米沢 長南の声なき声


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原発再稼働 賛成か反対か
2012年04月08日

 今現在、54基中1基(北海道の泊3号機)しか稼動していない―今はそれでも足りている。
 5月5日には全て停止の予定―その時になっても、なお足りているか?
 夏になったら?―経産省試算―関電管内(発電量の50%超を原発に頼っている)では、一昨年夏並みの猛暑の場合は、ピーク時の需要に対して供給力が19.6%不足、昨夏(節電、企業は土日操業)と同じくらい抑えた場合は7.6%不足と(その根拠を疑問視する向きあり―需要を過大に、供給を過少に見積もっていると)。

 そこで今、福井県の大飯3・4号機(関西電力)の再稼働が問題に―野田首相と枝野経産大臣など関係閣僚と4人で「政治判断」して、OKとなったら、地元(立地自治体だけか、周辺自治体その範囲30k圏内か100k圏内か?も問題)の理解を得て再稼働へ。

再稼働リスク―過酷事故による放射能害
       原発事故―自動車でも列車・飛行機でも、工場や建築でもリスクは付きもので、それらは原発事故に比べればはるかに事故の確率は高い。それでもその利用価値(利便性・経済性)によって、リスクをしのんで(割り切って)それらを活用している。
 しかし、それら(自動車など)は事故が起きても、被害はそれらを利用する人と事故に巻き込まれた人々に限られる。しかし原発事故のばあいは、確率は低くても、一たび起これば広範囲にわたり数世代にもわたって何十万・何百万という沢山の人々に被害・ダメージがおよび、あまりにリスクが大きい。そのリスクを無くすには原発そのものを止めて廃炉にするしかない。
       放射性廃棄物の害―事故がなくても、稼動させて核燃料を燃やし続ける限り(それは運転を停止したとしても、なのだが)、「死の灰」(使用済み核燃料を再処理してウランとプルトニウムを取り出した残りかす=高レベル放射性廃棄物―「ガラス固化体」に固めて地下100~300mに埋めるとしても、100万年管理が必要)その他の「核のゴミ」(低レベル放射性廃棄物)が溜まるが、その最終処分場の(どこかの地底にしても海底にしても)引き受け先がない。
       広範囲・長期間にわたる住民の生命・健康に害(遺伝的損傷も)
       生き物・自然環境に害
       食糧生産・風評被害など経済的にも社会的にも文化的にも心理的にも計り知れないダメージ         
       それらを防げるか―防ぎきれない   
停止リスク―電力供給に支障―深刻な電力不足―とりあえずは火力発電でしのぐとともに、他の電力会社(関電のばあいは、中部・北陸・四国・中国の4電力会社)から余った電力を連系線で送電して融通してもらうなどしてカバー(この冬は、九電は直接つながっていない東電などから融通を受けて乗り切ったという―10日付け朝日)。
      火力発電用の燃料費の高騰―電気料値上がり
      日常生活や経済活動に支障
      従来型の産業・経済・生活―大量生産・大量消費、ネオン・電飾看板、深夜営業、昼夜とも煌々と明り―できなくなり、転換が必要―省エネ・節電―ワークライフバランス、スローライフ、脱夜型生活スタイルなどに迫られる―浪費型社会からの決別―GDP 追求型経済からGNH(ブータン・モデルの「国民総幸福」)追求型などへ転換
      再生可能エネルギー(太陽光・風力・小水力・地熱・潮力発電・バイオ燃料など)早急な開発に迫られる  
      この夏は省エネ・節電(計画節電)―計画停電・電力制限令(企業など大口の電力需要者に一定の節電を強制)の覚悟も

それぞれの都合―一般国民にとって―少々暗くなっても、暑くても大丈夫という人、そうでない人―人によって、仕事・業種によって困る人、そんなに困らない人
        電力業界、原発のおかげで飯を食っている人たちの都合
        電力を大量に使っている事業者の都合など―5割の企業が再稼働に賛成                       (3月27日朝日の100社アンケート)
世論調査(朝日新聞3月13日)―原発再稼働に賛成27%(男41% 、女15%)、反対57%(男47%、女67%)
 原発停止の経済への影響を「心配している」人75%(「大いに」20%、「ある程度」55%)
 「原発を段階的に減らし将来はやめる」に賛成70%、反対17%
       
原発は再稼働しても大丈夫なのか否か、どちらの判断が現実的なのか空想的なのか。
 原発―「夢のエネルギー」―「安全神話」―「絶対大丈夫」というのは幻想―に過ぎなかった。
    原発事故は起きるというのが現実(いつ、どのようにして起き、どのような結果になるかは予測がつかず、事前予防できない)。
 原発の再稼働と停止のどちらのリスクに耐えるか―停止リスクに耐えるしかあるまい。
 朝日社説は、「今夏、再稼働して抱え込む事故再発リスクと、電力制限例いよる負担―。国民に受け入れやすいのはどちらだろうか。」と。
 原発再稼働による電力の「必要性」と停止による「安全性」のどちらを優先するか―政府は「安全性」を犠牲にして「必要性」のほうを優先


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