米沢 長南の声なき声


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「つらい選択」ではない首相の選択
2012年08月11日

 先日の本欄に「つらい選択訴える政治家求む」という投稿があった。それはどうやら野田首相の原発再稼働や消費税増税を「つらい選択」であるにもかかわらず、それに踏み切ったことを肯定し、そのような政治家こそが望ましいと評価しておられるように思われる。
 しかし、肝心なのは、「つらい選択」とか「決められる政治」とか、選択・決断力それ自体ではなく、どちらを選択・決定したか、その中身である。
 首相が選択したのは、「電力危機」(その実、原発の不良債権化による電力会社の経営危機)を回避するために原発の過酷事故の危険に目をつぶって再稼動の方を選択したのであり、また、財政危機を回避するために国民大衆から一番手っ取り早く集め易い消費税を増税するというやり方を選択したのであって、いずれも一番安易な方を選択してそれを決定したに過ぎないのであって、多くの国民にとっては全く評価に値すまい。
 「将来を見据えた政策」というなら、将来にわたって放射能の危険が子や孫たちにおよぶようなことのないようにし、消費税によって庶民生活と中小零細企業を疲弊に陥れることのないようにする政策こそが求められるのではないだろうか。


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