米沢 長南の声なき声


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軍事的抑止主義の矛盾
2015年06月23日

 集団的自衛権行使容認の安保関連法整備は「抑止力を高める」というが、軍事的抑止主義は次のような矛盾・難点ある。         
 ① その抑止力(武力)に依存してしまい、対話・外交努力を十分尽くさずに、互いに「撃たれるより先に撃ち、殺られる前に殺る」となって攻撃にはしってしまいがちとなる。
 ② 軍備は戦争を抑止する手段だというが、相手国も同様に「抑止力」軍備をすれば、双方の軍備それ自体が、領土問題など他の権益争いとともに、戦争の火種となり、軍備競争・軍事対決から一触即発、偶発的軍事衝突から戦争を引き起こす原因となる。軍備は、それによっては火種を消すことはできず、むしろ燃え上がらせてしまい、かえって戦争を呼び込む結果となりがち。
 ③ 軍事力や同盟が相手に対していかに強大・優勢でも、それを保持するだけでは、その武力を行使する意思(全面戦争も厭わない国民の覚悟)がともなわなければ抑止効果は薄い(相手から見れば、その軍備や安保法制は「張り子の虎」に過ぎないと)。
 一方、相手の軍事力がたとえ貧弱でも、「やぶれかぶれ」の玉砕戦法や自爆テロ戦法をとる相手には、どんなに強大な軍事力を備えても抑止力は効かない。
 目指すべきは、やはり9条に基づいて非軍事的抑止力に徹することであろう。


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