米沢 長南の声なき声


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3月のつぶやき(随時加筆)
2011年03月01日

●31日、震災による死者(11,438人)行方不明(18,300人)合わせて29,738人、避難者172,486人。
●30日、震災による死者(11,258人)行方不明(18,347人)合わせて 29,605人,避難者174,172人
 教え子が亡くなった。脳梗塞。孫と風呂に入って、あがって着衣の途中、突然倒れたという。昨年9月いわき簡保センター(海端で、今回津波被害にあっている)泊で行われたクラス会で、7年後には彼らの古稀と当方の喜寿を兼ねて、みんなで歳祝をやろうといって別れた。なのに・・・・。
●29日、震災による死者(11,102人)、行方不明(18,382人)合わせて29,484人。 避難者177,841人。
●28日、震災による死者(10,901人)、行方不明(18,982人―減っている)合わせて29,883人。 避難者181,166人。
 菅首相は週刊誌などでボロくそに言われている。「国民を不幸に陥れている『亡国の官邸』」「菅首相の罪は万死に値する」「保身に汲々する官邸」「風評被害の元凶は菅首相」などなど。それらが本当だとすれば、なにもかも絶望だというのか?アラブの国々のように大デモを起こして、菅首相を引きずり下ろし、谷垣か誰かに変えれば希望と安心は取り戻せるというのだろうか?
 これらのメディアが国民に反菅政権を煽っているのは確かだ。それで誰が利するというのだろうか?谷垣らには漁夫の利が得られても、被災者は(風評被害者も)、それで助かるというのだろうか?。
 原発事故の収拾の目どは依然たっていない。
 
 米沢市内の避難所でボランテアをした娘は、山形放送のラジオで、電話インタヴューを受けてしゃべっていた。もう一人の娘も連日行っている。頑張れ!
●27日、震災の死者(10,668人)(19,395人)合わせて30,063人、避難者 243,345人。
 朝日新聞の「声」欄に米沢の人で避難者への傾聴支援ボランテアをやっている「年金生活者」の方の投稿があった。 女房に読んで聴かせると、「自分もやってきたら?いややっぱりだめだ、あんたはいかないほうがいい、『原発は必要だって?だったら帰れ!』なんて言いかねないから」と。
●26日、震災による死者(10,418人)行方不明(19,768人)合わせて30,186人。3万人を超えた。避難民 244,635人。
 NHKニュース―福島県内外の避難所で104名からアンケート―原発「必要だと思う」「まあ必要だと思う」合わせて52%、「必要ない」「それほど必要だと思わない」合わせて47%で、「必要」と思っている人のほうが多い。「地域経済は原発に支えられてきた」と原発に恩恵を感じているのだ。何ということだ・・・。米沢に来ている避難者もそんなことを考えている者がいるのだろうか?
●25日、震災(発生からまる2週間たって)死者(10,066人)、行方不明(19,743人)合わせて29,809人(まだ届けがない人あり、全容把握されていない)。避難者246,178人(避難所の避難者は減っているが、帰還・在宅避難者がいるということだ)。
 義援金を、とりあえず1回分のつもりで振り込んできた(来月、年金が入ったらまた、ということで)。
 2週間前あの日、あの瞬間、当方は今避難所にもなっている文化センターにいたが、家では女房が孫を抱きしめ、飯台の下に孫においかぶさってもぐったとのこと。女房「じじは、いつまでも帰ってこないし・・・」。孫「ばばは弱い声で『だいじょうぶ、だいじょうぶ』ってゆったもな」(そうだったのか、ごめんな)。
●24日、震災の死者(9,737人)(18,762人)合わせて28,499人―だんだん増えていってる。避難者250,305人。行方不明者のなかにはタイ人も700人いる。先にスマトラ沖地震で被災した国の一つだ。
 空間放射線量、米沢市は0.106マイクロシーベルト。放射性ヨウ素は米沢では初めて測定、市水道部の蛇口から1キロあたり0.466ベクレル検出されたが、いずれも微量で人体健康には全く影響なし。
 東北電力の計画停電は一回も実施されていない。みんなの節電のおかげなのだろう。早朝イヤホン音楽聴きは止めにして、布団の中で、いつもより遅くラジオ体操まで、じっとして粘っている。
●23日、震災の死者(9,452人)(18,455人)合わせて27,907人、避難者262,211人(いずれも朝日)。今日も朝からたて続けに余震。
 山形県内における避難所および避難者数(山形県災害対策本部)―避難所54ヵ所に3,358人(県内の人2名、宮城県から53名、福島県から3,303名)うち米沢には福島県から498名。
 「結いの木」を訪ねてみたが、井上君(統合「ボランテア米沢」のプロデューサー)は九州島原から駆けつけた方と「これから、副知事と会ってくる」と山形へ行くところだった。
 一昨日、米沢の避難所へ行ってきた婿殿が、そこで話したある中高年男性は「東電に爆弾をしかけてやりたい(くらいだ)」と言っていた、とのこと。
●22日、震災の死者(9,080人)、行方不明(1万8,231人)合わせて2万7,311人(届けあるもの)。避難者31万8,823人、福島原発周辺(20k圏内)からの避難者約6万人。
 ガソリン・燃料―釜石の油槽所が昨日復旧、石油タンカーが入港、タンクローリーが集結、本県内陸部のガソリンスタンドにも近日中に行き渡る見通しとのこと(朝日)。
 入浴、湯につかっていると、揺ら揺ら。風呂場から跳びだした。余震―震度3だった。
●21日、震災の死者・行方不明あわせて2万1,000人超。
石巻市では1万人行方不明、4万人が避難生活、9日ぶりに80歳の老婆と16歳の少年(孫)が救出。倒壊家屋に閉じ込められていて、ヨーグルトと牛乳でしのいでいたという。向陽町に大学の同級生がいる。どうしているだろうか。
 NHKの安部アナウンサーが訪れた陸前高田の避難所で、おばさんたちが「くよくよしないで、負けないで、しのいでいきますよ」。心の拠りどころは?と訊くと、それは「みんなでいることです」(絆が拠りどころ、というわけか)。「そうですか、頑張ってください」(安部アナ)。
 米沢市内の避難所へ、娘が昨日に続いてボランテア。今日(休日)は婿殿も一緒に行って、当方は孫たちの監督。

