米沢 長南の声なき声


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デモで民意は量れないのか
2015年09月08日

 橋下大阪市長が国会前のデモは日本の有権者全体から見れば、ごくわずか。「たったあれだけの人数で国家の意思が決まるなんて民主主義の否定だ」と。
有権者も色々で、マジメで一生懸命な人、仕事やカネに追われて時間の無い人、動けない人、物事に疎い人、無関心な人、利己的な人など様々いるわけであり、「声ある声」もあれば「声なき声」もあるだろう。
 その中でデモに集まる人は、どちらかと言えば私利私欲に囚われず世のため人のためを思うマジメで一生懸命な人たちで、黙ってはいられず、意を決してわざわざ馳せ参じた人々だろう。彼らは数からいえば限られた人かもしれないが、その背後には同じ思いながらも集まれない「声なき声」が何倍もの数でいるのである。
 安保法案に関しては、直近の(NNN)世論調査では今国会で成立させることに「よい」と「思う」が24.5%と減ってきており、「思わない」が65.6%と増えていて、デモが国民の意識を「代表している」と「思う」が46.6%で、「思わない」が36.9%。
国会前に集まった人は、全体からみたパーセントは僅かでも、法案に疑義のある人は6割を超えている、それは事実なのである。
 一方、現在の参院を構成する13年選挙で選ばれた議員のうちの自公の得票数は全有権者数の24.1%程度なのに改選議席の62.8%も占め、非改選議席と合わせて過半数を裕に上回っている。法案は民意では賛成が少数なのに、参院で採決すればあっさり決まってしまいそうだ。それこそ「たったあれだけの国会議員で決まるなんて民主主義の否定」だろう。

 *NNN世論調査は9月4~6日実施
 *13年参院選 改選議席121 投票率52.61%
    自民党 投票総数に占める得票率34.7%(全有権者に占める得票率では18.2%)
        獲得議席65議席  議席占有率53.72%
    公明党 投票総数に占める得票率14.2%(全有権者に占める得票率では5.9%)
         獲得議席11議席  
    自公合わせて 投票総数に占める得票率48.9%(全有権者に占める得票率24.1%)
        獲得議席76議席 改選議席のうち62.8%
        非改選議席と合わせて全議席(242)のうち134議席 議席占有率55.3%


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