米沢 長南の声なき声


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「ポジティブリストとネガティブリスト」論(加筆版)
2015年05月27日

 朝日5月24日「長谷部・杉田 考論」で早大教授・長谷部恭男と法政大教授・杉田敦の両氏が論じていた。それは次のようなこと。
 権力・暴力(武器使用)の用い方―二通り
 ① ポジティブリスト―「できること、やれること」)を列挙―それ以外はやってはならない。
   憲法73条(内閣の行う仕事)に軍事はない(内閣に軍事権はない)―軍事はやってはならないということ。
   ●権力(政府や国会―権力機関)は抑制的に運用―憲法で規制(立憲主義)
     政府の判断―「国会の承認」が「歯止め」となり、それがありさえすれば政府の判断で何でもやれるというものではなく、たとえ国会が承認しても憲法に反していれば無効(安保法制における自衛隊の海外派兵など)。 
   ●海外派兵や他国領域での武力行使は「一般には」やれないが、次のようなことは「新3要件(①国の存立に関わり、国民の生命・自由・幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合、②他に方法がない場合、③必要最小限の限度内)にあてはまるならやれる」と?
    *他国軍隊への「後方支援」(国際法上の兵站行動で武力行使と一体)なら、戦闘地域でも「戦闘現場」から離れた所でならやれると?
    *ホルムズ海峡の機雷掃海(国際法上は武力行使そのもの)はやれると?
    *邦人輸送中の米艦防護のためなら自国の艦・部隊が攻撃されていなくても、他国領域でも集団的自衛権行使で武力行使できると?
    *ミサイル発射を防ぐ敵基地攻撃は、それが日本にではなく他国に向けられたものであってもできると?
  憲法9条は政府に武力行使を禁じている。例外など認めておらず、これらは違憲行為になる。
   ●武器使用―警察官、これまでの自衛隊―正当防衛と緊急避難に限って使える。(警告射撃などはやれても相手を傷つけてはならないことになっている)、それ以外には武器は使えない。(自衛隊は海外で武力行使はできない。)
 ② ネガティブリスト―「できないこと、やれないこと」を列挙―それ以外は何でもやれる。
   ●権力は為政者がやりたいように行使―独裁(国民の選挙で多数を制して選ばれた政治家による「期限付き独裁」。国民投票を利用したヒトラーの手法。安倍首相や橋下大阪市長の考え方も選挙勝者独裁・多数決独裁、いわば「民主的独裁」というものか―筆者)
   ●武器使用―正当防衛・緊急避難以外にも使える―海外で任務(派遣先で治安活動、住民やPKO従事者の防護・警護などの業務)遂行(妨害の排除)に必要な武器使用(武力行使と同じこと)―そうなると、それは軍隊(今度の安保法制で自衛隊の軍隊化へ)


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