●20日、震災の死者・行方不明合わせて2万人超える。避難者36万人。
 15日に岩手・大槌町で4日ぶりで救出された75歳婦人「絶対あきらめないと思っていた」と。
 三陸の海岸の或る所で小学生か中学生ぐらいな女の子が、ガレキが広がるあたりに向かって泣き声で「お母さーん!」と叫んでいた(テレビ)。
 米沢の避難所に500人(孫を連れたお婆ちゃんに訊いてみると飯館村から家族・親族11人で来たとのこと)、ボランテアが600人(教師・学生・高校生に小学生もいた)(募集は一時中止とのこと)。
 「ボランテア米沢」―「結の木」(NPO)理事長をしている井上肇君が、横浜から来たNPOの丸山広志氏(事務局長に就任)らと共に主導して、社会福祉協議会・生協など市内の各団体と神戸など県外から来ているNPOを統合させて発足したものらしい。
 当方が在職した高校の同窓生で市会議員をしている我妻君は、井上君の相棒で同窓会長の新関君らと石巻に行ってくるとのこと。みんな頑張れ!

●19日、震災の死者・行方不明あわせて1万8,000人超、被災者70避難民万人?うち避難民28万人。
 「がんばれ!」・・・と言うと、人によっては、「それを言われると、『これ以上どうやって頑張れというのだ』と、かえって苦痛を覚えるのだ」という。「それを言うなら『辛い気持を一緒にしています』とか、いたわり、心に寄りそう言い方をしなくては」というわけだ。テレビでそのように語っている人がいたが、そういうものか。
 市災害対策本部から町内会を通じて配られた広報・号外の呼びかけに応じ、数枚の毛布と米(買い置いていたうちの一袋)を受付先に届けてきた。
 避難所になっている市営体育館と文化センターにも行ってみた。娘と孫が音楽ボランテアをやっていた(何組かの親子を相手に。「どちらから来られましたか?」と声をかけた。「福島市から」「南相馬市から」とのこと)。在職中の同僚と教え子も何人かボランテアで来ていた。みんなご苦労さん!

