米沢 長南の声なき声


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五輪で必要なのは諸国民を思いやる心
2013年09月15日

 五輪の招致合戦に勝って日本国民は喜びに沸き立っている。東京で自国選手の活躍とそれを生で目の当たりにできる楽しみ。子供たちや若者に夢と希望。デフレ脱却への経済効果。震災復興のはずみにもなる。アピールしたのは日本人の優れたサービス精神「おもてなし」。懸念はフクシマ原発事故の収拾だが、それも首相が「大丈夫だ」と国際公約してくれた。
 テレビなどマスコミの多くが報じているのは、こういった自国の国益と自国民にとって都合のいいことばかりのようだが、オリンピック開催の意味は、それを通じて諸国・諸地域の代表選手が一堂に会して競技・交流し、友情と連帯・世界平和の促進をはかることなのであって、自国民だけがいい思いをして喜んでいればいいというものではなく、不可欠なのは他の諸国民に対して思いやる心。
 世界の諸国・諸地域の中には、様々な欠乏や対立・争乱に直面し、悲惨な状況に置かれている多くの人々がいて、オリンピックに選手を送るにも思うにまかせない国がいくつもある。そのことに思いを致し、そういう国や地域で人道支援事業にあたっているNGO、中には紛争地で武装解除に当たっているNPOさえもあるが、苦難にあえぐ国や地域の人々と、それに手をさしのべて一生懸命頑張っている人たちにも焦点を当てた報道や論評があってもいいのではあるまいか。


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