米沢 長南の声なき声


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葛飾ビラ配布事件判決の理不尽
2009年12月02日

 葛飾のマンションでそこの住人各戸に「区議会だより」を投函して回った荒川さんの行為が住居侵入罪とされた、その判決は全く理にかなっていない。
 そもそも人々は日常、様々な用事で人の家を訪問しなければならず、ドアポストに投函もしなければならない。マンション内ならば、公地・公道ではなくとも、そこに立ち入って通路を通らなければ訪問して用を果たすことはできない。訪問や投函を受けた住人が、その内容(用向き)を受け付けず拒絶する権利はあっても、訪問者の通路立ち入り・投函自体まで阻むことは、住人であれ、管理人であれ、警察官であれ許されない。それは公共の福祉に反する私有権・管理権の濫用である。
 「チラシ等広告の投函禁止」が「管理組合の意思」だというが、それがマンション住人全員の総意で決めたというわけではないというし、そもそもそれを多数決で決めること自体、理にかなわない。自分がそれは迷惑だと思うからといって(或は、自分の気に入らない政党のビラだからといって)、そうは思わない、或は迷惑どころか「知る権利」をもち、その情報を必要としている他者にまで拒否を強制することは許されないことだからである。
 にもかかわらず、判決は、その不合理な「管理組合の意思」なるものを正当と認め、「区議会報告」を届けて回った行為の方を、それに反する行為だとして、それを行った市民を逮捕・拘留し罰金まで課することを認めた。
 それは、あまりに理不尽というほかないばかりか、この種の言論表現活動を萎縮させ、これらに対する多数派・権力側による政治弾圧を増長させて民主主義を阻害する最悪の判決と言わなければならない。
 やはり、先の総選挙に際する国民審査で×を付けた裁判官たちの判決だ。


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