米沢 長南の声なき声


ホームへ戻る


戦争は未だまだ語りきってはいない
2013年08月05日

 アメリカ軍の原爆投下は、日本に戦争を早く終わらせ、双方にこれ以上の死者を出さないようにするためだったというよりは、ソ連軍の参戦の機先を制して米国が主導権を確保するためだったのであるが、日本を降伏に追い込んだ決定的要因は、やはりソ連軍の侵攻だったということが、最近アメリカ映画の巨匠オリバー・ストーン監督によって指摘されている。
 これら米軍の原爆投下やソ連軍の侵攻に対して日本は被害国ということになるのだろうか。
 メディアで取り上げられる「語りつぐ戦争」といえば、日本では空襲・沖縄陥落・原爆などの戦災とシベリア抑留・飢餓・疎開など被害意識が先立ち、自らが被った辛酸・悲惨を綴ったものがほとんどで、対戦し、或いは侵略・侵攻した相手国民に対して加えた暴虐・非道・惨害の有様を率直に綴り悔いて語られているものは、あまり見られない。
 そういう意味では、未だ未だ戦争を語りきってはいないのではあるまいか。
自国民の事実認識や思いだけに留まらず、相手国民の事実認識や思いはどうなのかをも、互いに出し合って、各国の各国専門家同士の共同研究の収録とともに市民レベルで互いに語り継いでいくことが必要だろう。


ホームへ戻る