●18日(金)震災一週間目
 計画停電―こちらは今日は中止。鉄道は奥羽・山形線その他も運休。
●17日、震災の死者・行方不明1万3,400人、避難33万6,000人―米沢市営体育館に587人
 東北電力―計画停電は中止、明日も中止の見込み。
 米沢市内のガソリンスタンドは、多くが閉鎖、やっているところは入口から100台近くもが車列をなしている。
 県内のガソリンスタンド―新たな入荷の見通したたないとのことだが、北海道の製油所から酒田ルートで供給可能になったとも。
 仙台製油所(東北唯一の製油所)の火災は15日ようやく鎮火。
 米沢市のゴミ収集は可燃ゴミだけ24・25日の両日に収集(テレビ情報)。
 県内スーパー、生鮮食品は地元産だけで、その他の品も入荷の見通したたず、コンビニでも商品入荷の見通したっていないとのこと。
 吉村知事が「生活必需品の買占めはやめて」と県民に呼びかけ。

「がんばれ日本」(タイの人たちが折鶴に書き込んで)
 「なんとか頑張ります」(南三陸町の老人―家族8人を失い、自らは肋骨を何本か折って入院中)
 そうだ、被災者の方々、がんばれ!
 救出・救援にあたる市町村自治体の職員・警察官・消防隊・自衛隊・医療関係の人たち、がんばれ!
 食糧・支援物資の輸送・配送にあたっている人たち、がんばれ!
 給油・電力供給・水道・鉄道・道路・港湾の復旧にあたる人たち、がんばれ!
 福島原発の大事故処理にあたっている人たち、がんばれ!
 そして菅首相はじめ政府の方々、がんばれ!がんばってくれ!
 (当方には、声の届かないつぶやきで、ただ「がんばれ」というしか、できることがないのだ。仙台の従兄弟にはTEL。電気がついて、テレビ情報も見れている。ガスは未だきていないが、プロパンに残っており、薪も焚いているとのことで、風呂にだけ入っていないとのこと。)
●16日午前予定されていた米沢市を含む第1グループの停電は中止(テレビ情報)。
 ゴミ収集は明日から中止(回覧板)。
 昨日の学校の下校措置のことで、今朝の新聞に、副知事が県教委の判断は「不適切だった」と遺憾の意を示したとのこと(県教委に『外部研究者』から、放射性物質について『午後3時以降は危険』との情報が寄せられて、それで独自判断をしたもの)。
 デマには気をつけよう。婿殿のケイタイにも、不安をあおるチェーン・メールが入っていたとのこと。
 孫たちは、今日は休校のうえ外出禁止で、家で遊んでる。
 昨日、福島から米沢の保健所に来て検査を受けた人は313人、問診だけ受けた人は594人とのこと。
●計画停電―米沢では16日(水)午前9時~12時、18日(金)も午前9時~12時(孫が小学校で渡されたプリントで知り、ネットで確かめた)。孫たちは小学校で渡されたマスクを付けて帰ってきて、玄関先でいつになくアノラックを脱いで入ってきた。放射性物質の塵を避けるための措置らしい。明日16日は休校とのこと。過剰反応―家の者によるとローカル・ニュースで教育委員会が判断ミスを謝罪していた、とのこと。

 あ!また来た!(夜10時28分、米沢・震度3。その後まもなくテレビに10時31分・静岡で震度6強と)
●余震、震源地があちこち、三陸沖・福島県沖・茨城県沖など太平洋側での余震だけでなく、長野北部・秋田県陸南地方・中越地方なども震源に。
 福島第一原発の敷地内3号機付近で放射線量400ミリシーベルト(健康に影響するレベル)。4号機でも水素爆発の公算。こうなってくると「チェルノブイリに次ぐ規模」にも(NHK解説員)。半径(20k内からは避難)30k内では屋内退避の指示がでる。

