米沢 長南の声なき声


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「実績評価する教育改革」は間違い
2012年03月09日

 先日の投稿「実績評価する教育改革に期待」は、「実績に見合う報酬」にし、評価の低い教員を辞めさせられるようにすることによって教師は切磋琢磨し、「優秀な人材が集まる」としているが、そこには大きな錯覚があり、あまりに短絡的な気がした。
 第一、学校教育は、大相撲や家庭教師などと違って個人プレーで行なわれるものではなく、心の通い合った教師集団の協力によって行なわれるチームプレイである。一人の生徒又は生徒集団に対して担任・教科担当者・部活顧問・各校務分掌担当者など皆で当たるのだ。学校・学級には多様な生徒がおり、教育内容も多様で、それに対応する教師集団は多様なメンバーによって構成されなければならない。
 教員の勤務実績は学テ成績とか生徒管理などの実績ではなく人間教育の実績でなければならず、教師の力量は、技能だけでなく、人間としての総合力。「切磋琢磨」と力量アップは給料に差をつけて競争に駆り立てることによってではなく、研修会や研究授業などを通じて行われているのだ。
 そもそも生徒を前にして、カネで人を動かすとか、カネしだいで動くといったさもしいやり方は教師たる者にはあってはならないことなのだ。
 一私学にずうっと在職してきて、退職しても卒業生や同僚それに校長とも、いつまでも親交を続けられている実体験から、そう思うのだ。
 



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