米沢 長南の声なき声


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弱い者の立場に立つ―政治哲学(加筆版)
2013年07月31日

 選挙で、どの政党、どの候補に投票するか、当方の場合は、いたって簡単。弱い者の立場に立って働いてくれる政党・候補者はどの政党か、どの候補者か、それだけだ。
 新聞やテレビでは、それぞれの政党・候補者の政策・公約・主張・考えを、政党・候補者が自分で言っているのを、そのままに(政見放送で語らせ、或いはピックアップしたり要約して列挙するなり、一覧票にして)紹介しているが、みんな「いいこと」「もっともらしいこと」を言っていて、選ぶのに窮する。
 経済政策・雇用政策、税制・社会保障政策、原発・エネルギー政策、TPP政策、外交・防衛政策、憲法問題、イデオロギー・教育政策など等。それぞれ、どの党、どの候補者の言うことが正しいのか(国益・国際正義・国民生活・国の将来にとって、また自分にとって、どれが本当に正しいのか)、よく分からないのだ。
 そこで、人によっては、とにかく、いちばん力(勢力・威勢・影響力・確実性)のある政党・候補者だから、といったことで選ぶことになる。また、表面的な印象(顔・人気・イメージ・フィーリング)だけで選ぶ人もいるわけでる。
 当方の場合は、それぞれの政党・候補者は、その歴史・経歴・実績など、強者・弱者のどの立場に立って頑張ってきたかを、これまで長年のあいだ得てきた知識・情報・実感から判断し、弱い方の立場に立って頑張っている政党・候補者に入れることにしている。それが当方の政治哲学なのだ。
 それは、当の自分が弱者(経済的にも能力的にも非力)だからでもあるが、性格上も、弱い者に味方したがるタイプだからだろう。
 世の中には、自分は必ずしも弱者ではなくても、(それどころか人一倍有能で才覚に恵まれながらも)弱者の側に立って頑張った人もいるのだが。
 また逆に、エリートでも富裕層でもないのに、自分が弱者・敗者であることを嫌い(或いは自分を「中流」だと思い込んで)、弱者にではなく強者の方に組し、勝ち組に身を置きたがる者もいるわけである。
 実は、政治というものは、自分が弱者であろうと、なかろうと、「弱い者」の立場に立って行うのが理にかなっている。それは次のような理由からである。
 動物ならば「ジャングルの法則」で、生存競争で優勝劣敗・弱肉強食・適者生存が世の習いであるが、人間社会では強者(能力、資金・支援環境、チャンスなどの条件に恵まれている者)であれ、弱者(条件に恵まれない者)であれ、誰もが人間としての価値・生存権・自由権は平等であり、それを守り、その実現に努めるのが政治の正義にかない、不平等(差別、強者の権利が優先され利益独占、弱者が不利益を被り犠牲にあう)を正すのが政治だからである。

 とにかく当方の場合の政治的な判断基準は、それが弱者にとってどうなのか、ということを判断基準にしている。

 
 政党・候補者は、自らを「強者の味方だ」などと言いはせず、「国民の味方だ」と言うが、経済団体(経団連など)・業界団体・職能団体(医師会など)・協同組合(農協など)・労組(連合・電力総連など)・地域など利害関係や地縁などの「しがらみ」から推され、それぞれその利害関係に立った意見を代弁・代行する役割を果たそうとする。それらの政党・議員は、その支持団体や地域の支持票を得るため(「票のため」)には一生懸命になるが、それ以外の(「票になりそうもない」)人たちは度外視。しかし、中には生真面目に「弱者の味方」・「庶民の味方」に徹するという理念・信念をもっている政党・議員もいるのである。彼らは(「票に」なろうと、なるまいと)誰であろうと庶民のために、弱者・マイノリティー(少数派)のために一生懸命になってくれる、そういう政党・議員もまれにはいるわけである。 
 マスコミ・メディアも自らを「国民の味方」であって「不偏不党」「公平中立」など自称するが、多くは大政党・多数派・政権党寄りであり、弱者・少数派の側に立って問題を取り上げ論評しているものはむしろ稀(まれ)。商業マスコミ・メディアにとっては「売れるか、売れないか」によって縛られ、国会の承認のもとで運営されるNHKは国会多数派議員の意向に縛られる(その意に反する取り上げ方や論評は控える)ので、やはり多数派の「受け」や好みに合わせようとするからである。このような新聞・テレビの立ち位置も、よく見極めなければならない。
 (NHK―事業予算・経営委員任命には国会の承認が必要であるなど、経営・番組方針には国会の意向が間接的に反映ー「与党に頭が上がらない」との批判あり―Wikipedia
 麻生副総理のナチス肯定発言問題など民放では大きく取り上げていた局があったが、NHKはほんのわずかしか取り上げていない。)
 

 要するに、この政党、この候補者、その政策、この新聞・テレビ・週刊紙の報道・論評はいったい、だれの立場、どのような人たちの立場に立っているのか、そこを見抜くことが肝心なのである。

 アベノミクス、消費税増税・法人税減税、原発再稼働・輸出、TPP参加、改憲、日米同盟基軸の外交・防衛政策、雇用・労働法制の規制緩和政策(非正規化・解雇の自由化)、生活保護など社会保障削減政策、これらの政策はいずれも、大企業(大手メーカー・大手流通業者)・財界、富裕層・エリート層、有力農業者など強者に有利で、中小企業とりわけ零細自営業者、労働者(とりわけ非正規労働者)、小規模農家、一般庶民とりわけ貧困層など弱者には不利な政策であることは確かだろう。
 このような安倍政権に対抗して、弱い者の立場に立って頑張ってくれる政党・議員をもっともっと支え盛り立てなければならないのである。


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