米沢 長南の声なき声


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戦争にならないようにするのが一番
2015年06月16日

 先の投稿「憲法9条と96条改正が望ましい」に、「戦争をしないのが一番いいし」「戦争にならないよう最大限に努力する必要がある」としがらも、「東アジアの情勢を見た場合」、「他国と戦争になった場合を想定した備えをしておいたほうが」よく、「戦力は持つべきだし、自衛隊を軍隊として位置づけるべきだ」とあった。
 しかし、「戦争になった場合を想定した備えを」というが、たとえミサイル防衛など「万全の備え」を講じたところで、戦争になってしまえば、たとえ勝ち戦さで被害が最小限にとどまったとしても、人的・物的損害は軽微では済まず、禍根を残さずにはおくまい。
 したがって、むしろ「戦争にならないように最大限に努力する」方を最優先にすべきなのだ。それでは、戦争をくい止めるには軍事的抑止力を強化すればいいのかといえば、それには大きなリスクをともなう。なぜなら、その軍事強化は、「抑止力」といいながら、相手側にも同様な考えから軍備増強・軍事体制強化を招き、軍備競争・疑心暗鬼・緊張が強まり、偶発的軍事衝突を惹起して戦争に発展する恐れがあるからである。
 戦争を抑止するには、むしろ9条(戦争放棄と戦力不保持・交戦権否認)をしっかり守って戦争意思のないことを宣明し続けることの方が得策だろう。

 今、安倍政権の安保政策は、中国や北朝鮮を念頭に「東アジア情勢が厳しさを増しているから」との理由で「抑止力を高める」ためだとして、集団的自衛権行使容認の安保法整備にやっきとなっているが、そのような隣国に対する脅威論と軍事的抑止論は、抑止どころか、かえって双方激突・戦争を招く結果となりかねない。そのような戦争を想定した同盟国との軍事協力体制強化にとらわれるやり方ではなく、むしろ9条(戦争放棄・戦力不保持)をきちんと踏まえて、「諸国民の公正と信義に信頼」できる国際社会を目指して現状を改善する非軍事的方法に最大限努力を傾注するようにすべきなのだ。


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