米沢 長南の声なき声


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法治国家をはき違え
2012年03月18日

 大阪府立和泉高校の卒業式で「君が代」斉唱の際の口元監視について、橋本大阪市長は「法治国家」である以上当然だとコメントしていた。
 法治国家とは法に基づく支配を原則とし、治める者も治められる者と同様に法によって拘束される国家のことだが、法律万能主義に陥って国民の基本的人権を抑えることになってはならないのだ。
 組織にはマネジメントや服務規律は必要だとしても、それらは法令とりわけ最高法規である憲法に違背するところがあってはならない。
 大阪市役所の職員に対する強制的なアンケートやメール調査は、職員の違法な組合活動や選挙活動の事実をあばくためには「これぐらいのことをしないとダメだから」といって、それをやる。又、卒業式における「君が代」斉唱に際する管理職による口元監視は、条例や職務命令を徹底させるためには「それくらいのことをしなければ」といって、そこまでやる。これでは、役所も学校も、まさに「検閲・密告・監視社会」に化してしまうだろう。
 我々庶民は、ただ単に「ルールを守り、多数決で決めたことや、選挙で選ばれた人が決めたことには、どんなことでも従うのが民主主義だ」などと言われて、それだけで納得してしまうのではなく、人権や基本権の尊重あってこその民主主義なのだというところまで考えが及ばなければならないのだ。


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