米沢 長南の声なき声


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ヒューマニズムを共有する共同体の構築を(加筆版)
2016年01月04日

 戦乱・テロ・気候変動など世界の問題に対して、これまでのような国民国家とその連合では、それぞれの国益・利害・軍事力依存から思惑がからんで話はまとまらず、効果的に対処しきれなくなっている。このような現実のまえに、本紙(12月11日付朝日インタビュー欄)で国際危機グループ会長のジャンマリー・ゲーノ氏が「共同体を束ねるための『価値』『倫理』が問われる時代が来る」と論じていたが、その価値と倫理を30日の「声」に載っていた高校生の方の投稿(「愛で満ちた世界がテロをなくす」)に見出した。いわく、「世界中に暮らす人たちは言葉も信じるものも違う、けれど、大切ものは同じ、家族・友人・恋人、大切に思う人とのつながり。つまり愛だ」と。その愛とは人類愛であり、人命を何よりも大切にすることだろう。そのヒューマニズムの価値観・倫理観を共有する共同体を、国民国家を超えて、全ての人々に健康で文化的な最低限度の生活を保障する経済分配システムとともに構築する。そうすれば戦争もテロもなくなる、ということだろう。

 <関連>1月4日朝日社説「2016年の世界」に次のようにあった。「市民同士のネットワークを広げることで、狭い国益に縛られがちな各国政府に下から協力を促す態勢をつくれないか。まだその道は遠いが、国際政治への市民社会の関与を増す工夫が必要だ」と。


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