●15日大震災5日目の朝5時半(この間、余震200回以上)、総理大臣・官房長官の記者会見、政府と東電の統合連絡本部を設置することにしたと。福島第一原発の2号機が(水素爆発した1・3号機に続いて)危なくなっている(冷却装置が停止、燃料棒がむき出し―空焚き状態、海水注入)。日本では今まで経験したことのない事態だが、今のところは国民の健康に影響するレベルには至っていないとのこと。
 昨日、米沢には福島原発のある方面から90人が避難してきて、病院で被曝検査を受けたが、放射能の検出は見られなかったとのこと。今日も、市営体育館に避難所を設けるが、受け入れ限度は170人。
 仙台では、電気・ガス・水道それにゴミ収集が依然すストップ。食料品・燃料それにおむつ・粉ミルク・生理用品なども欠乏する事態。
 すべてが元に戻るまでいつまで続くのか。電気・ガス・水道などは全面復旧まで1ヵ月というが、被災者たちの家や町や村の復興は何年もかかるだろう。
 今日現在、安否不明1万7,000人以上、避難民45万人。女川町で5,000人が安否不明。
 石油備蓄70日間分あるうちの3日分を短縮(放出)へ。
 東電の輪番停電、初日の昨日は一グループだけが実施。今日も5グループ実施予定。
●14日午前8時半過ぎ、仙台の従兄弟に電話、通じた。ご夫婦とも身体は無事で建物に被害はないが、水が出る以外は電気・ガスがストップ、テレビ・新聞情報もずうっとストップ、付近の店からの購入もままならず、他区に住む娘からおにぎりを届けてもらったりしているとのとで、余震、激震がいつまた来るか一番気になるとのこと。
 女川原発も停止し、東北電力も計画輪番停電の見込み。米沢のガソリン・スタンドもどこも「品切れ」、閉鎖。汽車も奥羽・山形線は運休。
●13日夕刻、「東北関東大震災」死者1万人単位におよぶ見通し(宮城県警)。
7時45分頃、総理大臣の記者会見―電力不足、予期せぬ大規模停電を回避するため、明日から計画的停電(東京電力、5地域グループを分け、3時間程度の輪番時限停電)を実施。国民の協力を願う、などのこと―「戦後65年、最大の危機に直面している。家族・友人、互いの絆でこの危機を乗り越えて、共にこの国を築いていこうではありませんか」と(声を詰まらせて)。未曽有の国難だということ、互いの絆をとり戻し、この難局を共に乗り越えよう、と訴えているのだ。
 学者によれば今回の地震は我が国では(「貞観地震」以来の)1,000年に一度の超巨大地震だと。
 地震の瞬間の継続時間は5分間におよんだとのこと(神戸地震は15秒)。津波は、仙台市南北の海岸地帯では、内陸5キロまで押し寄せ、名取市ではもっとそれ以上。宮古市田老町では10メートルの防潮堤防を乗り越えて押し寄せている。
 避難民―東北6県で31万人。
 米沢のガソリン・スタンドには、仙台の石油コンビナートからの供給がストップしているのだ。
●13日昼のニュース、マグニチュードは9,0(世界観測史上最大級に近い)と修正。
死者・行方不明あわせて2,700人超に(TBS)、死者は1,600人以上(NHK)に増え、宮城県の死者は800人以上に。いずれも今後大幅に増えるものと思われる。南三陸町では1万人が安否不明とのこと。
 TBSのサンデーモーニングはあったが、内容は地震関連で占められ、いつものスポーツ・コーナーはなく、コマーシャルもなかった。
 日本の津々浦々に、「つぶやき」ならぬ悲痛な「叫び」があがっているのだ。
●3月13日午前6時、いつもの起床前のイヤホーン音楽も、掃除機かけも、ラジオ体操も中止、テレビ情報を見入った。
 一昨日(午後2時46分頃)来の東日本巨大地震(マグニチュード8,8、国内観測史上最大、栗原市では震度7、米沢市は5度強、津波は相馬市海岸で7m以上)、死者・行方不明あわせて1,700人以上、死者1,000人超、うち宮城県・岩手県とも500人以上、福島県207人、山形県1名。
 仙台市若林区荒浜では津波で2,700世帯すべてが流され、200~300人遺体発見、若林区では沖野東小学校などで給水、仙台市では停電が10%で回復、山形県は全面復旧(米沢市は初めから停電なし)、「大津波」警報は「津波」警報」さらに津波「注意報」に切り替わる。仙台港にある石油コンビナートでは製油所が未だ炎上、福島第1原発で炉心溶融、1号機の建屋外壁崩落、冷却装置不能、海水注入中、3号機の冷却装置も不能に。付近の病院などで被曝者90人以上(ただし、微量で大多数は健康に影響するレベルにはないとのこと)、半径20キロ圏内の住民に避難指示。

