米沢 長南の声なき声


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政権党とその対極政党の価値観―庶民の価値観に近いのはどっち
2013年08月11日

 安倍首相は「美しい日本」「強い日本」「日本を取り戻す」、憲法といえば改憲・「自主憲法」の制定、教育といえば「国を愛する心を涵養」「伝統・文化の尊重」、参拝といえば靖国神社(参拝できないのは「痛恨の極み」)、外交といえば「価値観外交」―「価値観の共有する国々との友好・協力」、国内外の価値観の異なる国や共産党は除け者にするか敬遠する、といったように非常にイデオロギー的(価値観・歴史観へのこだわりが強い)。
 キリスト教徒のアメリカ人・ヨーロッパ人、イスラム教徒、中国人・韓国人・北朝鮮人など、どの民族・国民とも価値観には違いがあるが、アジア諸国それにアメリカも日本の右傾化(古い価値観への偏り・歴史認識の隔たり)―戦後レジームの否定、戦前レジーム(侵略戦争・ファシズムも)肯定、反中・反朝ナショナリズム・国粋主義―に警戒感をもっており、安倍首相の価値観外交には必ずしも同調はしておらず、むしろ孤立しかねないとさえ危惧される。 

 価値観―どのようなことに価値を認めるか、どのような価値を重視し優先するか
   おカネ、商品、経済的利益・利潤、市場、企業活動の自由、競争力、
   国家・公益・公の秩序
   人間性―自由、人権、生命、
   地球、自然
   民族・血統
   戦争・軍事・軍備   
   安全保障(国家安全保障か人間の安全保障か)   
   コミュニティー
   学問
   倫理(善)・正義
   
(1)安倍自民党の価値観(大切にする価値)
 ①資本主義の自由―利潤追求・企業活動の自由・・・・市場原理至上主義(新自由主義)
          (派遣労働など非正規雇用、解雇、労働時間・残業などの規制緩和)
        競争、経済効率、原発(命の安全より産業経済・「安い電気料」)
        稼得能力・世襲財産・幸運による富・利権・地位の獲得(格差容認)
 ②パワー・ポリテクス―軍事(集団的自衛権の行使など)・軍備・同盟
 ③戦後レジームよりも戦前レジーム(回帰・歴史逆行)
               現行憲法より「自主憲法」(改憲)
        天皇・国旗・国歌―権威   
        靖国神社(戦争神社―皇国に身を捧げた戦死者を祀る―戦犯も合祀)尊崇       
        公益・公の秩序(国民の自由・権利はこれに反してはならない)
        伝統的な共同体(家族・親族・地域)
 ④教育―企業と国家の人材教育―管理・統制・・・・愛国心教育・テスト競争教育   

(2)安倍自民党に対して対極にあると見なされている政党の価値観(大切にする価値)
 ①人間の自由、人格・人権(平等・尊重)
              思想・宗教の自由、言論・集会・結社・表現の自由、
              生命(何よりも優先)
              生存権―健康で文化的な最低限度の生活保障―社会保障
              労働権(保障)
 ②資本主義におけるルール(民主的規制)
                     ―雇用のルール、人間らしく働ける労働法制
 ③地球環境・自然再生エネルギー(脱原発)
 ④現行憲法(立憲主義、非戦・平和憲法)
       軍事より平和外交・平和的国際貢献(友好・交流・対話)・非同盟・中立
       公正・信義(利害損得よりも)
       社会的正義
 ⑤教育―学習権・教育権(教育の自由)・学問の自由
 ⑥コミュニティー(諸個人の共同・連帯)

われわれ庶民は両者のいずれの価値観に近いと考えられるか、だ。


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