米沢 長南の声なき声


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他者を守る正当防衛論について
2013年08月29日

 新法制局長官は朝日新聞のインタビューで集団的自衛権を、「隣の家に強盗が入って今にも殺されそうだという時に隣人を守る」ということになぞらえて、「他者のための正当防衛」として認められると語った。
 しかし、「正当防衛」には急迫性と相当性の要件があり、今まさに侵害を受けているか受けようとしているという場合に限られ、単に侵害があるかもしれないと予測されるからといって予め武器を用意し待機して迎え撃つというのは、それには当たらず、また過剰防衛も禁じられている。予め「正当防衛」のための武器や防衛体制を整えておくにしても過剰防衛になってはならず、それをむやみに使用してはならないのだ。抑止のためといって武器・防衛体制を保持・強化すれば相手も同様に保持・強化しエスカレートする。それに武器・武力を持つと、対話・交渉ぬきでそれに訴えがちとなり、武器を持ちあえば殺人事件が起こりやすく、軍備を持ち合えば戦争になりやすい。アメリカは市民に武器所持が認められていて殺人事件の最多発国になっており、最大の軍備保有国であって最多交戦国。それに対して最も厳しく銃規制しており、不戦憲法を定めている我が国は武器による犠牲者が世界で最も少ない国になっている、というのが現実なのである。


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