 米沢は停電がなく、テレビ(どのチャンネルも通常の番組は中止、地震関連の報道だけ)で、つぶさに映像情報が見れた(すさまじい光景、惨憺たる有様)。しかし、電話は市外には通じない。
 発生当日は、当方は、たまたま公共施設にいて、瞬間、天井を見上げ、机につかまり、下にうずくまりかかったが、みんなと一緒に部屋を出て、屋外に避難した。家に電話したが、つながらなかった。急いで帰ると、女房は孫たち3人とテレビ(地震情報)の前で身を寄せあい、長男子はマンガを見ていた、かと思ったら、それは学研の「大地震サバイバル」というマンガだった。家の中を点検すると、小さな仏壇の阿修羅像が倒れており、床の間や棚の上に飾ってある大小の「お鷹ぽっぽ」が、みな倒れ、何冊か大小の本類その他も倒れ落ちていたが、そんな程度だった。市内の被害状況は、上杉神社の石鳥居の梁?がひび割れして落下寸前、針金でつるされていた。
 婿殿は当日、盛岡に出張中で、日帰りの予定だったのが駅前のホテルに宿泊(そこは停電、代金は1,000円しか受け取らなかったとのこと)。連絡はとれない。当夜、孫たちと母親は我が家に泊まった。婿は明くる日の午後、不意に帰ってきた。レンタカーをやっと借りられて、郡山の人と2人で、秋田県経由で来たとのこと。
 新聞(朝日)は仙台の印刷工場が故障で昨日は配達中止、今朝両日分が届いた。
余震、こうしている今も(7時13分米沢は震度3)。
 仙台には若林区に従兄弟が住んでいる。泉区には卒業生が住んでおり、名取市には卒業生がやっている会社の営業所がある。どうしていることか。

車のガソリンは未だ半分近く残っているのに、詰めてきてというので、行ってみるとガソリン・スタンド前はどこも渋滞か、空いてる所は「もう空なりました」と断わられ、諦めて帰ってきた。長期におよぶ電力不足も心配されるし、節電しなくては。

●「ネットカンニング」がセンセーションを呼び起こした。関係者それにマスコミの取り上げ方、それに対する庶民の受け取り方には、「入試制度の根幹を揺るがす重大事件だ!」「まじめに努力する人がバカをみてしまう。許せない!」と深刻がる向きと、「ケイタイであんなことができるんだな。すごい?」「山形県内の公立高校の卒業生だいうが、いったいどこの高校だろう?」と興味本位な関心を向ける向きとがある。
 今後どうするかといえば、専らカンニング防止策をどうするか、試験監督態勢を強化するとか、ケイタイを出させるとか妨害電波で阻止するなど対症療法的な対策しか考えない。しかし、そんなことで収まりつくような問題なのだろうか。
 そもそもこれは、「科挙制度」の本家の中国や台湾・韓国などに見られ、欧米社会にはあまり見られないペーパーテスト本位の競争試験制度からきているのだ。このようなやり方が続くかぎり、カンニングなど無くなるまい。
 3月5日付け朝日「耕論」に小飼弾氏が「大学の講義についていける必要最低限の学力だけをセンター試験のような共通テストでチェックして、後はくじ引きでランダムに選んで入学させるほうが」と論じている。いずれにしろ、入試制度そのものを根本から見直すべき時なのだ。

 同紙同欄で貴志祐介氏(作家)は「入試は人の一生を左右する、社会の根幹にあるシステム」というが、ペーパーテストを「自分の力で解く力」だけ測る、そのような入試制度そのものを根本から見直すべき時なのだ。
 小飼弾氏(ブロガー・プログラマー)は次のようなことも述べている。「本当にカンニングを無くしたいなら、パソコンでも何でも持ち込み可な試験にして、ネットの情報も参照しながら、単なる引き写しじゃないユニークな解答を出せる学生を選べばいい。そもそも「自分で解く力」だけを測ることが公平なやり方なのか。」とも述べている。
 同紙同欄でコラムリストの小田嶋隆氏は、「大学入試は、様々な問題を抱えながらも、今では数少ない、公正さを担保された競争」と述べ、貴志祐介氏は、カンニングは「それを模倣する人が続出すると『まじめに努力する人』がバカを見てしまう」と述べているが、小飼氏は「難関校の入試問題は高校の普通の授業を受けただけでは解けないものが多い。私立の中高一貫校の子や、金をかけて塾通いをしていた子が圧倒的に有利になる。極端にいえば、親の経済力で決まってしまう」と述べている。一見「公正な競争」「公平なやり方」のように見えるが、実態は後者(小飼氏が述べていること)の方で、けっして「公正な競争」などにはなっていないのだ。

