米沢 長南の声なき声


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現下の“Vs”―対決構図 (加筆修正版)
2016年02月16日

人間のタイプ(性格)
 Xタイプ―我・自尊心(プライド)の強い人、自信家、優越感を持ちたがる人、
     強気な人、鼻っ柱の強い(強腰な)人
     世の中や将来を楽観的に考える(深刻には考えない)タイプ
     利口な(狡猾な)人、金儲けの得意な人
     身びいきするタイプ、力や勢を誇示したがる人、
     競争心が旺盛な人、競争心が旺盛な人、好戦的なタイプ
     強者・権力の側に組するタイプ、強きを助け弱気を挫くタイプ(どちらかといえばいじめるか、見て見ぬふりをするタイプ)、権力志向の強い人、
     「長いものには巻かれろ」タイプ(大勢順応型)       
     自分の非を省みるより相手の非を言い立てるタイプ、
     自己肯定の強い人(自分・自国が悪いとは思いたくないタイプ)、独善的なタイプ
     条件(能力・家庭環境など)に恵まれた者が富や地位や幸福を得、条件に恵まれない者が惨めな境遇に置かれることを当然か、やむをえないと思う人、
     格差・貧困は自己責任と思うタイプ
     理想・善悪・人の命よりも己の利害・利便・損得が先立つ(実利主義的な)人
     子や孫たちの将来や人々の幸せより己の目先の利益を優先するタイプ、
     生活保守主義の(今の生活を手離したくないという)タイプ
     昨今のアメリカでいえばトランプ候補に同調するタイプ
 Yタイプ―思慮深い人、慎み深い人・謙遜な人
     正直者(バカをみる愚直なタイプ)、生真面目な人
     良心的な人、公正な人、正義感の強い人
     優しい(思いやりのある)人、柔和・温和な人、お人好し(番を人に譲るタイプ)、
     弱気を助け強気をくじくタイプ、弱い者に組したがる人、
     反権力志向(反骨精神)のある人、大勢に抗うタイプ
     己の利害損得・利便より社会のあり方(理想)や人の道(善悪)にこだわる人
     人の命が一番大事と思うタイプ―人の命を犠牲にする最悪の事態はあくまで避けなければならないと思うタイプ、
     目先の利益より子や孫たちの将来を心配するタイプ、
     世の中や将来を懐疑的に(深刻に)考えるタイプ
     トランプに対してサンダース候補に同調するタイプ
 (人はこの二つのうちどちらかだとは一概には言えないが、人はその置かれた境遇、地位、職業・生業、生まれ育った生活環境・家庭環境 、どんな教育を受けてきたか、などによって人間のタイプが分かれることは確かだ。
 両者の間に、中間層というか、どっちとも言えない人たちがいる。そう言う人の方が一番多いだろう。とかく彼らには忙しい仕事・務め・生業・家事・育児、学生・高校生なら就活や受験勉強でじっくり新聞・テレビ報道を見て考える暇がない。結局、テレビや新聞・インターネットをチラッと見るだけで、大勢や知名度・人気・勢いのある方になびき、或いは地域・業界・団体・仲間から勧められ誘われるまま、という人たち。彼らは結局Xの方になびく。だからXの方が多数派になるわけである。
 とはいっても、こんな分類は調査・データがあるわけじゃなし、短絡的で勝手な思い込みに過ぎないのだが。
 ところで、このホームページの「評論」の「過去の分」に2012年12月(総選挙当時)掲載した『国民の“B層”が決定づける選挙』には次のようなことを記した。
 「国民はABCDの4層に分類されるという。小泉内閣が『郵政選挙』前、『メディアを使って選挙戦をどう戦うべきか』という分析を頼んだスリードという広告会社が考えたもの。
 A層は政治家・有識者・大手メディアの人間など社会的地位が高く、IQも高く、小泉構造改革への関心が高い層。
 B層は主婦層・若者層・高齢者層など大衆で、比較的IQが低く、マスコミ報道に流されやすい層。具体的な政策よりも人気(イメージや空気)によって、或いは「寄らば大樹」で大政党か勢いのある政党・政治家を選択する傾向にある。
 C層は、IQは高いが、小泉改革に慎重な層。
 D層はIQも小泉改革への関心も低い。
としたうえで
 A層は、マーケティングを駆使して積極的にB層向けの商品を作り続ける。選挙戦もB層をターゲットにして戦うべきだと。
 経済アナリストの森永卓郎氏によれば、B層は『郵政選挙』における小泉政権の支持母体、『政権交代選挙』における民主党の支持母体にもなった、という。
 これで言うと今回(12年総選挙)の『政権奪還』+『第3極』選挙における自民党と維新の会の支持母体もやはりB層というわけか。
 ただし、ここに言う各層分類の基準の一つを『IQの高い低い』としているのは、どうも短絡的で、それよりも『民度(知的水準・教育水準・文化水準・行動様式などの成熟度)の高い低い』とした方が適切なような気がする。
 4割以上も棄権し、自民党が圧勝といっても、その自民党得票率(有権者総数に占める絶対得票率は1.5か1.6割)よりも、この棄権率(4割)のほうがはるかに多いのだ。棄権したのはD層(無関心層)、それにC層の中にも「どうせ投票しても死票になるばかりで意味がない」と思う向きには)棄権した人はいtただろうが、A層はもとより投票所に一番足を運んだのはB層だろう。
 自民党の大勝と維新の会躍進など改憲派の圧勝を決定づけたものは、やはりB層の投票だろう。この層は、原発再稼働も消費税もTPPもやむを得ない、沖縄基地もオスプレイもやむを得ない、中国・北朝鮮とは戦争になってもやむを得ない、といった感覚で、政策の良し悪しはどうでも「決断と実行」力のある政治家であればそれでよく、A層が掲げる『賢くて強い日本』で『君が代が千代に八千代に』栄え続ける国であればそれでいいのだ。
 このB層が、この国のあり方を決定づけている、といってもよいだろう。
 この国の国民の民度は高いという向きもあるが、それほどでもないという向きもある。いずれにしろ、B層に限って言えば、民度は高くないということだ。それがこの国の民主主義の未熟さ、この国の政治家たちの国際水準(ひいては外交力)の低さにもつながっている。
 ただ黙々と働く勤勉さと天災・人災にも耐える忍耐は日本人の美徳とされてはいるが、政治問題・社会問題への関心、選挙・投票となると民度・政治意識の点では、まだまだ。」
 この分類でいうと、XタイプはどちらかといえばA層に、YタイプはどちらかといえばC層に相当するということになるか。そして中間層で、多数派を決定づけるのがB層というわけか。)

