米沢 長南の声なき声


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無償化は恩恵ではない
2010年03月17日

 高校授業料の無償化に関する先の投稿に、「学ぶ気のない生徒救う必要あるか」との異論があった。そこには履き違えがあるように思われる。
 そもそも国民にとって教育を受けるのは権利であり、政府にとって教育事業は、社会保障などもそうだが、けっして恩恵ではなく、国民の権利に応ずる責務として行われるものであって、小中学校であれ高校であれ無償化はその一環にほかならない。ところが投稿者は、無償化は「学びたいのに貧しくて学べない生徒」を「救ってやる」国の恩恵でもあるかのように履違えている。
 それに、外見などで「学ぶ意欲に欠けると判断される生徒を排斥する教育観は正常」と書いておられるが、そのような生徒こそ指導を必要としている生徒なのであって、彼らにこそ教育対応しなければならないのでは。たとえその時点では生徒に学ぶ気はなくても、彼は指導を必要とし、彼には学ぶ権利がある以上、学校や当局がそれに前向きに対応するのは当然の責務。彼らを除外すれば、学校が荒んだり、教育困難校に陥る心配は薄らぐとはいっても、学校からあぶれ、教育を受けない若者があふれた社会はどうなるというのだろうか。


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