米沢 長南の声なき声


ホームへ戻る


歴史観・価値観「受け入れてもらうしか」とは?
2009年12月05日

 本欄掲載の「国旗・国歌は歴史を刻んだもの」(12月4日)で、「受け継がれたものを継承するしかない」、「学校関係者の皆様に歴史を受け入れてもらうしかありません」と書いておられる。「自らの主張だけをすれば混乱を招くだけ」、だから黙って起立して歌えばよいのだ、というのでしょうか。
 アメリカでは、(1943年)星条旗に対する敬礼と忠誠宣誓を公立学校の生徒に義務づける州の規則に従わずに生徒が退学処分になったのに対して、連邦最高裁は「いかなる地位の公務員も、政治やナショナリズム・宗教その他思想に関する事柄について、何を正当とするかを決めることはできないということであり、市民に言葉や行為によってそれへの忠誠を誓うよう強制することはできない」として、その州規則と処分に違憲判断を下している。
 我が国では、その旗、その歌に対する思いが、歴史観・価値観など思想・信条の違いによって、国民の間に大きく隔たりのある旗・歌を多数決で決めて国旗・国歌にしているが、そこに問題がある。しかも、制定時、政府が国旗掲揚等は「義務づけない」と言明していたのに、学校に押し付け、従わない教師が処分されるというのでは、あまりに理不尽というべきなのではないでしょうか。


ホームへ戻る