 これらによって、次にあげるVs(対立関係)のそれぞれ前者はXタイプの人、後者はYタイプの人に多いと思われる。

 ●自民・公明・おおさか維新 Vs 共産・社民・生活 (民主・維新?)
   |                |
   新保守主義派          リベラル派
   |                 |
  新自由主義プラス新国家主義   旧保守と革新派
   |                |
 ●タカ派(強硬派)    Vs     ハト派
   |                |
  「強い日本」(アメリカを後ろ盾に)   |     
  対中・対北朝鮮軍事対決    全ての国と友好・宥和(不戦・非軍事平和外交)
   |                |
  安保法制に賛成       安保法制に反対―国民を戦争やテロに近づけることを恐れる
 (集団的自衛権の行使容認) (集団的自衛権の行使は認めない)
 (軍事的国際貢献)       (非軍事国際平和貢献) 
   |                |
 ●「辺野古基地建設」容認派  Vs    反対派

 ●改憲派   Vs    反改憲派
   |          |
  自衛隊の正式軍隊化   |
  天皇の元首化       |
  緊急事態条項を書き込む | 
   |          |
  「国民会議」 Vs 「9条の会」
   |          |
  国家ナショナリスト Vs ヒューマニスト
    |            |
  自国民第一主義     人種・民族・国籍などで人を分け隔てしない
  嫌中・嫌韓・嫌朝・嫌ロ
 ●原発容認派 Vs 脱原発派
           |
          危険―最悪の事態を恐れる 
 ●「アベノミクス」を信じる派 Vs 信じない派
     |
   経済成長から分配へトリクルダウン(果実は大企業に留まり、成果みられず)
 ●「企業・団体献金」容認派 Vs 禁止派
 ●マスコミ
  読売・産経・日経・NHK・日本テレビ系・フジテレビ系―自公政府寄り―改憲派
  Vs 朝日・毎日・テレビ朝日系・TBS系―「中立」(両論併記など、賛否両意見を取り上げてバランスをとる)―どっちつかず
  Bタイプの人の側にはっきりと立って報じている新聞・テレビは?(「赤旗」は政党機関紙なのではっきりしているのは当然だが、商業新聞では東京新聞や中日新聞、琉球新報や沖縄タイムスなど地方紙によってはそれに近いものが。週刊紙では「週刊金曜日」、ネットTVでは「デモクラTV」など)
 ●(歴史・公民教科書)育鵬社・自由社版 Vs 他の教科書会社版  
 
 今のところ政党支持では自民党が最大多数派だが、世論調査では、憲法でも9条と安保法制の問題・沖縄基地問題・原発問題などでは自民党は少数派であり、安保法制反対・9条護憲・辺野古基地建設反対・原発再稼働反対の方が多数派であり、アベノミクス・消費税増税・TPP問題などでも否定か反対の方が多数派である。
 それでも、「一強多弱」という自民党の圧倒的優勢が保たれているのは何故なのか。それには①前の総選挙で政権交代させて民主党に政権を預けてはみたものの全く期待外れの結果をみて、その民主党とその他の弱小政党に対して自民党は様々な問題はあっても「よりまし」と思われていること、②「一強」による安定政権・「決められる政治」任せ(お任せ民主主義)、③支配政党と「寄らば大樹」意識の大衆に迎合したマスコミの大衆扇情、等々のことがあるだろう。それに決定的なのは極端に大政党に有利、小政党に不利(票を投じてもその党の候補を当選させることはできず、死票として切り捨てられるだけ)で民意を適正に反映しない結果をもたらす小選挙区制で選挙が行われていることだろう。
 この歪みを正さないかぎり我が国は民主国家とは言えまい。


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