米沢 長南の声なき声


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軍事的抑止力と9条抑止力とでどちらがベターか
2014年08月10日

抑止力―相手の攻撃を思いとどまらせ、攻撃の企みをくじくこと
①軍事的方法―兵器・軍備を見せつけて、「いざとなったら使うぞ・やるぞ」と(威圧)―他国・相手国を不信用・「仮想敵国」想定―他国・相手国もそれに対抗―互いに軍拡(脅威が増幅)→緊張(不安)→たえず引き金・ボタンに手を(相手が撃てばすかさず撃ち返すか「やられる前にやる」)―軍事衝突→戦争に発展(限定的な戦闘でも、相手にとって銃弾1発は100発と同じ)というリスク(戦争を惹起、数多の国民が戦争に巻き込まれて犠牲になる危険性)を伴う。
 個人に例えれば―各自が対強盗などに備え銃を保有・所持―そのリスク―使用(発砲)しがちとなり(話す―対話・問答―より先に)、相手も凶器を用意→殺し合いになる。
②非軍事的方法―個人に例えれば各自が家に鍵(戸締り)
 武器・軍備を持たず、どんなことがあっても戦う意思のないことを示す―9条(戦争・武力行使の放棄と戦力不保持・交戦権否認)は国の内外にそれを宣明。
 但し、9条は国権の発動たる戦争と武力による威嚇・武力行使を放棄し、国の交戦権は認めないとは言っても、国は警察権を持ち海上保安庁も対テロ特殊部隊もあり、国民には正当防衛権(不当な支配に対する抵抗権)もあり、無防備・無抵抗ということにはならない。
 {ところで軍隊と警察の違い・・・海上保安庁もSAT(対テロ特殊部隊)などは後者
  ①軍隊―交戦権―武器使用、殺しても殺人罪に問われない
           (尚、自衛隊は交戦権が認められていないから軍隊ではない。それに自衛隊は、軍隊と異なり、武器をむやみに使用することはできず、一般人と同じく刑法で定める正当防衛・緊急避難の場合以外には、また警察官と同じく警察官職務執行法に定める場合(犯人逮捕などの職務執行に対する抵抗と逃亡を防止するため)以外には人に危害を与えてはならないことになっているからである。(それで殺せば殺人罪になる。)(上官の命令には従う義務があり、任務の遂行上、自分の生命を危険にさらすことをいとわないということはあっても、上記の正当防衛など以外には発砲して人を殺したり、殺されて死ぬことを強いるような命令は違法であり、拒否することができる。)
  ②警察―交戦権なし―武器使用規制、正当防衛・緊急避難だけ、それ以外は殺人罪に。
     「警察比例の原則」―相手の武器に比例―大砲には大砲、戦車には戦車、戦闘機には戦闘機―重武装
     自国・自国民(生命・財産)に対する不正な侵害行為(犯罪)に対処―領海・領空侵犯、不法上陸、公海上での海賊行為、テロ等にも
     警備・強制排除・職務質問など(行政警察権)
     逮捕・押収など強制捜査権(司法警察権)もつ(国内法規で裁判・処罰)(日本領域外にいる命令者も―共同正犯として―逮捕できる)
                      <参考―小野田堂郎「日本国憲法と武力」>}

 しかし、相手が核・軍事力を持ち、その力を背景に威圧、無理難題(理不尽な要求)、軍事占領、屈従を強いられるリスク―それに対して毅然と拒否、非協力・不服従抵抗―それは決死の覚悟を伴う。  
  (2010年、阿刀田 高―作家・日本ペンクラブ会長―全国革新懇ニュース4月号インタビューにいわく「軍備も持たず、どこかに攻められたらどうするのかとの問いには、『その時には死ぬんです』というのが私の答えです。・・・軍国少年であった子供の時、天皇陛下のために俺は死ぬんだと思った。同じ死ならば、よくわからない目的のために死ぬより、とことん平和を守り、攻撃を受けて死ぬ方がまだ無駄じゃない。丸腰で死ぬんです。個人のモラルとしてなら、人を殺すくらいなら自分が死ぬ・・・つきつめれば死の覚悟を持って平和を守る、命を懸けるということです。そうである以上、中途半端に銃器なんか持っていない方がいいですね。死ぬのは嫌だから、外交などいろんな努力を全部やる。やり尽くすべきだと思います。」)
 

 さて、①の「軍事的抑止力」と②の「9条抑止力」とで、どちらが、よりましなやり方か(国民にとって)。


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