不党・中立でなければならない」ということに囚われて立ち位置を曖昧にして、有権者に判断材料や選択肢を提示するなら「与党候補と野党統一候補のどちらに投票するか」或いは「安倍政権にイエスかノーか」などと分かりやすく二者択一にして、単刀直入に訊いてくれればいいものを、選択肢をバラバラに幾つも上げて迷わせ、結果的にかえって分断を誘い、あとは大勢になびくようにして(「どうせ多弱な野党はどこへ投票しても票の無駄になるだけだから」とか、消去法で「あれもダメ、これもダメで残ったのは結局自民党」といったようにして)結果的に政権与党支持を誘っているかのような訊き方をしている。有権者に解り易く的確に判断材料を提供するどころか、それを妨げ、わけが分からないようにさえしているのだ。低投票率で、政権党に有利な結果を招く原因はそういったことにもあるのでは。

 それにつけても、野党共闘側は自公側による争点隠しと「野合批判」分断攻撃、それにマスコミによる「4野党・市民連合」の軽視と焦点ぼかしに抗して、はたしてどれだけ善戦し、巨大与党・改憲派の「3分の2議席獲得」阻止を果たし切るかだ。



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