相澤嘉久治作―普天間基地問題で混迷している今この時に書き下ろし
「月刊素晴らしい山形」4月号に脚本が掲載
アメリカ施政権下の沖縄県伊江島。米軍基地建設にともなう土地の強制接収に抗した
村人の苦闘を描いた実話。本土では「琉球と朝鮮、犬お断り」と差別された沖縄人。
「沖縄の土地はアメリカのものだ。われわれが日本人から血を流してとった島だ」と言い立てる米軍人。
アメリカの「ソ連抑止・中国封鎖」の極東戦略。
「以前は悪い親(日本)を持ち、今はアメリカという立派な親を持って、思っていることをこんなに自由に話すことができて嬉しいとは思いませんか」と米軍将校。
しかし「軍政府は猫で、沖縄は鼠、猫の許す範囲しか鼠は遊べない」。
強制接収強行「武装兵たち、農民の群れに向かって襲いかかる・・・・怒号・喚声そして悲鳴・叫声」。「昔、鬼畜米英という言葉を教えられ、そのアメリカがわれわれにものをくれる人間だったのにびっくりしたことがありましたが、やはりアメリカは人間の皮をかぶった鬼畜生であったと、こんどつくづく・・・・」。
そして村人たち、沖縄中を「乞食行進」・・・・。
「私たちの大切な土地を取り戻すために、また闘いつづけます。」と。今なお伊江島の総面積の約3分の1もが、米軍基地という。
普天間基地も、米軍が沖縄に上陸して占領と同時に土地を強制接収、住民の抵抗を排除して建設されたのだ。
劇は9つのシーン―からなるが、舞台上でどのように展開されるのか、早く見てみたい。現実の普天間問題の展開にあわせて一日も早く上演されることを期待してやまない。