米沢 長南の声なき声


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9条こそ抑止力
2014年08月13日

 軍事的抑止力は相手に優る軍事力を持つことによって、相手の攻撃意思をくじき、攻撃を思いとどまらせるというものだが、それには単に戦力を見せつけるだけでなく「いざとなったら」それを行使する、或いは「行使も辞さない」という戦意を伴わなければならない(その意思はないのだとなれば、それは単なる「張り子の虎」同然で抑止力にはならないからだ)。そこに矛盾がある。その戦力と戦意を見せつけられた相手はそれに恐れをなして戦う気を起こさなくなるかといえば、必ずしもそうはならず、相手はかえって身構え対抗心をかきたてられて軍備増強の方に向かい、その結果互いに軍拡、脅威増幅・緊張・不安にかられることになり、たえず身構え、一触即発状態となり、ちょっとしたきっかけで戦争に突入しかねないことになる。
  それにその軍事力に物を言わせ、外交交渉で話し合ってもあくまで自分の言い分を通そうとして妥協・譲歩を拒み、結局「これ以上話し合っても無駄、武力に訴えるしかない」となって戦闘に突入。いずれにしてもそれは「抑止力」どころか、かえって戦争を呼び込む結果となる。
 それに対して9条は戦力も戦意も持たず、あくまで戦争回避。これこそが抑止力だろう。


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