米沢 長南の声なき声


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安保法制は戦争を近づける
2015年07月29日

 24日の投稿に「安保法制は日本の抑止力を高め、戦争を遠ざけるため」と。しかし、相手は、それで退くどころか、対抗心を募らせ、さらなる軍事強化にはしり、かえって対決・緊張を強め、軍事衝突から戦争を惹起しがちとなる。それは「70年前の過ちを繰り返さないためのもの」というが、むしろ再び日中戦争が繰り返されかねないことになる。中国に対して、その「侵略を未然に防ぐことが必要」というが、相手も日本に対して再度の侵略に備えなければと構えるとなるだろう。
 多くの憲法学者の反対があったにもかかわらず、新たな憲法解釈で自衛隊を創設、それが「抑止力を高め、平和の維持につながった」と言われるが、平和が維持されたのはその自衛隊があったからというよりも、それがあっても憲法(9条)そのものは維持され、そこに打ち出されている不戦意思が厳然として貫かれていたからこそだろう。それが、集団的自衛権・武力行使までも事実上容認するとなれば、それはもはや、不戦から転じて戦争意思の表明と見なされよう。
 日本が「70年前の教訓と民主主義に別れを告げようとしている」というのは、けっして極論ではあるまい。日本国民にとって不戦平和国家は「愛せる国」だったのに、それが軍事国家となってしまったら、と思うのも尤もなことだろう。


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