●参院予算委員会。まるで 菅首相つるしあげ質問の感。「菅は菅でも鈍『菅』だ」、「言い訳ばかりだ」、「恋々と政権にしがみついているが、潔く身を引くべきだ」とか。「広島・長崎の原爆と原発はどう違うんですか?総理」とか、まるで中学生への質問だ。「そんなのに、よく大人しく答弁しているもんだ。俺(のような気性)には首相は務まらん」と、聴くに堪えず切った。
●CS放送の朝日ニュースターの番組「愛川欽也のパックイン・ジャーナル」を毎週土曜日に見ているが、23日のそれは、やはり原発問題が話題の中心だった。その中で、愛川キャスターは京都大学の原子炉実験所助教授の小出裕章氏に電話インタヴューで訊いていたが、小出氏は、東電が発表した事故収束への行程表(ステップ1を3ヶ月、ステップ2を3~6ヶ月など)を、その通り運ぶのは極めて難しいと答えていた。遠隔操作ロボットでやれるのは線量・温度・湿度などの測定と映像を撮るくらいのもので、それ以外は全部、人手でやらなければならず、その防護服はガンマ線などには役に立たず(防ぎきれず)、被曝許容限度内の短時間で作業をやめ、退避・次々交代しながらやらなければならず、時間がかかる。また、水素爆発などの危険性も全く無いわけではない、とも。
欽キンは政治家を判断するキーポイントは憲法(9条)にたいする考え方(改憲か護憲か)に加えて原発にたいする考え方(原発維持か脱原発か)だ。
また震災復興財源に、共産党以外の各党が受け取っている政党交付金を回すべきではないか、ということも問題にしていた。
「ところで、この難局、菅首相ではもはやダメだとして、誰か替わり手がいますかね」
「いないでしょうね」
「小沢さんはどうなんですかね」「彼は何をしてるんですか」「さあ」
「彼なら官僚やアメリカにも物が言えそうだし」「そういう力がある人だとは私も思いますけど、今はもう客観的な構造が彼にリーダーシップを託せる構造にはなっていないでしょう」
といったことも話していた。
他の番組でもその話。「今、このような時にリーダーシップを振るえる政治家なんてどこに?」「出てくるんじゃないですか?」「石原都知事とか、橋本府知事・河村名古屋市長のような」「たのもしいような、こわいような」「私はこわくなると思いますけど」とも。
とにかく、この国の政治はダメだ。無責任な野党・与党内野党、それにマスコミがダメにしているのだ。●原発―維持・増設に賛成か反対か―世論調査
NHK(15~17日)では―増やすべき0.7% 現状維持42% 減らすべき32% 全て廃止すべき12%
朝日新聞(16・17日)―増やすべき5% 現状維持51% 減らすべき30% やめるべき11%
原発利用への賛否―賛成50% 反対32%
現状維持と原発利用に賛成という方が多いことに愕然。いったい何を考えてんだ?日本人!
「原発か停電か」で考えるのではなく、「原発か自然エネルギーの普及と節電か」で考えるべきなのに。
●福島原発の建屋の床をロボットが動きまわっている様子がテレビ・ニュースに映し出された。アメリカのiRobot社製だと開設していた。我が家で、最近、女房が買ってきたロボット掃除機(ドラム型。当方が毎朝一手に引き受けてきた掃除機掛けから、居間一部屋分をロボットに奪われてしまうことに)。よく見てみたらiRobotと書かれてあった。「なんでそんなものを」と訊くと、「アダプター付きで、普通の掃除機よりも電気を食わないからだ」という。
●年金が入ったので2回目の義援金を振り込んできた。女房は「毎月送ったら」というが、毎月、月給もらってるわけじゃあるまいし・・・・。
●4・18福島へ花見―飯坂の手前の穴原温泉へ13号線から山道に入って途中にある「館の山公園」(源義経の忠臣で有名な佐藤忠信・継信兄弟が出た奥州藤原氏一族佐藤氏の城跡)―同じ福島の「花見山公園」は有名だが(行ったことはない)、そこ(館の山公園)は「隠れた花見の名所」だというので、行ってみた。孫を誘ったが、「ババ、福島には行かないで!ジジだけ行かせて」と言って断わられたので、女房だけ連れて行った。行ったら飯坂の町の中など他の所では満開に近い桜が所々に見えたのに、そこだけ、ろくに咲いておらず、つぼみも疎らだった。いったいどういうわけだ。鳥が食べ尽したせい?カメラは一枚も撮らずに空しく帰ってきた。
●石原都知事がまた再選された。彼は今回の巨大地震・津波を日本人の「我欲」に対する「天罰」だと言ってのけたが、原発も含めて「我欲」を欲しいままにする政治を推進してきた張本人なのではないか。そのような人物を4度も都知事に選んで東京都民の感覚はとても理解できない、民主主義の不条理としか言いようがない。
東京に限らず新保守ポピュリズムの風潮が強まっている、その結果が今回の統一地方選挙の結果に現われている。ネオリベラリズム(新自由主義的改革志向)とナショナリズム(伝統国家―「日の丸・君が代」と軍事強国―信奉)とが合体したイデオロギー(思想傾向)の持ち主で、大衆受けするハッキリした物言いと強権政治、そんなのが受けているのだ。
この大震災をきっかけに戦後日本人の意識改革(価値観の転換)と社会の一大変革が求められているというこの時に、こんな新保守ポピュリズムとは。まったくいやになっちゃうよ!へたをすると戦前への逆戻りみたいなことにさえなりかねない。
●巨大地震・津波に襲われ、福島原発が壊れて放射性物質が漏れ出して一ヶ月たった。
放射性物質の測定値は、今のところは「ただちに人体の健康に影響するレベルにはない」というが、数年から10年以上放射線にさらされ続けると人体のDNAを傷め、発癌するなどの放射線障害の可能性が出てくる。
冷却装置が復旧して「冷温停止」ができたとしても、燃料棒を全部取り出し、配管を塞いで密閉状態(「廃炉」)にするまでには10年以上もかかるのだという。
どうせ人間、だれでも何らかの病気にかかり、いずれ死ぬものだし、文明の恩恵にはリスクがつきもので、火力発電にも飛行機にも事故はつきものであり、自動車事故で死ぬ確率から比べれば原発事故で人が死ぬ確率ははるかに少ない、というが、自動車事故で死ぬのは、それに遭遇した人だけだが、原発事故が一度起きてしまえば、何万何十万という人々の死につながる。安全性と経済効率性とをプラス・マイナスするコスト計算だけで割り切られる筋合いのものではないのだ。
地震・津波の国に、こんな原発依存のエネルギー政策はもうやめてくれ!
●1日、東日本大震災、発生から3週間
さあ、頑張ろう・・・・頑張れない?いや、頑張るしかない!
2日、震災とは無関係だが、脳梗塞で急逝した教え子(とは言っても歳も近く友達のような間柄で、クラス会・OB会など何かある度に運転やら写真撮りやら名簿つくりやらをやってくれた)の火葬と葬儀に行ってきた。火葬場には仙台など被災地から霊柩車が来あわせていた。葬儀には多数の会葬者が出席され、6人もの心のこもった弔辞が読まれ、あらためて彼の人徳が偲ばれた。震災の死者1万何千人と数えてきたが、その一人一人の生と死の有様その重さをつくづく思い知った。彼の息子たち(立派だった)それに孫たち・・・・頑張れよ!