米沢 長南の声なき声


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身を切るなら議員定数より政党助成金
2014年12月05日

 「消費税増税の前に身を切る改革」と称して議員定数削減の話が持ち出されるが、それを言うなら、むしろ政党助成金の方を問題にすべきだ。
 議員定数削減は、これまで出された案には180削減(みんなの党案)、 80削減(民主党案)、 30削減(自民党案)などあるが、最多の180削減でもその金額は120億円だ。それに対して政党助成金につぎ込まれている税金は320億円で、これを廃止すればこの方が大きな節約になる。
 そもそも我が国の議員定数は他国に比べて多過ぎるというわけではなく、むしろ少ない(国民1人当たりの議員数は、アメリカなど特殊な例を除けば、OECD諸国では最も少ない。)増税する前に無駄を削れというのはいいとしても、衆院475名は数としては決して無駄があるとは言えない。削減案はそれを減らそうとする。しかも、その内の比例代表180名―それは小選挙区選出に比して多様な民意をそのまま反映する方の議員数―を削って、少数民意を切り捨てるに等しい削減案が民主党案・自民党案なのである。あまりに不合理な発想である。
 一方、政党助成金は納税者の支持・不支持にかかわらず各党の議席数に応じて政党に(自民党にはごっそり)分配されるものだが、納税者によっては、支持しているのに議席の少ないその党には渡らず、支持していないのにそれらの党に分け取りされる―支持してもいない政党に、いわば強制献金させられているようなもの。そんな理不尽な話はあるまい。
 そもそも政党の資金は党員が納める党費と機関紙誌販売・支持者個々人の募金によってまかなわれ、それぞれ党の自助努力によって確保さるべきものであって、税金でまかなわれる筋合いのものではないのだ。なのに自民党は本部収入の6.5割、民主党は8割、維新の党は7割をこの助成金でまかなっている。政治にカネがかかり過ぎるからとか、企業・団体献金に頼らずにすむようにとか(自民党は依然としてこれにも頼っている)、不正にはしらないようにするためにといって、それを税金で補てんするなどというのはおかしいではないか。このような政党助成金こそ廃止して然るべきだろう。


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