 我が国は「学歴社会」ともいわれるが、「入学学校序列社会」で「試験競争社会」なのだ。民放の某局のワイドショー(TBS「ひるおび!」)で今回の事件を取り上げていた、そのなかで同一人物による「ネットカンニング」が行われた大学名(京大・同志社・立教・早稲田)が書かれた解説用のパネルに、ご丁寧にそれぞれ大学名の後に括弧して「偏差値」が書き込まれていた。受験生はそれら4大学のうちの京大に受かりたかったのだという。マスコミは偏差値ランキングで大学を紹介しながら一受験生の「ネットカンニング」事件を解説している。それになんの疑問も感じていないのだ。
 人々は入学学校序列社会・試験競争社会にどっぷりつかって慣れきっている。そのなかで教育はゆがみ、人々の心も歪んでしまっているのだ。
 この先、受験に失敗して傷つき、自室に引きこもって一日中ゲームに日を過ごすとか、おかしくなりかねない孫のことを思うと心配でならない。

●このブログ、この評論、このつぶやき、どうやら(メンバーの)誰も見てくれていないなと思い知らされて、「いいんだ、どうせマスタベーションのようなもの。所詮、自己満足にすぎないのだから」と。しかし、がっかり。趣味・道楽でやっているだけかもしれないが、一人密かに行為にふけって自己満足しているわけではなく、世に公開し人々から見てもらって何かを感じてもらえればな、という期待のもとに出している。それが、誰もみてくれていないとなると、正直がっかりし、空しさを覚える。
 しかし、たとえそうだとしても、それ(このブログの作成・発信)に取り組んで、そのために新聞・テレビ・週刊誌・月刊誌・講演会などを見聞きし、たまに写真を撮ったりもして日を過ごし、それで日々自己満足しているのも確かだ。
 そもそも人間、何のために生き、日々、何のためにあれこれやっているのか。誰しもそれは、すべて自分の自己満足のためではないのか。
 自分では、世のため人のためにやっている、とは思っても、或は、主観的に(勝手に)そう思い込んでいるだけではなく実際(客観的に)世のため人のために役立っており、人々から評価を得ているとはいっても、所詮、それも自己満足―そうすることによって(世のため人のため尽くすことによって)人々から有難がられ感謝されたい、いや、そんなことも求めない、とにかくそうしたいだけだといっても、そういう自分自身の欲求(利他的欲求)を満たしている、要するに自己満足にほかならないのだ。人間の欲求には自己実現欲求があり、利己的欲求もあれば、利他的欲求もある。人間のすべての行為は、それら自己の欲求から発し、自分自身の欲求を満たすために行われているのだ。
 カラオケを誰も聴いていないところで、一人で歌って自己満足しているのと、大観衆の前で万来の拍手をあびながら歌って自己満足しているのとでは、歌っている当人にとっては両方とも自己満足であることに違いはないのだ。
 ただし、同じ自己満足でも、世のため人のために役立ち、人々から共感を得、喜ばれ感謝されているのと、世のため人のためには何も役立たず、誰からも共感が得られないのとでは自己満足の度合いが違う。事業や仕事・ボランティアなど、世のため人のためより多く役立ち、より多くの人々から共感を得られるものほど自己満足の度合いが高く、やりがい・生きがいを深く感じることができる。それにひきかえ、単なる趣味・道楽など、やっていることは巧くいって自己満足(充実感・達成感)は得られても、それが世のため人のためには役に立たず、人から共感を得られないものは、満足度は低く、(カンニングとか八百長とか賭博とか覚せい剤とか)不正・犯罪など、世のため人のため役に立たないどころか、かえって迷惑や害悪を与えるものは、その行為が成功し目的を果たしたその瞬間は(ヤッタ!巧くいった!と)自己満足は得られても、結局は、心に空しさ・負い目をもち続け、やがてそのしっぺ返し(報い)を被る不安と恐怖にさいなまれ、耐え難いフラストレーションに陥ることになる。そういうものだと思う。
 しかしながら、いずれにしても、人間のやることはすべて自己満足のためであることには変わりあるまい。
 どれ、今日も自己満足のために取り掛かるとしようか・・・・


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