米沢 長南の声なき声


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おかしい96条改憲理由
2013年05月01日

 安倍首相は96条の改憲発議要件で「3分の1ちょっとの議員が反対すれば、国民はいくらその気になっても改憲できないのはおかしい」ということを改正の理由にしておられる。
 ところで、先の総選挙は投票率が6割だったが、小選挙区で8割もの議席を獲得した自民党の得票率は4割。それは有権者全体から見ればたった4分の1。それが他の改憲派と合わせて3分の2以上で96条を変え、そのハードルを2分の1に下げて、より少ない「多数者」でも改憲できるようにしようとしているのだ。つまり改憲を切望している国民はそれ程多くはなくても改憲がた易くやれてしまうというやり方になるが、そのほうがおかしいのではあるまいか。
 問題は小選挙区制で死票が多く有力政党がわずかな得票でも圧倒的な多数議席を獲得できるという選挙制度にある。
 高裁が違憲判断を下している一票の価値が不平等な選挙で当選した議員によって構成される、そのような正統性のない国会の改憲発議は許してはならず、小選挙区制を改める選挙制度の抜本改革をまず行って国民の投票権の平等保障を実現することこそが先決だろう。

 (尚、4月30日の朝日―声欄に当方の投稿「96条改憲より一票の格差是正を」が載ったが、その原文がこれ。朝日に載った投稿は、一週間後BS朝日の「午後のニュース・ルーム」という番組で96条改憲問題が取り上げられ<自民党平沢議員・民主党生方議員が出演>、そこでキャスターからこれが紹介・引用された<全文大写し、要所に傍線、女子アナが読み上げ>)。


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