米沢 長南の声なき声


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「核依存症」社説に疑問
2010年08月12日

 広島市長が「核の傘」から離脱を促したのに対して、首相が核抑止力は引き続き必要だと述べたことを、本紙社説は「すぐに核の傘から離脱することは現実には困難」であり、「首相の言う通りだ」とし、世界の核依存を「減らしていく」外交を積極的に展開することによって「非核日本の道理を世界にアピールできる」、そうして「核依存症から抜け出そう」と書いている。あたかも「吸引をきっぱり絶つことなく、本数を減らして依存症から抜け出そう」と言っているようにも思える。
 アメリカには核廃絶を求めずにその核抑止力に依存し続けながら、いくら「相手の核使用抑止以外には核を使わないようにする」など「世界の核依存を減らしていく外交」を展開して、北朝鮮などに核の放棄を要求し、諸国に核廃絶を促しても、国々は納得してそれに応じようとするだろうか。やはり「日本は矛盾している」との不信感を払うことはできないだろう。
 「すぐに・・・は困難」だというが、「核の傘から離脱する」とは、必ずしも「同盟から離脱」するというわけではなく、ただ「アメリカにも核廃絶を求める」というだけのことで、我が国政府がその気になれば済む話。既に国是としている非核三原則を堅持し、その上、同盟国アメリカにも核廃絶を求めてこそ、「非核日本の道理」が通用し、「核廃絶への道」の先頭に立つ資格が得られるというものではあるまいか。


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