米沢 長南の声なき声


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9条改憲してはかえって曖昧に
2012年05月05日

 「国民の安全のための改憲を」という投稿があった。「周囲の国が攻めてきた時、『我々は戦争を放棄しています』と言えば、引き下がってくれるだろうか」、「大地震のように・・・想定外のことが起きる可能性は十分ある」、だから軍備が必要で、自衛隊に適正な法的位置付けを与えるように改憲すべきだ、但しその軍備は「戦争をしないための軍備」だ、という。
 大地震など自然災害は人間の意志に関わりなく起こるが、戦争はその意志がないかぎり起こらない。
 現行憲法の9条(戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認)は、我が国はいかなる場合でも戦争する意志をもたず、戦争には応じないという意志を内外にはっきりと示したものである。
 仮に攻めてこられたとしても、戦争には応じない。が、主権は固守し、屈服はしない。攻めてきた相手は引き下がらないとしても、こっちも引き下がらない。
 自衛隊が「自衛のための最小限の実力組織」で、「戦争するための軍備」ではないのだとするならば、自衛権は持つが「戦争はしない」という意志を鮮明にした9条を、わざわざ改憲してしまっては、むしろそれが曖昧になってしまうのではないだろうか。


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