米沢 長南の声なき声


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他国への「親しみ」調査・公表に違和感
2010年12月28日

 12月19日付け本紙に「中国に親しみ『感じぬ』8割―内閣府世論調査」と大きく出ていた。どの国に対してであれ、このような調査・公表には違和感を感じる。例えて言えば、高校で生徒に近隣のある高校に対して「親しみを持てるか」とアンケート調査しているようなものでは?自校がその高校の生徒の大半から「親しみを持てない」と思われ、嫌われていると感じた生徒たちは、その高校の生徒たちに反発を感じるか、仲良く交流する気にはなれなくなる。そんなアンケート調査をとらせるバカな教師はいないし、それを公表するバカもいないだろう。
 「中国への親近感の変遷」など対中感情の実態、国民意識の動向を調べ、引き起こった事態との相関を(「尖閣沖の漁船衝突事件が対中感情に影を落としていると見られる」などと)分析することは、外交当局にとっては客観的なデータに基づいた的確な外交を期する上で必要なことかもしれないが、だからといってそれをいちいち国民に公表する必要はあるのか。自国が嫌われていることを知った国民は、その国に来たがり、その国の国民と付き合う気になるだろうか。
 23日付けの本紙には「来日中国人、11月激減―尖閣問題響く」と出ていたが、このような嫌中感情の公表は、観光客などのさらなる激減に拍車をかけることになり、国益を損なうことにならないか、危惧するのは当方だけだろうか。


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